全力で河川敷!!!!


月一河川敷採集が終わっても、河川敷採集は終わりません。


2017.02.27

今回が、受験が終わってから初めての採集になります。
勉強に縛られることがなくなってやっと(一時的に)自由になった……



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別にたくさん時間が必要なわけでもないのですが、なんとなくいつも通り、市民薄明開始とともに家を出る形となりました。
もう何も気にすること…罪悪感は無いはずなのだけど、何故かあまり気乗りしない感じが引っかかります。



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最初に、以前お世話になった崖っぷちにまた来てみました。
崖から出る水の量が減少していて、崖全体が前より乾燥していました(水が出る場所付近は崩してないので関係無いはず…)
乾燥して粘土質の崖にヒビが入り、新たな土の板が出来ていました。
湿ったり乾燥したりを繰り返してこの形の崖が作られていくんですね…

今回も少し土の板を剥がしてみたのですが、前回剥がした後にできたものを更に剥がしても当然、新たに虫が出るはずはなく、



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コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863

多分前回リリースして再び崖に戻ったもの。
最近の採集はニセコガシラの方に意識がいきすぎて、コガシラの採集数が少なかったので採集しておきました。




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太陽が昇って来ました。
そういえば、今回の目的なんですけど…

崖掘り、材割り以外の方法でゴミムシを採る。
掘りでチビゴミを出す。
です。

どちらも次の採集に繋げるためのものです。

この時期の河川敷は草がまだ伸びていなくて広大な草原が各地に広がっています。
以前からずっと気になっているのは、草地性のゴミムシがどこで越冬しているのかということ。

周りに崖や石がないような広い草地で、ゴミムシが潜りそうなところが想像つかないんです…
ふと目に付いた、モグラが作った土の山を漁ってみると、何故かマグソコガネが採れました(笑)
今シーズンはマグソコガネとの遭遇率が高い気がするのですが、まだこの虫を糞で採ったことがない(笑)


さっぱり分からない環境は放置して、まずはなんとなく越冬場所をイメージできる場所___10月の採集で訪れたヨシ原に向かいます。
道中で今回も石起こしをやってみたのですが…

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左から
トゲサシガメ
Polididus armatissimus Stal, 1859
オオウチワグンバイ
Cantacader japonicus Drake, 1947

アカシマサシガメを採集して標本作って以降、ようやくカメムシに対する抵抗感が消えてきたので今回は石起こしで出たカメムシをいくつか採集してみました。

河川敷では初となるスジハサミムシモドキも見つけたのですが逃げられてしまいました…



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今回はヨシ原に突っ込むわけではなく、

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やや陸側で探します。
まずは何も考えずに適当に掘ってみたのですが、全く出る気配なし。
チビゴミ狙いで掘るなら、ヒラタキイロとかでももっと深く掘るべきなのかもしれませんが…そんな気力は無かった(笑)
10月の採集ではこれだけでもヒメホソナガゴミムシが出たりしたのだけど、あれはやっぱり越冬個体では無かったのかもしれません…

他に気になるものといえば、当然___




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力強い根っこ。

これヨシじゃないっぽい…?

これまで河川敷でやってきたゴミムシ採集で気づいたことがありました…

苔の下も、
崖掘りでも、
草起こしでも、

ゴミムシが出る場所にはいつも…強い根っこがあった。

掘りでも材割りでも出ないゴミムシはきっと…根っこを利用して越冬するんだと。
そんな考えが浮かんでいました。



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茎がかなり太くても、枯れてから時間のたったものはすぐに地面から抜くことができます。
根っこのまわりについた土を削っていくと、思った通りゴミムシが出たのですが…



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ニセトックリゴミムシ
Oodes helopioides tokyoensis Habu, 1956

いきなりトックリゴミムシ(河川敷初)が出ました(汗)
いるんだろうとは思ってたけど…

これに調子を良くして、その後も片っ端から根っこを抜きまくってみました。



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ヒメセボシヒラタ、アシミゾナガなどに混じってトックリの追加…
根があった場所の周囲の土を掘るより、根から直接出ることの方が基本的に多かったです。



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左上から、
ヒメセボシヒラタゴミムシ
Agonum (s.str.) suavissimum (Bates, 1883)
ムネアカマメゴモクムシ
Stenolophus propinquus Morawitz, 1862
ウスオビコミズギワゴミムシ
Paratachys sericans (Bates, 1873)
ノグチナガゴミムシ
Pterostichus noguchii Bates, 1873



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ウスオビコミズギワゴミムシ
Paratachys sericans (Bates, 1873)

根っこよりかは土中から直接出るタイプ。適当に掘っても出る。
小さいけど、結構好きなゴミムシの1つです。




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キンナガゴミムシ
Pterostichus planicollis (Motschulsky, 1860)

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ババアメンボ
Gerris babai Miyamoto, 1958

ハバアメンボは土中から出てきた…ほんとに土の中で越冬するんですね(汗)


既採集種も色々と出てきました。
基本的には根についた土が湿っているような場所から多くゴミムシが得られるのですが、ナガゴミムシ(アシミゾ、キンナガ、ノグチ)は乾燥気味の根からも出ました。

やっぱり思った通りで、
台風が来たり、大雨が来たりしても負けないような力強い根っこには、多くのゴミムシが集まるようでした。
冬の間、その根っこに守ってもらって雨風をしのぐのでしょうか…これでしのげるのか!?

まだまだ根起こし採集は続きます。

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セスジヒメテントウ
Nephus patagiatus (Lewis, 1896)


根起こしっていうよりは泥の上にいつの間にかいた感じでした。
チビタマの展足やってると、テントウってやっぱ脚出しやすく感じる…(整えるのは難しいけど)
触角はさすがに無理だった(汗)


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ニセトックリゴミムシ
Oodes helopioides tokyoensis Habu, 1956

オオトックリかなと思ったのですが、体長が足りないのでやっぱりニセみたいです。
遊水地のニセトックリと比べるとやけにゴツい印象を受けるんですけどね…





そして、


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ヤマトトックリゴミムシ
Lachnocrepis japonica Bates, 1873

どうみても初採集種のトックリゴミムシも採集できてしまいました(笑)
こちらはわりと乾燥した根から出ました。
頭を飛ばしてしまいましたが、♂を一頭追加できました。



だいぶ満足したので、場所を変えることに。
次の目的地へ向かいます。



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途中の草地でも根を引っこ抜いて見たのですが、乾燥しすぎって感じで、得られたのは少し変わった色のキンナガゴミムシだけでした。



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セイヨウアブラナ
Brassica napus L.

多分(汗)
カラシナっていうのもあるんですよね…?

まだ菜の花は咲きかけです。
気温が上がればこの時期だけ河川敷で発生するというを探そうかと思ったのですが普通に寒かったのでやりませんでした。



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で、場所を変えてやってきたのはヒラタキイロでお世話になった水溜り(跡地)
水は完全に蒸発していて、こちらも崖やその周辺はかなり乾燥していました。
(冬場は毎年こんな感じなんだと思います)

ヒラタキイロが根っこで越冬するとは思えないので、普通に掘るしかないのですが…
湿った土がある場所を探して、落ち葉を掻き分けてみると…



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ホソセスジゲンゴロウ
Copelatus weymarni Balfour-Browne, 1946

湧いてくるかのごとく何匹も出て来ました…
まさか、、まだ河川敷でゲンゴロウの新規が得られるとは思いませんでした。

始めの頃はハイイロゲンゴロウがぶっ壊れてるだけで後はみんな綺麗な水に、みたいな偏見がありましたからね…
ただ知らないだけで、他にもまだまだ未見のゲンゴロウがこの河川敷にいるのかもしれません…



ホソセスジゲンゴロウが湧くので場所を変えて掘ったりしてもダメ…ていうか全然掘れない。
地面の土質もある程度掘っていくとかなりドロドロしていて、ゴミムシが入っているとは思えない…ていうかいても気づけそうにない。
枯れ草を引っこ抜いて根を探してみたりしましたが…根が弱々しくてダメダメでした。

さっきの根っこの力強さを改めて感じさせられました(笑)


やっぱり掘りで湿地系のチビゴミ出すのって難しいのかな…



ある程度の所で切り上げて、気になっている場所へ向かいます。



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ウメ?

河川敷にウメなんてあったのか…
気になっている場所というのは、以前「自然環境を再生する工事を行っています」と看板が立っていた付近のエリア。
木を切り倒して道を作ったりしてるような工事なので、どうせろくなことやってないだろと思いながら先に進んでみると、その先に衝撃的な景色があった____
















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なんなんだよこれ………

元々何があったのかも分からない、というかここがどこなのかも分からないくらい、広大な範囲で丸裸になった土地が広がっていました。
開いた口が塞がらない、そんな状態でした。

「自然環境を(笑)」
「再生する(笑)」
「工事(笑)」

再生っていうのは、再び生ずるって書きますよね。
つまり一度無くなった状態…始めから再びやり直して、新しく作り上げるってことなんですよ。

だからこそ、、全てを…ぶっ壊せ!!


んな訳あるか…
これの事を言ってる訳では…ないよな?まさか違うよな??
唖然としながら、謎の場所を歩いていく…

ある程度歩いて、やっと自分がいる場所を把握しました。
普段採集する場所に隣り合うような場所ですが、険しい藪と雑木林がここにはあったはずだ…

外来種が蔓延ってたからそれを駆除するためとか?


なんとかしてポジティブに考えようとするのですが、この工事の意味はさっぱり分かりませんでした。




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人工的に掘削されて出来たと思われる水溜り。
遊水地にも似たようなものがありましたが、あれと同じ類のものなのでしょうか。
だとしたらやっぱり、これが自然環境再生のための工事ということなのか…



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雑木林を突っ切るようにして出来た道の脇には、たくさんの材が。
5月頃にここに来たらきっと楽しいだろう。
そう思い…そう思っただけでやっぱり前向きにはなれない。


もうダメだ。見てられない。
早くここを離れよう……






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いつかの採集でお世話になったムクノキに久しぶりに来てみました。
工事現場はこのすぐ隣の辺り…この木はギリギリ逃れたようです。

以前樹皮をめくった痕は完全に消えていて、新たなめくれが多数できていました。
(だったらもっと下の部分の写真を撮るべきだったのですが…)
自分がやった程度の樹皮めくりでは、樹木に全く影響なさそうで安心しました。

ただ、何も異変が無いはずがなく。


樹皮をめくっても、虫が全然出て来ないんです。
ヒシモンナガはもちろん、以前は見られたテントウムシやカメムシ…そして、

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ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873

前回は二桁見かけたチビタマも、今回は2匹程度だったと思います。
ただ単に最近暑くなってきて、目覚めて別の場所に移動したとかそんな理由であって欲しいです。

ここに関係あるかどうかは分かりませんが、自然環境再生工事で元々ある雑木林に乾燥化が訪れるのは逃れられないように思います。



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アブラゼミ、もう出てきて…!?
一瞬騙されてしまいました(笑)

菌にやられてくっついたまま一年経過しそうな勢いですね。






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マルミズギワゴミムシ
Bembidion eurygonum Bates, 1883

その後、川岸に行って初採集のミズギワゴミムシとチビミズムシ(成虫かと思ったら幼虫でした)を採集。
他は崖掘ってヨツボシ出したりしたくらいでした。



そろそろやる事が無くなってきた(汗)



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ホトケノザ
Lamium amplexicaule L.

昔から馴染み深いけど、なかなか名前覚えられないやつ(笑)
でも、今回ので多分覚えられたので大丈夫そうです。



結局、最初のヨシ原まで戻ってきました。
残り時間は1時間以上。まだまだ粘れるはず。もう少し頑張る。



もう既に体力は限界近いのですが、さっきと違う場所で根起こし採集を再開。
こちらの場所はノイバラがめちゃくちゃ多くて体の各所に傷を負いますが、これを無視して強行。
まだ時間がある。諦めるな。まだまだやれる。

必死に根起こしして、コマルガタゴミムシ(既採集)を採集。

ゴミムシを1匹追加できて安心。立ち上がろうとすれば全身をノイバラに取り囲まれた状態で立てない。
この辺りで自分がおかしくなってることに気づきました。

いつからだ。
早く日が暮れてくれ、早く終わってくれと思うようになっていました。





土手のような場所で休憩することに。



思えば今日は朝から一切休憩の時間をとっていない。
昼飯ですら詰め込むように食ってすぐ採集を再開していた。

別にもう来れなくなる訳じゃない、はずだ…
GWでも夏でも冬でも…また帰ってこれるタイミングはあるはずだ。







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しばらく座っていましたが寝っ転がってみると土手の斜度がいい感じで、すごく落ち着く。
雲が流れていく様を黙って眺めていました。

空を眺めて色々考えるのも悪くないかも。

次第に眠くなって来た………
目を閉じて物思いに耽る。


そうだよ…最初からこういう休憩を適度に挟みながらやれば良かったんだ。
そうすればこんなキツイ採集にはならなかったのに。

今の自分は、本気になることに固執しすぎて採集そのものの楽しみ方を見失ってる。

この二年間ずっとそうなんだよ。
せっかく採集に来ても、いつもどこか前向きになれない。
無理にポジティブになろうとしたり。
満足してないのに、満足しましたって言って終わらせようとしたり、もう採集には頼らないって強がったり…

どうすれば楽しくなるのか分からない。
どうすれば納得するのか分からない。

同じ場所に通い続けてるから飽きてるのかもしれない。
いい虫が採れれば楽しいって訳でもないみたい…

なんだろう、物足りないのか?必要ないのか?




タマムシが足りない………???


うーん………


んん………



……………。








なーんか寒くなってきたね…。

よし、帰るか。




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もうゴミムシ採集は勘弁してもらいたい…
そう思うようになる位、今シーズンはゴミムシ採集に力を注いだ気がします。

だからこそ、このシーズンの間に学んだ事は今後必ず役に立ってくれると確信しています。



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この後も2回ほど河川敷を訪れたのですが、全く成果が無く採集記を書く気にもならないのでこれで河川敷採集記は一区切り、という事になりました。

大学に行ってからも時々埼玉に戻ってくることもあると思うので、その時にまた必ず来ると思います(笑)


【結果】 ※色付きは自己初採集

ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873
1ex.

ウスオビコミズギワゴミムシ
Paratachys sericans (Bates, 1873)
1ex.

マルミズギワゴミムシ
Bembidion eurygonum Bates, 1883
1ex.


キンナガゴミムシ
Pterostichus planicollis (Motschulsky, 1860)
2exs.

ノグチナガゴミムシ
Pterostichus noguchii Bates, 1873
1ex.

トックリナガゴミムシ
Pterostichus haptoderoides japanensis Lutshnik, 1922
1ex.

アシミゾナガゴミムシ
Pterostichus sulcitarsis Morawitz, 1862
4exs.

ヒメセボシヒラタゴミムシ
Agonum (s.str.) suavissimum (Bates, 1883)
4exs.

マルガタゴミムシ
Amara chalcites Dejean, 1828
1ex.

コマルガタゴミムシ
Amara simplicidens Morawitz, 1863
1ex.

ムネアカマメゴモクムシ
Stenolophus propinquus Morawitz, 1862
2exs..

コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863
1ex.

ニセトックリゴミムシ
Oodes helopioides tokyoensis Habu, 1956
4exs.

ヤマトトックリゴミムシ
Lachnocrepis japonica Bates, 1873
2exs.


ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861
1ex.

ホソセスジゲンゴロウ
Copelatus weymarni Balfour-Browne, 1946
4exs.


マグソコガネ
Aphodius (Phaeaphodius) rectus (Motschulsky, 1866)
1ex.

セスジヒメテントウ
Nephus patagiatus (Lewis, 1896)
1ex.


ババアメンボ
Gerris babai Miyamoto, 1958
1ex.

ミズギワカメムシ
Saldula saltatoria (Linnaeus, 1758)
3exs.

未同定チビミズムシ(幼虫)
1ex.

トゲサシガメ
Polididus armatissimus Stal, 1859
1ex.

オオクロカメムシ
Scotinophara horvathi Distant, 1883
1ex.

イネクロカメムシ
Scotinophara lurida (Burmeister, 1834)
1ex.

ヒメセダカカスミカメムシ
Charagochilus gyllenhalii (Fallen, 1807)
1ex.

オオウチワグンバイ
Cantacader japonicus Drake, 1947
1ex.

ハグロハバチ(蛹)
Allantus luctifer (Smith, l874)
2exs.
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