光を求めて


2017.06.30

今週末は天気が悪い。
今日は天気予報がいつも通り外れて曇り。蒸し暑い夜でした。

こんな日は街灯を見にいくといいのだろうか…?
と、ふと思いついたので行ってみることにしました。






先輩方に教えてもらったのにまだ一回も行ってなかったポイントへ。
建物の改修?で以前より威力が落ちたらしいですが、まだ虫は来るとのこと。


そもそも今まで全くやらなかった街灯採集をこんな急にやることになったのには訳があって…







前日の夜(正確にいえば日をまたいだ後なので同日)、寮のトイレでオオキベリアオゴミムシを採集しました(笑)
ここ3階ですけど…

今まで、谷とかですごい良さげなガレ場?をたくさん発見しつつも、タマムシを優先してゴミムシ採集は我慢してました(汗)
が、オオキベリアオを見て久々に夜間ルッキングがやりたくなったのでした(笑)






で、時刻は日没からちょうど1時間経ったくらい。月は雲に隠れています。
灯火採集とか街灯採集の経験がほとんどないに等しいので分からないのですが、悪くはないよね…?

建物の灯りに集まった虫を探します。





甲虫は何頭か既に飛来していました。(ヒメガムシは2回目の探索にて)
そういえば虫によって飛んで来る時間とかあるんだっけ…?

あんまりグッとこない虫が多めでしたが、一応採集しておきました。
(サークルに置いてある標本に甲虫が少なかったので…)



蛾はほとんど飛来していなくて、他に見かけたのは…






マツノマダラカミキリ
Monochamus alternatus Hope, 1842
(展足後に写真追加します)

このあいだのカラフトヒゲナガカミキリと対になる存在。
こちらは松枯れの原因となるマツノザイセンチュウを媒介します。

マツノザイセンチュウが極悪なのであって、マツノマダラカミキリそのものは悪くないようにも思えるのですが害虫扱いされてしまっているちょっと気の毒な虫です(汗)



一通り見終えました。
ここで待機するのも中々の不審者なので、時間を空けるために周囲でルッキングをやることにしました。




街灯の全くない道に辿り着きました。

以前、遊水地徹夜ルッキングを突破して大分耐性がついてきたような気もしますが…やっぱり慣れない道を夜に通るのは不安になります(汗)

ありがたいのは、向こう側の街の明かりで空も明るくなっていて、目の前に道路や水路があるのがちゃんと見えるレベルになっている事です。


地面のルッキングで見つかるものはセアカヒラタゴミムシ、マルガタゴミムシ、オオヒラタシデムシなど…
埼玉の平地と違うところといえば、デカいクモと体がでかいザトウムシがやたら歩いている事くらいです(汗)


自分自身が虫になる気持ちで、光を求めて歩いていく…


すると街灯が全く無いにも関わらず、目の前に光が見えた気がしました。



その光の元へ駆け寄り、素手でキャッチ。
今日夜間採集に出たのは、これを探す為でもあった…






ゲンジボタル
Luciola cruciata Motschulsky, 1854

光の正体はホタル…ゲンジボタルでした。

最後にゲンジボタルを見た、手にしたのは何年前だったんだろう…
昔、奈良に住んでいた頃はほぼ毎年、父親とホタルを見に、いや採りに行っていました。

持ち帰ったホタルを瓶に入れて、夜寝る前に眺めるのがすごい好きでした。
何日生き延びさせられるか毎年カウントしたり。
ホタルの独特の香りもとても懐かしくて…
たくさんの思い出が流れ込んできました。

それにしても、まさか自転車圏内で出会える虫になるとは思いませんでした。

関東関西で光る感覚が違うというのは有名な話ですが、ここのは2秒に一回のタイプ…関西と同じみたいです。




さすがに即〆る気にはなれなかったので最後まで面倒をみることにしました。

本当はおかしいんですよね。大好きなタマムシは殺せるのにホタルは可哀想だなんて…
採集することすら他にはない罪悪感のようなものを感じずにはいられない。
植えつけられた「可哀想」のイメージが、この虫を他の虫と同様に扱う事をできなくしている。

ホタルを見て改めて感じるのは、虫としての見た目はそんなに好きな部類ではないってこと。
でも、他の虫にない「発光」って技を持ってるからこの虫は特別に思えてしまう。
同じホタルでも発光しないオバボタルは本当にただの地味な虫という印象しか受けませんでした。


人々が大事にして守ろうとしてるのはホタルじゃなくて、ホタルの光なんだろうなぁ…

ホタルの光が見れればいいから、放流して他の生き物やホタル自身が滅びることになっても気にしない、そもそもそんな事を考えてすらいない。


ホタルを大事にしてるようで大事にしてないんじゃないか…



飛び交うホタルを眺めながら、自分でも何を考えてるのか分からなくなりました。

私が今住んでいる地域では、川でごく普通に見られるそうです。

聞いていた場所とは結構離れてましたが、水路や田んぼで飛び回るゲンジボタルが何頭も確認できました。
周囲に街灯もなく人もほとんど来ない…落ち着いてホタルを観察、できません(笑)

周囲を見渡せば自分が山道のど真ん中にいる事に気付いて不安になるばかりでした(笑)



しばらくして、雨の予報が珍しく当たってパラパラと小雨が降ってきました。
さっきから降ったり止んだりだったのですが、だんだん雨が長くなり気温が下がってきたのでルッキングを打ち切って真っ直ぐ灯りを目指すことにしました(汗)





しばらく自転車をこいで…思いの外明かりが無くてだんだん焦ってきた。

近くに池がある。



「自殺スポット」


いかにもって感じじゃねーか…
こういうときに変なイメージを頭の中に浮かべるの…本当にやめてくれ(笑)



精神的にヤバくなってきたあたりで、人影が見えた。

これマジでダメなやつだ…



近くに車があり、それが釣り人と理解するまでの数秒間は死を覚悟しました(笑)
こんな真っ暗な場所で、大した明かりも無くよく釣りなんかする気になるなあ…

私の場合、引きずりこまれるとか、後ろから落とされるとかそんな妄想をせずにはいられません(汗)
向こうからすれば、夜にこんな山道を自転車で走ってる人も大分恐ろしいと思うが…(汗)



しばらく走っていると、空が明るかった理由が分かりました。




写真はうまく撮れなかったけど、夜景がとても綺麗でした。
改めて、自分が今すごい恵まれた場所にいる事を実感させられるのでした。


この後は森の中の坂道を下っていき、視界が悪すぎてカーブを曲がりきれず林内に軽く突入。
(遠征事故ってこんな感じで起こるんだろうか…)

再び最初の明かりのポイントへ戻ってきました。


結局、街灯そのものが少ないので虫の集まるポイントも限られるみたいです…
日没からもうすぐ3時間というところです。



ウンモンスズメ
Callambulyx tatarinovii gabyae Bryk, 1946

既採集だけど好きなスズメガの一つ。今回はうまく採集できず失敗。
網が硬いのがやっぱり悪影響でした。それによく滑るのでうまく掴めず…

今更ながら〆方を教わったので、次はちゃんと準備してから来ます(汗)

さっきはゴミムシ探しの感覚で床ばかり見ていましたが、建物の壁に張り付いている虫も多いことを思い出しました(汗)
視点を変えたからなのか、さっきより蛾が多く見つかりました。
分かるのはウンモンスズメくらい。
蛾が色々分かるようになれば街灯採集ももっと楽しくなるんだろうなあ…







クロカミキリ
Spondylis buprestoides Linnaeus, 1758

この虫も奈良に住んでた頃に灯下採集でよく見かけていた虫でしたが、かなり久しぶりでした。
昔見たクロカミキリとなんか印象が違う気がするのですが…
興味の幅が広がると違って見えるようになるものなんですかね。

昔はクワガタ採集の過程で父親と一緒に見つけるたびに「ゴミ」とか「ハズレ」とか散々罵倒していた気がするのですが、しばらく出会わないと久々に採集できた時に嬉しくなりますね(笑)

他にはサビカミキリもいました(スルーした)



そんな感じでやっていたら、雨が本降りになって…撤退(笑)
普段全然雨降らないくせにこういう時だけ当たりやがって…

後で気がついたのですが、iPhoneの天気アプリが酷いだけで他の予報を見ると大体正しいことが分かりました。
(iPhoneの天気アプリとは即お別れした)



2017070109542159c.jpg
この地での初めての夜間採集でしたが、ホタルも採れたしまあまあ満足できました。
今回行った場所も、伐採地とか谷に比べればはるかに通いやすい場所なので定期的に訪れようかと思います。

夜間ルッキングにも少しずつ慣れていきたい(笑)


【結果】 ※色付きは自己初採集

コクワガタ
Macrodorcas rectus rectus (Motschulsky, 1857)
1ex.

ゲンジボタル
Luciola cruciata Motschulsky, 1854
2exs.

マツノマダラカミキリ
Monochamus alternatus Hope, 1842
1ex.

クロカミキリ
Spondylis buprestoides Linnaeus, 1758
1ex.

コカブトムシ
Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835)
1ex.

オオゾウムシ
Sipalinus gigas (Fabricius, 1775)
1ex.




ついでに。

オオキベリアオゴミムシ
Epomis nigricans (Wiedemann, 1821)
1ex.
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コメント

非公開コメント

No title

一般の人々が求めるのは昔懐かしい「風情」です

大半の里山整備もそうであり本来の用途ではなく見映えを良くして集人(集客)ですね

立ち枯れ、倒木は即撤去の有様

悲しいことに、どういう条件じゃないと見れるべき虫が生息するという事は全く無視です
ですがそういう時に頼られ受け入れてしまうのも一部の我が強い虫屋であり残念ですね

オオムラサキ、ホタル、クワガタ辺りは人のエゴによるところが大きい感じですね

>>名も無き虫屋さん

そう、ですよね…
人が求める形にしないと、利益が得られる形にしないと…地域活性化に繋げてお金が回らないと中々上手くいかないものなんですかね…
生態系サービスを得るよりも…?

人間側の都合を取り入れようとすると、結果的に本来必要な形と異なるものが行われてしまうんでしょうか…
せっかく「保全しよう、自然を大事にしよう!」って気持ちがある人に対して、間違った事をしてると否定ばかりするのもなんだか勿体無いというか…残念です。

考え方を改めてもらって味方につけられればもっと良い方向になるんじゃないかとか思うのですが、難しそうです…

No title

少し補足させてもらいますね

里山整備の中でも猛禽類であれ虫であれ生物を呼び戻そうという志を持った素晴らしい団体さんもいます
そういう方達が整備した里山はまさしく生態系による恩恵を話しながら畑体験や田植え体験などをして活動なさっています

>>名も無き虫屋さん

そうですよね。
全部が全部間違った方向にしか進まないわけではないんですよね。
訳の分からないことをやる人たちが悪目立ちしているだけで…(汗)