【10月編】月一河川敷採集記 〜完全燃焼、初のチビゴミ採集!〜


本当は行くつもりはなかったのだけど…

10月編はチビゴミムシの採集。



私がチビゴミムシの採集に興味を持ち始めたのは2014年冬頃だったと思います。
河川敷のしょぼい崖を掘ってたら急に、
「チビゴミとりたい」
ってなったことがきっかけでした(笑)

ただ『チビゴミ採集は過酷』ってイメージがあって、なかなか覚悟が決められなかったんですが…2015年に入って人生初のチビゴミムシ採集となる「イズイソチビゴミムシ」採集に挑戦させてもらって、ボロクソにやられました(笑)

別に本気で狙いに行ってたわけではなく、あくまでお遊び感覚でしかなかったはずなのですが…

軽くトラウマみたいになった(笑)

想像を絶する過酷さに恐怖し、「自分にはまだ早すぎる」と思い始めて、それ以来すっかりチビゴミ採集の意欲を失ってしまいました。


が、


ある日、私は知ってしまった。



平地に、特に河川敷や湿地に生息するチビゴミムシがいるらしい。



どういう経緯でそれを知ったのか覚えていません(笑)
もしかしたら、いつもの河川敷ならチビゴミムシに会わせてくれるのでは…と思い始めたのです。
思い始めたらこれが全く止まらなくて…

そういうわけで10月も結局採集に行くことになったのでした。



河川敷で採集できる可能性のあるチビゴミムシ(今回の目標)は以下の4種。
(一部、原色日本甲虫図鑑Ⅱから引用しました。)

1. ヒラタキイロチビゴミムシ
Trechus (Epaphius) ephippiatus Bates, 1873

平地、低山地の林で、湿った落ち葉の下から見つかるのだそうです。
何となくだけど洪水後の採集で大量に得られるイメージがあります。

最も出会いやすいチビゴミムシみたいなイメージもあります。
(この種自体は前から知ってたけどあんまりチビゴミっぽくないとか思っ…)


2. フタボシチビゴミムシ
Lasiotrechus discus (Fabricius, 1792)

河原や沼沢地などの湿地、特に葦原に多いようです。走光性あり。
こちらもまた、洪水後の採集で得られるみたいですが前種よりは少ないみたい…

このゴミムシがなんか分からないけど私の好みに超どストライクな虫だったみたいで(笑)
本当に何なのか分からないけど無性に採集したくなってしまい、、考え出したら止まらなくなって勉強が手につかないほどでした。今回メインで狙ってくのはこの虫です!


3. アトスジチビゴミムシ
Trechoblemus postilenatus (Bates, 1873)

河川敷などの湿地に生息。これもまた洪水後の採集で得られるようですが詳しい生態は不明。
前種と少し似た種類ですが、こちらはさらに少ないゴミムシなのだそうで…


4. ホソチビゴミムシ
Perileptus (Perileptus) japonicus Bates, 1873

平地の河原や湖岸の水際に生息。かなり普通に見られる虫のはず。
ほか3種はすべてチビゴミムシ族(trechini)ですが、こいつはホソチビゴミムシ族(Perileptini)で、別の族に所属しています。でも一応いれとく……




という感じです。
今回は河川敷でこれら4種を狙っていきます!!

もうゴミムシが越冬に入り始める時期なので、ちゃんと採れてくれるかどうかが不安ですが…
(そもそも越冬する種なのかも分からない…)




2016.10.30

朝5時半頃、市民薄明開始時刻に合わせて家を出る。



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曇り。
なんかいっつも曇りだよな…

一応午後から晴れるみたいですが、今日の採集には天気はさほど関係ないんです。

一日中、ゴミを漁るだけですから(笑)






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なんの迷いもなく目的の場所を目指します。
イメージトレーニング(?)は散々やったのでその通りの流れを追えばいい。

河川敷に入った所から少し違和感は感じていたのですが…






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林のど真ん中で工事なんて、一体何をするつもりなのだろうか……
なんだかとても嫌な予感がする……けど前向きに言える事はひとつ。

来年、ここでナガタマムシが湧く…はずだ(汗)

ようやく伐採木というものが河川敷に現れてくれた、と喜べばいいのかもしれないけど……複雑です。



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第一のポイントに到着しました。
川のすぐそばで、超小規模ですが河原っぽくなってる場所を選んだつもりです(笑)
思ったより草が繁茂してました(汗)


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地面は砂です。川の氾濫をまともに受ける場所なだけあって、背丈の低いイネ科植物が多数見られます。


地味に期待していたシナダレスズメガヤは一切なかった(笑)

ここでシナダレスズメガヤが程よく生えてたらクロケシもいけるはずだと思ったんですが…やっぱダメか(汗)
他のイネ科植物につく可能性がないわけではないので、一応時期が来たらまた訪れたいですね。



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一番初めに目に付いた石を起こして見ると、マルガタツヤヒラタゴミムシが得られました。
他の石も起こしましたが特に何もなし。



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とりあえず、水際にいって堆積しているゴミを…と思ったら全然ない(笑)
やっと見つけたのがこの「何かの根っこ」。根っこですよこれ全部!力強(ry

つついてみると、小さなミズギワゴミムシが出てきました。
不器用な私にとっては手づかみで採集するのが困難なゴミムシです。普段ならスルーしますが今回は…





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アトモンミズギワゴミムシ
Bembidion niloticum batesi Putzeys, 1875

吸虫管が初めてまともに仕事した!!
一応初採集ではあるんですが、湿ったところで出会う小さいゴミムシの大半がコイツなので新鮮味が全くありません(笑)
確かに改めて見ると立派なゴミムシではあるんですけどね…



思った以上に水際にゴミが溜まってなくて(貯まるはずのゴミさえ流されてしまうようなショボい河原なのか…)
より陸側に目を向けて探していくことに。


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中途半端にたまった落ち葉が各所にあります。
落ち葉をかき分けると赤褐色のコミズギワゴミムシが多数見られました。(3匹採集)
ハネカクシもこの一日でかなりの種類見かけたんですが、大部分はスルーです。
(まだ少しだけハネカクシに苦手意識がある…)
唯一採集したのは、この場所で見つけた一匹のみ。




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これなら分かる…と思いましたが、ダメでした(笑)



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より陸寄りの枯れ草の下では、初採集のトックリナガゴミムシも得られました。

とりあえずこの辺りには他の場所になかなかない種類のヤナギがあったのと、洪水の撹乱を相当に受ける環境だってことだけ覚えておきます…
あまり本命が狙えなさそうな所で粘っても仕方がないので、ほどほどで切り上げて次の場所へ。







次は、2016年2月の採集で見つけていた水たまりとその周辺の水路(雨によって水が溜まったり溜まらなかったりな場所)にいってみました。

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空き缶やテレビなどのゴミが非常に多く、枯葉も少ない…
そしてヤブ蚊がウザすぎてやってられません!

虫除けスプレーを使うと確かに寄って来にくくはなるんですが、効果時間が切れるのが早くてとにかく厄介でなりません。対策が甘かったかもしれない…



ここで得たのは、

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セイヨウミツバチ
Apis mellifera Linnaeus, 1758

瀕死なのになぜか完品だったので拾っていくことに。
ちなみにこれがクロマルハナバチ飼育以降で初採集のハチ…(汗)

あとはコガシラアオゴミを草地付近の場所で追加して終わり。



次の場所へ……と思ったんですがここで足が止まる。

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シナダレスズメガヤ…??

どうやらこれ違うみたいです。
ちょっと自信ないですがシナダレスズメガヤというよりは、同じスズメガヤ属の「カゼクサ」というものが近いように感じました。

実は、これまで河川敷で見つけて来たシナダレスズメガヤと思われる植物は全て別の植物だったんです。

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左は…スゲ系?
右はチカラシバ。

スゲ系は薄暗い所に多いのでそう簡単に間違えないですが、株立ちするイネ科は花穂がないと本当に見分けるのが困難です。
これまで「シナダレスズメガヤ」としてスウィーピングしてきたものは、チカラシバとカゼクサだったことがこの日判明しました。

クロケシタマムシがカゼクサやチカラシバにつくのかどうかは不明です。
1匹でも採集できれば、標本よりも食草とホストの解明を優先して尽力するつもりなんですが…その1匹までがほんとに遠い道ですね(汗)



で、この時はそんなよく似たものがあるとは知らず、カゼクサをシナダレスズメガヤと帰宅して調べるまで勘違いしていました(笑)

なので、
「もしクロケシが越冬しているなら根元とか草の下もあり得るのでは」
「もしまだ越冬に入っていなければ草を叩いて下に落とし、下の枯れ草をかきわけて調べればより楽に採れるのでは」

と色々考えて、試しに「枯草起こし」的な採集をやってみることに。



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ゴミムシが出て来ました。
(そういえば、草の下とか根元でもゴミムシって越冬するんだっけ…?)

さらに草をかき分けて調べていく…

マルガタゴミムシやゴモクムシを連続で追加。
狭い範囲内でも結構な頻度でゴミムシが出てくるので驚きました。
いい感じの崖とかがない河川敷だとこっちの方が効率がいいのかもしれない…(笑)






次の場所へ。
フタボシチビゴミムシの生息環境は葦原ってことで葦原を目指します。



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途中で見つけたシナダレスズメガヤ…じゃなくてカゼクサ(?)の小規模な集団。
枯れ草がいい感じに積もってるのでここでも「枯れ草起こし」的なもの(この採集方法の名前がわからない)をやってみます。


ヤバかった。



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ゴミムシが立て続けに見つかります。
狭い範囲なのに起こせばいくらでも出てくる状況でした。

ゴモクムシとかの本来の越冬スタイルってやっぱりこれなのかな…?

出てくるゴミムシはゴモクムシが圧倒的に多いですが、前回の採集で同定方法をある程度理解していたことが役に立って同種ゴモクムシの採り過ぎを抑制できた、気がします(汗)

ゴモクムシの次に多いのはマルガタゴミムシ。
こちらは今まではスルーしがちだったんですが、今回は真面目に採集。
近似種と確実に見分けるには♂の交尾器が必要なのですが、何故か♀ばっか採ってた…

※マルガタゴミムシとニセマルガタゴミムシのメモ(原色甲虫図鑑Ⅱより)
①オスの交尾器の逆棘(鋭い→マルガタ 、鈍い→ニセマルガタ)
②上翅の微細彫刻(強く等径的→マルガタ、通常
横長の網目→ニセマルガタ)
③複眼後方の側頭(直線的→マルガタ、通常ややふくらむ→ニセマルガタ)

今回採集したマルガタゴミムシは、通常タイプのマルガタゴミムシもしくは②と③がともに通常でないニセマルガタゴミムシとなりました。(♂はちゃんとマルガタでした)

今はまだ、確率が高い方にかけるしかできません…
ニセマルガタゴミムシとマルガタゴミムシの同定を相当数こなせば、微妙な個体変異の範囲を見抜けるようになるのかも知れませんね…

♀の同定で頭部がちゃんと見えないと困るので標本作る時に気をつけるべきですね。


マルガタ系の他はトックリナガゴミムシやコミズギワゴミムシも少し採集できました。



他、


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マグソコガネ
Aphodius (Phaeaphodius) rectus (Motschulsky, 1866)

全身黒色のタイプを冬季に苔の下で採集してますが、こちらのタイプは初でした。
それとエンマムシも採集。



そして………



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!?

飴色の小さな、なんかそれっぽいゴミムシも2匹採集できました…
もしかしてこれが「ヒラタキイロチビゴミムシ」なのか??
もっとジメジメしてる場所にいるイメージが強くて確信が得られなかったので、とりあえずミズギワゴミムシってことにして気を抜かずに先に進むことにしました。


しかし、この採集方法は本当に色んな虫が次から次へと出てきて楽しいです。
種類が多少限定されますが、堀りや野焼き後の石起こしよりもゴミムシの出現頻度が高いのが驚きです…
(色んな採集方法を試すのも大切なんだなと思いました…)






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葦原のある水辺へ。

奥に開けた水面が見えますが、実際は葦の生えてる領域もほぼ水に浸かっています。
ここ最近は何度か雨が降ったので水位が上昇しているのかもしれません。

探索できる範囲はかなり限定されますが、それでもやるしかない。
フタボシチビゴミムシを採るとなれば、私の知る限りの場所だとここが一番有望なので…

どこから入ろうか迷っていると、足元にやたらと石が多いことに気づく。
最初に目に付いた一個を起こしてみると…





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キベリアオゴミムシ
Chlaenius circumductus Morawitz, 1862

あ…

2015年の4月、某遊水地でこいつに出会った時のことを思い出s過去の事を思っちゃダメだよ…

何回か遊水地で採集して、河川敷でも採れることをほぼ確信してましたが…なんだろうこの微妙な気分は(笑)



さらに、石起こしでコガシラナガと、ヨモギハムシ(銅色型)を採集。
そういえばコガシラナガって河川敷では初だったな…


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いよいよ、葦原に突っ込んでいきます。



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アシだけならなんとかなるんですが、ノイバラが混ざってくると本当にキツイ(笑)
立ち上がることはできず、しゃがんだままの状態で這うようにして目の前の藪をかき分けていく…
(案の定、翌日から尋常じゃない筋肉痛に襲われることになりました)



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悪くはないと思うけど…どうだろう?


かなりベチャベチャしてる地面のあたりを中心に溜まった枯れ草をかきわけていきますが…
あまりゴミムシが出ない(汗)

採集できたのは、
ツヤマメゴモクムシ(初)
ムネアカマメゴモクムシ(初)
ムネアカチビヒョウタンゴミムシ(初)
アトモンミズギワゴミムシ
トックリナガゴミムシ
オオヒラタゴミムシ

辺りだったかな…
初採集を積極的に採集した、というよりは出会うゴミムシに初採集種が多かった感じでした。
トラップとか材割とかと比べて採集する環境が随分違いますからね…

この日はどこに行ってもトックリナガゴミムシに出会います(汗)
どの位採集したか把握できてなくて、気がついたら二桁に到達してしまいました。やり過ぎた…
今まで全く出会わなかったのは何故なのか…



ゴミムシよりずっと多かったのはこちら。


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エサキアメンボ
Gerris (Limnoporus) esakii Miyamoto, 1958

2016年4月、某遊水t過去の事を思っちゃダメだよ…

これも河川敷にもいるだろうなーとは思ってましたが、個体数がなかなか多そうだったのでなんとも言えない気分になりました…

いつか遊水地で採集して喜べた数少ない虫を、河川敷であっさり採ってしまうという恐怖。
とはいえ遊水地でしか見れないような虫にまだ全然出会えてないですからね…仕方ないですよね………



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ババアメンボ
Gerris babai Miyamoto, 1958


※分かりづらいとは思いますが2匹写ってます。

エサキアメンボではない別のアメンボもいました。個体数はエサキよりほんの少し多いかな?って位です。
ヒメアメンボかと思ったらババアメンボでした。こちらもエサキアメンボ同様に全国的に見れば少ない種類みたいです…



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あまりゴミムシが出てこないので、ほどほどにしました。(ちょっと道っぽくなってるところが採集跡地)
結局、“ベチャベチャ”な場所で追加できたゴミムシはそれほど多くなかった気がします。(初採集種はありましたが)

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ただ、少し陸よりの土が“しっとり”してる場所を攻めてみたところ…ヒメホソナガゴミムシが久々に採れました。(前に一度、遊水池で採集してました)初採集ナガゴミかと思ってしまった(笑)
それなりにまとまって採れたので、ここが彼らの本来の生息環境なのかもしれません…

落ち葉や枯れ草を漁るっていうより土をかき分けるイメージが強かったです。元から土にかなり隙間がある状態でした。モグラか何かの影響でしょうか。(実際それっぽい穴がとても多く見られました。)

ちなみにこの葦原ポイントで一番多かったゴミムシは「オオヒラタゴミムシ」でした。
このゴミムシの初採集の場所が公園の林縁地帯だったので湿地系ゴミムシのイメージが全く無く、普通に初採集のゴミムシかと思って余計に採集してしまいました(汗)

ゴミムシが多く見られた土質をしっかり記憶しておいて、移動…



ちょっと寄り道。



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イヌタデ
Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.

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アメリカセンダングサ
Bidens frondosa L.

後ろに一部が写ってますが、8月の採集で残酷な現場を目撃した死の池に行きました。
枯れ草とか溜まってなかったかな…と思って(汗)

驚くべきことに水位がかなり上昇して普通の池として復活してました。
今日はアメンボ位しか見当たりませんでしたが、池の中には中に生き物がいるのかどうか…

私は知っている。

この池の底に、大量の空き缶、ゴミとヘラブナの死体が沈んでいる事を…

今日は誰もいませんでしたが、この池ではまだ釣りが続いているのでしょうか。



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続いてるかもしれませんね……。





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また別の場所で。チガヤ。(ホソツツタマムシの寄主植物)
花穂が見られるのは初夏なイメージですが、秋に花穂が出るものもあるんですね…
それと葉が赤く紅葉するって初めて知りました。



昼飯を軽く食って、次の葦原ポイントへ向かいます。



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なんかやけに色の濃い花穂が目に止まって…

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ノギがある、株立ちして…してるのかこれ!?


そう、これが…



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「ススキ」だ!!!!!!
(ホソツツタマムシ、クロケシタマムシ両種がつくと確定している数少ない植物)

ここの河川敷は圧倒的にオギが多くて今までススキが全く見当たらなかったのです…
まさかこんな所にひっそりとススキ群落があるとは思わなかった…

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ちなみにこちらがオギ。株立ちせず、ノギもない。花穂はより白っぽい。
花穂の色だけでも結構分かりやすい違いがあったんだ…
(個体差はあると思いますが…)


なんか、、
イネ科植物を勉強するブログになってしまってる(笑)

難しいんです、イネ科は…
昆虫がちゃんと自分の食べる植物を判別できるのって本当すごいですよね…





で、葦原に着くはずだったんですが…
どうも読みが外れたらしく、周囲に葦原が見当たりません。


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水の色どーなってんだこれ…
周りに生えているイネ科植物はオギが中心です。



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葦原がないとはいっても、岸には枯れ草が覆いかぶさっていて中々良さげに見えます。
ここでヒラタキイロチビなら狙えそうな気がしたので、「草起こし」をやります。



枯れ草起こし開始から…6分後。



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!!


まさしくそれって感じのやつが出た!!
さっきカゼクサの下で見たやつとは違う奴なのかな…?
(同じでした)


このゴミムシ、この場所での個体数は多いようで…

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連続で追加し、6匹で止めました。
iPhoneに入れておいた原色Ⅱでヒラタキイロチビゴミを調べ、およそ確信がついたところで生態写真を狙ってみることに…



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ヒラタキイロチビゴミムシ
Trechus (Epaphius) ephippiatus Bates, 1873


ということで…目標達成です!!
もう何時間も前の枯れ草起こしの時点で達成していたのですが、家に帰って確認するまで気づかない(笑)

人生初のチビゴミムシは、多分最普通種(?)、ヒラタキイロチビゴミムシになりました!
チビゴミムシっていうとイメージされがちなのはナガチビゴミムシ属(Trechiama, いわゆる“トレキ”)みたいなものですが、
ヒラタキイロチビゴミムシはチビゴミムシ属(Trechus)ですから!!
こっちが本家チビゴミムシみたいなものですから!!(笑)

「あんなんチビゴミムシじゃないしあれ…」とか思ってた…すまないヒラタキイロ(汗)

実際に出会って、自分の目でじっくり見て印象がだいぶ変わりました…
エリトラをよく見ると確かにチビゴミっぽいものを感じる!!



やっぱりこうやって簡単な種からやってくのが自分に合ってる気がします(笑)
いきなりイズイソチビはハードすぎた…けど、あの採集のおかげで大抵の採集が「あれよりは全然マシ」と思えるようになったので良かっ…良かったのかこれ!?

なんにしても、近場でチビゴミムシに出会えるって本当に素晴らしいしありがたいことですよ…
いやもうほんと、フタボシチビゴミムシとか、ナガチビゴミムシ属とかに出会ったらどんなに感動するのだろう、と思ってしまいます。



改めてヒラタキイロチビゴミムシの環境を振り返っておきます!(誰得)

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一番多く見られたのは水辺からは1m前後の辺り。
土はベチャベチャでもしっとりでも無く、中間くらい…ジメジメって感じ?
個体数はまあ、それなりに多くて1時間の捜索で10〜15位見かけました。(意外と少ない…?)

もちろん、草起こしの中で見つけたのはヒラタキイロチビゴミムシだけでは無く、



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オオヒラタゴミムシ
Platynus magnus (Bates, 1873)

オオヒラタゴミムシの個体数は多い。水際に溜まった土の隙間に潜ってるイメージ。
というかこいつは越冬勢なのか?生き残り勢なのか?
(時期が微妙なのではっきり分からない…)



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オオゴモクムシ
Harpalus capito Morawitz, 1862

カゼクサの方の草起こしで出会わないからどこで越冬してるのかと思えばこんな所で…
こいつは別に湿地系とかじゃないんだよな…?

他は、こっちでもムネアカマメゴモクムシを採集しました。



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「葦原」
無意識に口から出てきた言葉で、本命を狙うにはここは適切でない事を思い出し、とりあえず切り上げました。



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オオクロヤブカ
Armigeres (Armigeres) subalbatus (Coquillett, 1898)

人を狂わせる生き物。見ての通り既に採血済み(笑)
5月くらいから11月に入っても生き残っていたりする吸血鬼。
薄暗い場所では特にに多く、自分の首から下を見れば常に20匹以上のヤブ蚊が飛び回っているような地獄絵図と化しています。
常に視界にいるので、採集が終わった後も目を閉じれば幻覚のように現れて恐怖を与えてくれます。

初めて河川敷でこれの猛攻撃を食らった時は本当に恐怖でしかなかったのですが、いつしかメマトイとのダブルパンチがないだけマシとも思えるようになり、今では、

「はいはいどうぞどうぞ(キレ気味)」と思えるようにもなった…


軍手を外した一瞬の隙や、靴下とズボンの裾の間の隙、背中側の腰の隙などを狙って集中攻撃を仕掛けてきます。
虫除けスプレーは顔面にかけまくっとけばしばらく耳元に来なくなったりしますが、ただの気休めでしかない…

今回もまた、大量に刺されて虫刺されとは思えないレベルの腫れが…

虫刺されの感染症で命を落とすのだけは勘弁してもらいたいです。
次はちゃんと対策しよう…





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セイタカアワダチソウ
Solidago altissima L.

時刻は15時ごろ。やっと日が差してきました。
本当に今更ですね…


チカラシバ、カゼクサ、ススキをスウィーピングしながら戻っていきます。
ここではハナバチを採集したのみでした。





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で、葦原ポイントまで戻ってきました。
(1回目の場所からは少し離れてますが…)
日没を終了時刻と考えると残り時間は一時間ちょい。

間に合うか……?



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ゴミはそこそこ溜まっています。
この場所ではヒラタキイロチビゴミムシも得られました。
あと、キベリアオも追加(笑)

そして久々の、



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アオヘリホソゴミムシ
Drypta japonica Bates, 1873

河川敷では初採集でした。



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もう時間がない…が、まだ諦めない。
このポイントをある程度調べたら、少し場所を変えてよりアシが多いエリアへ。






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ゴミはそこそこだったんですが、全体的にちょっと乾燥気味な感じでした…
ここでは、オオヒラタゴミムシを見かけたくらいで何の収穫もありませんでした。







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ということで時間切れ。今回はこれで終了です。

結局最初の目標種のうち、達成できたのはヒラタキイロチビゴミムシ一種のみとなりました。
でも今回は「枯れ草起こし」でかなり多くのゴミムシに出会えたので結果的には良かったんじゃないかなあと思ってます。

本命のフタボシチビゴミムシは結局採れませんでしたが、時期の問題とかもあるんですかね…?
秋に多くなるみたいなので次はもう少し早い時期にリベンジしたいです!



オオヨツもハンミョウモドキも、フタボシチビゴミムシも…

大事なお楽しみの部分だけを受験後に残してくれた、そう思えばいいんでしょう…!!


【結果】※色付きは自己初採集

ヒラタキイロチビゴミムシ
Trechus (Epaphius) ephippiatus Bates, 1873
9exs.

アトモンミズギワゴミムシ
Bembidion niloticum batesi Putzeys, 1875
3exs.

ウスモンコミズギワゴミムシ
Tachyura fuscicauda (Bates, 1873)
3exs.


ウスオビコミズギワゴミムシ
Paratachys sericans (Bates, 1973)
1ex.

ヨツモンコミズギワゴミムシ
Tachyura laetifica (Bates, 1873)
1ex.

ムネアカチビヒョウタンゴミムシ
Dyschirius batesi Andrewes, 1926
2exs.

トックリナガゴミムシ
Pterostichus haptoderoides japanensis Lutshnik, 1922
10exs.


ヒメホソナガゴミムシ
Pterostichus rotundangulus Morawitz, 1862
4exs.

コガシラナガゴミムシ
Pterostichus microcephalus (Motschulsky, 1860)
3exs.

オオヒラタゴミムシ
Platynus magnus (Bates, 1873)
5exs.

マルガタツヤヒラタゴミムシ
Synuchus arcuaticollis (Motschulsky, 1860)
2exs.

マルガタゴミムシ
Amara chalcites Dejean, 1828
5exs.

ゴミムシ
Anisodactylus signatus (Panzer, 1797)
3exs.

ツヤマメゴモクムシ
Stenolophus iridicolor Redtenbacher, 1868
1ex.

ムネアカマメゴモクムシ
Stenolophus propinquus Morawitz, 1862
2exs.


オオゴモクムシ
Harpalus capito Morawitz, 1862
1ex.

クロゴモクムシ
Harpalus niigatanus Schauberger, 1929
4exs.

ウスアカクロゴモクムシ
Harpalus sinicus Hope, 1845
2exs.

キベリアオゴミムシ
Chlaenius circumductus Morawitz, 1862
2exs.

アオゴミムシ
Chlaenius pallipes Gebler, 1823
1ex.

コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863
1ex.

ニセコガシラアオゴミムシ
Chlaenius kurosawai Kasahara, 1986
1ex.

アオヘリホソゴミムシ
Drypta japonica Bates, 1873
1ex.

マグソコガネ
Aphodius (Phaeaphodius) rectus (Motschulsky, 1866)
1ex.

ヨモギハムシ
Chrysolina aurichalcea (Mannerheim, 1825)
1ex.

コエンマムシ
Margarinotus (Grammostethus) niponicus (Lewis, 1895)
1ex.

コガシラハネカクシ亜科?
1ex.

セイヨウミツバチ
Apis mellifera Linnaeus, 1758
1ex.

謎ハチ
1ex.

ババアメンボ
Gerris babai Miyamoto, 1958
2exs.


エサキアメンボ
Gerris (Limnoporus) esakii Miyamoto, 1958
2exs.







最後に。


20161103201018f0d.jpg
この採集で、ものすごい活躍を見せてくれた吸虫管IVを紹介しておきます。
作り方は…見ての通り、とっても簡単なものです(笑)
過去の吸虫管の廃材と家にあるものだけで作れました(笑)

YouTubeで見つけた吸虫管の作り方の動画を参考にしました。(記事の最後に動画貼りました)
これ、本当にいいです。作りやすくて、使いやすい。そして壊れない


これまでの吸虫管といえば…

20161030230948ac0.jpg
失敗作たち(笑)
(右から吸虫管Ⅰ, 吸虫管Ⅱ)
本当はもう一つ、吸虫管Ⅲというものがあったのですが作りが雑すぎて完成直後に壊れ、そのまま破棄しました(笑)
作り方がクソすぎるだけなのですが、砂を大量に吸うわ、吸えてるのかどうかの確認に手こずるわ、デカすぎてかさばるわ、ろくな事がない(笑)
そんな感じで一度も役に立った事はありませんでした。

今回の吸虫管の魅力は、
①作りやすい
瓶に穴開けたり、管にチューブを接着する作業が無いわけですからね(笑)
(今までまともな物が作れなかったのはそこが上手くいかなかったからであって…)

②かさばらない
リュックに入れても、採集中首から下げてても邪魔に感じませんでした。

③吸った後どうするか選択できる
正直ここが一番魅力的でした。(採集で使ってみて感じたこと)

そのまま毒瓶(ゴミムシは全て糞出ししてから〆るので、薬品なしのただのプラスチック管です)に放り込んだり、大事なものはチャック袋や別容器に隔離したり、亜硫酸〆組に分けたりするのが簡単に行えます。
管に貯めていくタイプのものだと選別が困難だったり、どうしても共食いや損傷、吸う時に毎回臭い(笑)などの心配があるのでこれは本当にありがたかったです。



ということで、当分はこの吸虫管にお世話になりそうです!!



参考にさせていただいた動画はこちら↓


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