タマムシ採集を極める石川遠征_0日目: 深夜の日本海沿岸で


「キンヘリタマムシ」というタマムシを知ったのは、昆虫採集を本格的に始めるために情報を集めていた中学生の時でした。

山と渓谷社の図鑑「甲虫」を確か中3の時に手に入れて…そこで初めてキンヘリタマムシというタマムシが存在することを知ったのでした(汗)
今まで持っていた図鑑には載っていなかったので…それはそれは衝撃的でした。

「こんなに綺麗なタマムシもいるのか…!!」


日本にいるキンヘリタマムシは以下3種。+1亜種
それぞれに対して抱いていたイメージは以下の通りです。



キンヘリタマムシ(北日本亜種)
Lamprodila pretiosa (Mannerheim, 1852)


大図鑑の珍品度は★★★(やや少ない)
ハルニレの伐採木に飛来するのを採るイメージが強く、スウィーピングで採るイメージがほとんど無い。
北日本亜種と九州亜種に分かれ、本州では北日本亜種を狙う事になるけど産地が東北中心…?
長野で狙える虫なのか…?


ハビロキンヘリタマムシ
Lamprodila nipponensis (Y. Kurosawa, 1953)


大図鑑の珍品度は★★★★(少ない)
ハルニレの大木の樹冠を、10m以上…物凄く長く伸びる網で掬って採る。
産地は限られ、かなりの体力と網の長さが必要…
日本のタマムシの中でも珍品かつ美麗種、某カミキリと被ってる産地があるせいか狙う人も特に多いような…キンヘリタマムシの中でも特に有名なタマムシのイメージ。
挑戦するのは他2種を採ってからにしたい。


エサキキンヘリタマムシ
Lamprodila kamikochiana (Obenberger, 1940)


大図鑑の珍品度は★★(普通)
ハビロキンヘリタマムシを狙ってハルニレを掬ってると偶に採れる、そんなイメージしかなかった…
大図鑑を読んで、ヤマハンノキとかネコヤナギに集まるって初めて知ってちょっと驚いたくらいで(汗)
何より…


珍品度★★(普通)って一体どういう事なんだろうか…


オオウグイスとか、ナミガタチビタマと同じレベル…?
ずっと感じていた違和感。
やっと数頭採れる、そんなイメージがぶち壊されたのが…


2015年…受験生1年目の夏の事でした。

ある日、唐突に一通のメールが届いた。
このブログに以前からコメントを下さる…ガラリオさんからでした。

内容は採集記でした。
憧れのタマムシと、何かの間違いだろと思わずにいられない数字。
添付されていた画像の破壊力は凄まじく…その場で椅子から転がり落ちて発狂したのを覚えている(笑)


「★★(普通)ってそういうことかあぁぁぁぁーーー!!!!!」


あれから2年。
今回は、ガラリオさんがエサキキンヘリタマムシを初めとするタマムシのポイントを案内してくださる事になりました。
という事で、私は一人で北陸地方の…石川県を目指します。





2017.07.07(0日目)

この日は七夕でしたね。
4限で授業は終わり。準備を整えて駅へ向かいます。
ここからは長旅になります…
時間的な都合上、途中から新幹線を使う事になりました(鈍行のみで行くルートも存在しますが、めちゃくちゃ時間かかります)

恐ろしいのが、一本電車を逃すと即終了になる事(汗)
逆に時間に余裕を持たせようとすると1時間待ちなんてことは普通です。

で、ど田舎の無人駅に降り立った私。待ち時間は1時間以上(笑)
他の乗客は全て駅を出て…電車も発車してただ一人駅に残されました。



さすがに、ここの駅の灯りはLED化されておらず虫がたくさん集まっていました。
時間があるので灯りを見て回ることに。


蛾はまだまだ全然分からないのでほとんど写真撮るだけ…




オオアヤシャク
Pachista superans (Butler, 1878)


オオアオミズギワゴミムシ
Bembidion lissonotum Bates, 1873

何も採らないのも勿体無いと思ったので、写真の蛾とミズギワゴミムシを採集。



その後は新幹線も駆使してあっという間に石川県に到着。
ここでガラリオさんと合流しました。

現時点で時刻は23時を回っていますが、もうここから採集がスタートします(汗)

ここで何故か虫以外は全く写真を撮ってないのですが…
最初に向かったのは海の近く。
というか…ここは日本海。こちらの海は初めて来ました…暗くてほとんど何も見えなかったけど(笑)

夜、この場所で狙える虫というのが…








オオヒョウタンゴミムシ
Scarites sulcatus Olivier, 1795

「いた!!!!!!!」

なんだこのサイズというか重量感は…これがオオヒョウタンゴミムシなのか!!


時期的にピークではないにしてもオオヒョウタンゴミムシがここで一応狙えるとのことで連れて来てもらったのですが…
オオヒョウタンゴミムシは路肩とか側溝に落ちているらしく、それを探していこう!と車を降りたら車のすぐ横に鎮座していました(汗)

若干の破損がある個体なのでここは見逃して、別個体を探します…(汗)




ナガヒョウタンゴミムシ
Scarites terricola pacificus Bates, 1873

体型はオオヒョウタンそっくりなのですが…大きさが桁違いなのが改めて分かりました(汗)



その後、二人で別々の側溝を見ていきます…
1匹目があまりにもあっさり見つかってしまったので2匹目も…と思ったのですがなかなか見つからず、少しづつ焦り始めます(汗)

溜まったゴミを漁ったりしながら、側溝を流すように素早く見ていく。歩いていれば見逃すことはありえない。


海辺のクズにはヒロバネカンタンがたくさん付いているようで鳴き声が絶えず聞こえて来た…ていうか、もう出てるのか!?

20分後。







「いた!!!!良かったー!!!!!!!」

大きさの割に移動速度は速く、まともに写真撮れないので捕獲。




20170711132601952.jpg
オオヒョウタンゴミムシ
Scarites sulcatus Olivier, 1795

いやいやいやデカすぎだろ…
明らかにゴミムシの大きさではない…(笑)




左がオオヒョウタンゴミムシ、右がナガヒョウタンゴミムシ。
並べてみました。違いは一目瞭然です(笑)
ナガヒョウタンもそんなに小さいゴミムシではないはずなのですが…(汗)



なんとか1匹を確保して私自身も一安心でした(笑)
気づけば時刻は0:30になっていたのでここで終了して戻ります。

今日明日はガラリオさんのお宅に泊めていただけることになりました。本当に感謝です。

翌日に備えて就寝…
明日はいよいよ、今回の遠征のメイン…エサキキンヘリタマムシの採集に向かいます。



私は自分が予想していたのとは全く異なる形で苦しむことになるのです…(汗)




【結果】 ※色付きは自己初採集

ナガヒョウタンゴミムシ
Scarites terricola pacificus Bates, 1873
1ex.

オオヒョウタンゴミムシ
Scarites sulcatus Olivier, 1795
1ex.

オオアオミズギワゴミムシ
Bembidion lissonotum Bates, 1873
1ex.

オオアヤシャク
Pachista superans (Butler, 1878)
1ex.





以下はガラリオさんから譲ってもらったもの。

ナガヒョウタンゴミムシ
Scarites terricola pacificus Bates, 1873
1ex.
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