悪条件でも無関係…谷のタマムシ採集!!


2017.06.10

この日はちょっとした用事(笑)があって1日潰される所だったのですが、空き時間がたくさん取れたので脱走して谷へ向かう事にしました。
この大事な時期に遊んでる場合ではない…採集に行く!!



20170611141535de8.jpg
谷に到着したのは9時半頃でした。
ここに来るのは…5月中旬の楓の花掬い以来になります。

雰囲気もまた変わって緑が深くなった気がします。


今回は例のごとくスウィーピングでタマムシを狙って行くのですが…今日は正直条件が悪いです。
まず、持ってる玉の柄が2.2mです(笑)
それと、今日この後…昼から雨の予報です(笑)

ぶっちゃけ時間潰し的な意味が強い採集(のはずだった)ので、気楽にいこうとは思ってるのですが…
これまでの採集を振り返って、正直一部の種を除いてタマムシのスウィーピング採集に長竿いらない説が出てきてるので、どこまでやれるのか確かめたい(笑)




最初のポイントに向かう途中、「日当たりのいい枝」と頭の中で唱えながら適当に桜を掬うと何故かヒシモンナガタマムシが採れました(笑)
これが本日最初のタマムシとなりました。



まずはオニグルミとヤナギの多い湿地へ。

真っ先に採れたのはこの虫でした。






キバネツノトンボ
Ascalaphus ramburi MacLachlan, 1875

こっちでも採れるのか…(汗)



確かに周りを見てみるといてもおかしくない雰囲気ではありました。
この後日が陰ってしまったのもあって、今日見かけたのはこの1匹のみでした。

オニグルミのスウィーピングでは思うようにタマムシは入ってくれませんでした。
オニグルミノキモンとかブロイニングも1日を通して現れませんでした。



別な植物に目を向けて、掬ってみると本日1種目のタマムシが入りました。





アカガネチビタマムシ
Trachys tsushimae Obenberger, 1922

いつかの東京採集以来…生涯二頭目です。
かなり懐かしいチビタマムシでした。

どれかは分からないけどウツギが近くにあったってことですね。
今日は各所で追加して3頭採集できました。

さらに、ヤナギの方も掬ってみました。




ニンフホソハナカミキリ
Parastrangalia nymphula (Bates, 1884)

散りかけの花に来ていたのか…?カミキリが入りました。
このカミキリは各所で咲いている色んな種類の花に来ていました。

しかしタマムシは入らない。
思ったより厳しい…

それでもめげずにスウィーピングを続けます。
掬える高さは限られていても、木がそもそもそんなに大きくないので日当たりのいい枝先は結構たくさん掬えます。




ちょっと分かりにくいですが写真のヤナギを掬った時でした。










シンリョクナガタマムシ
Agrilus viridis (Linnaeus, 1758)

これだ!
シンリョクナガタマ!!!


思ってたより大きいっていうか…全身同じ色って訳でも無いのか、これも色彩変異の1つなのか。
(シンリョクナガタマムシは色彩変異の幅がとても広い種です)

何にせよ、ようやく採れてくれた…
このタマムシの良さが分かるのはたくさん集めた時だと思うので、もっと追加して色んな個体を見てみたい!!





枝先のスウィーピングで難なく追加。
何だかいい調子です!!



が、ここでさらなる悲劇が。




こっちもか…(汗)
最近長竿も枠も度々壊れるようになってそろそろ限界を感じてます…

修理道具を持って来ていなかったので一日中、不安定で回転する枠を使用してのスウィーピングを行いました(汗)
何度か手の届かない高さの枝に引っ掛けてしまって焦りました。

少しずつ天気も悪くなって来ました。
雲の間から時々陽が差し込むので、ここからは短時間で日当たりのいい場所を記憶してスウィーピングしていくことになります。
出来るだけ高すぎない枝を、枠に負担をかけない程度に掬っていきます。

色々とキツイ感じがしましたが…






アオグロナガタマムシ
Agrilus viridiobscurus E. Saunders, 1873

これでもちゃんとナガタマムシが採れました。
ケヤキ…に近いような木から。とても小さいので見落としそうになりました。
アオグロナガタマムシ自体は何度も採集してるのですが、小さすぎて現地では判定できないことが多い…





以前もやったように、コナラやクヌギのスウィーピングもしていくのですがここだけは何故か全くナガタマムシが入ってくれませんでした。
木の位置的に、長竿でも届かない反対側が一番いい感じするからなのかな…








林縁にあったこの木。
樹種はさっぱり分からないのですが、微妙に花が咲いているようでニンフホソハナカミキリや各種の蝶が集まっていました。
何かカミキリ入るかなーと思って掬ってみると、大量のアリが入って来ました(汗)

アリに紛れてタマムシのシルエットが…4つあった(汗)



ナガタマムシを一度に4頭も得たのは初めてだったかもしれません。
とりあえず落ち着いて回収した後、再び同じ木を掬うとさらに追加が得られました。

パッと見でも何種か混ざってるのが分かりました。
帰宅後に調べてみると…大半がアオグロナガタマムシとなり少しがっかり(笑)

それでもちゃんと初採集種はいて…



ダイミョウナガタマムシ
Agrilus daimio Obenberger, 1936

かっこいいナガタマムシが入りました!
アブラチャンにつくタマムシって事だけ覚えてたのですが…ここアブラチャン生えてるのか?(汗)

もうタマムシが入りすぎてこの辺りから写真を撮ることを忘れてしまっていた…
帰宅後に作ったエセホワイトバックです(汗)
そのうちちゃんとした標本写真に差し替えられると良いんだけど…


そしてもう一頭!





ロニノナガタマムシ
Agrilus nicolanus Obenberger, 1924

クヌギを寄主植物とするナガタマムシも入りました。
すぐ側に生えていたのでそこから来たものなのでしょう。

それにしても、一本の木を掬っただけで3種も一度に採集できるとは…(汗)




そうだ…新しいタマムシを得るためには、今まで掬って来なかった新しい植物を掬う必要がある。
まだ全然植物覚えられてないけど、ナガタマが採れる雰囲気は少なくとも掴み始めてる…できるはず!!

さっきの場所のすぐ隣…写真のような幾つか植物が混ざった環境を掬ってみると、複数種のナガタマムシが得られました(汗)

ベニナガ、ウグイス、ダイミョウナガ二頭目でした。
よく分からないがこの辺りはタマムシが多く集まるポイントなのは間違いなさそうだ…(汗)



これがアブラチャン…なのかな?
ごちゃごちゃしてる中で1番目立つ木がこれだったので、ダイミョウナガはおそらくここから入ったのだと思われます。



その後も周囲のスウィーピングを続け、コナラからウグイスを追加したり、エノキからシロテンナガを採集したり。
昼食を取りつつ少し休憩。




いいのだろうか、こんなに上手くいってしまって…(汗)

少なくとも現時点で、2.2mの壊れかけ網でもしっかりタマムシの採集が出来ることが分かった(汗)

何だか不思議でなりません。

実力とかじゃなくこれまた圧倒的フィールド力(?)なのだろうけど、
5月の時点でも同じようにスウィーピングはやったのに、一ヶ月でそんなに大きく結果が変わるものなのか(汗)

前に来た時に既に出てたはずと思う種も結構いるし…この悪条件でどうして…!?
正直何が起こってるのかさっぱり分からん状態でした(笑)


つい1年前まで、ナガタマムシが網に入るたびに大喜びしていたのですが、流石にもう慣れてしまった(汗)
悲しくはない…むしろ、今まで本当に偶然でしか採れなかったタマムシにやっと近づけてるような気がして嬉しいです。



午後からは再び湿地に戻りオニグルミを徹底的にスウィーピングすることに。
何頭かよく分からないナガタマムシが得られましたがクルミナガ、カラカネチビナカボソではない…

多くはウグイスやアオグロナガでしたが、1匹当たりが混じってました。




ヒメアサギナガタマムシ
Agrilus hattorii Nakane, 1983

河川敷でお馴染み…アサギナガタマムシではなく、
より少ない種であるヒメアサギナガタマムシでした。
確かオニグルミのスウィーピングで入ったもので、アサギナガにしては時期的にも場所的にも違和感を感じたので持ち帰ったものでした。


前胸腹板突起は五角形?で、前胸背側縁は内側隆線を欠く、という点で見分けられます。
アサギナガの前胸腹板突起は舌状なのでここを見るのが1番分かりやすいです。




左の個体が最初の一頭。
ヤナギの方のスウィーピングもやって、複数頭のシンリョクナガタマムシを追加することができました。
青っぽいタイプやまさしく新緑って感じのタイプ、金色のようなタイプまで様々な色のシンリョクナガタマムシを得ることができました。
葉が少なくて枝ばかり、こんなしょぼい枝先を横から殴るように掬うだけでも採れました(笑)

何種かヤナギは生えている気がするのですが、今日シンリョクナガタマムシが採れたのは葉の細いこのタイプのヤナギだけでした。





左: キンムネヒメカネコメツキ
Kibunea ignicollis (Lewis, 1894)

右: アオジョウカイ
Themus cyanipennis Motschulsky, 1857

タマムシ以外にも、綺麗な甲虫類が得られました。
キンムネヒメカネコメツキはさっきのアオグロナガ採った時と同様のケヤキ的な木から2頭(それぞれ別の場所から)採集できました。
甲虫以外には蝶やトンボも目につきます。
大型のヤンマやサラサヤンマ、アサギマダラも見かけましたが採れませんでした…

アサギマダラは前々から採りたいと思ってる蝶なんですがいつまで経っても採れない(笑)
標本始めてからは採集出来てないんです…

こちらでも「しじみ」が頑張り始める時期になったようで、それっぽいものを何回か見かけましたが種類も確認できませんでした…
唯一、アカしじみだけは採集できました。
随分前、団地に住んでた頃に家の前で一頭採ったきりです…超久しぶりでした。



その後も同じ場所をぐるぐる回りつつスウィーピングを続け…

やばい…

飽きてきた。


タマムシ採集でこんな感情を抱く日が来るとは思わなかった(汗)
まだ時間はある。

少し考えて、掬いやすい高さにクヌギの木があるポイントを思い出したのでそこへ向かうことに。





途中でヌルデを発見。
マスダクロホシタマムシは一応ヌルデに来るタマムシ…

掬ってみると、思ったよりいい感じの木だったようでカミキリが入っていました。




左: ヨツキボシカミキリ
Epiglenea comes Bates, 1884

右: キモンカミキリ
Menesia sulphurata (Gebler, 1825)


そういえばヨツキボシカミキリってヌルデで採れるカミキリだった…(入ってから思い出した)
一箇所の枝先から3〜4頭まとめて入って来ることもあるくらい密度の高い木でした。

キモンカミキリは一瞬ヨツキボシかと思ってロストしかけました(汗)
こちらもヌルデに来るカミキリだったようです(最近知ったばかりだった)



クヌギのポイントではタマムシの方はホソアシナガのみと微妙な感じでしたが、


左: マツシタトラカミキリ
Anaglyptus matsushitai Hayashi, 1955

右: キンイロジョウカイ
Themus episcopalis (Kiesenwetter, 1874)

格好いいカミキリとジョウカイボンが得られました。
マツシタトラはクヌギのスウィーピング、キンイロジョウカイは草の上に止まってました。

この辺りでいよいよやる事も時間も無くなってきたので来た道を戻ることにしました。



途中で少しだけ気になっていた、楓(葉)を掬いにいったのですが流石に期待通りに入ってはくれませんでした。




楓のすぐそばにネムノキがあった事に初めて気がつきました。
ネムノキといえば…思い当たるタマムシがいる。

この感じの木ならいける気がする!!







ネムノキナガタマムシ
Agrilus subrobustus E. Saunders, 1873

これだ、間違いない…ネムノキナガタマムシ!!
大図鑑の珍品度は★★★☆☆(やや少ない)だけど、思い通りに2頭採れた…

これで、今回の採集を綺麗に締め括ることができました。








やっぱりこっちの天気予報はかなり外れやすいようで、結局最後まで雨に降られる事はありませんでした。
それでもこの曇天の中、材での採集が一切無かったにもかかわらず、2.2m網一本で多数のタマムシを採集することが出来ました。
今回はタマムシ12種29頭。初採集は5種。でした。

それにカミキリなど副産物にも恵まれ…本当に「この谷はヤバい」と改めて感じました(笑)

マイナスな点など一切効果がないほどに強力なフィールドなのでしょうか…(笑)


ここ最近の採集を見てると、どうでしょうか…

採集内容がだいぶタマムシ屋っぽくなって来たんじゃないか…?
自分でも少しは思えるようになりましたが、まだまだでしょうか?(汗)

少なくとも去年までと比べると大きく変わったように感じます。
場所的な違いも大きい、ていうかそれが殆どだとは思いますが…(笑)


来週以降は雨マークびっしりなので(笑)、溜まった標本やデータ整理にしっかり時間を充てたいと思います…




【結果】 ※色付きは自己初採集

ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873
1ex.

シロテンナガタマムシ
Agrilus sospes Lewis, 1893
1ex.

ネムノキナガタマムシ
Agrilus subrobustus E. Saunders, 1873
2exs.

ダイミョウナガタマムシ
Agrilus daimio Obenberger, 1936
2exs.


ウグイスナガタマムシ
Agrilus tempestivus Lewis, 1893
4exs.

ベニナガタマムシ
Agrilus viduus subviduus Y. Kurosawa, 1957
1ex.

シンリョクナガタマムシ
Agrilus viridis (Linnaeus, 1758)
6exs.

ロニノナガタマムシ
Agrilus nicolanus Obenberger, 1924
1ex.


ホソアシナガタマムシ
Agrilus ribbei Kiesenwetter, 1879
1ex.

ヒメアサギナガタマムシ
Agrilus hattorii Nakane, 1983
1ex.


アオグロナガタマムシ
Agrilus viridiobscurus E. Saunders, 1873
6exs.

アカガネチビタマムシ
Trachys tsushimae Obenberger, 1922
3exs.

ヒメゴミムシ
Anisodactylus tricuspidatus Morawitz, 1863
1ex.


ニンフホソハナカミキリ
Parastrangalia nymphula (Bates, 1884)
1ex.

マツシタトラカミキリ
Anaglyptus matsushitai Hayashi, 1955
1ex.

ヨツキボシカミキリ
Epiglenea comes Bates, 1884
2exs.

キモンカミキリ
Menesia sulphurata (Gebler, 1825)
1ex.


バラルリツツハムシ
Cryptocephalus approximatus Baly, 1873
1ex.

ヨツボシナガツツハムシ
Clytra arida Weise, 1889
1ex.

キンイロジョウカイ
Themus episcopalis (Kiesenwetter, 1874)
1ex.

アオジョウカイ
Themus cyanipennis Motschulsky, 1857
1ex.

キンムネヒメカネコメツキ
Kibunea ignicollis (Lewis, 1894)
2exs.

ハイイロハネカクシ
Eucibdelus japonicus Sharp, 1874
2exs.


キバネツノトンボ
Ascalaphus ramburi MacLachlan, 1875
1ex.

アカシジミ
Japonica lutea lutea (Hewitson, [1865])
1ex.
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