タマムシ採集を極める石川遠征_2日目: 足りないものは。


2017.07.09(2日目)



帰るのはこの日の夕方。
当然、それまでは採集をする事になりました。

エサキキンヘリをなんとか昨日採集出来たので、この日は色々な種類のタマムシが採れるという…I山という場所へ向かうことに。
この辺りの事は詳しくないのですが、私でも名前くらいは聞いたことある山でした(汗)




最初の場所。

エノキ、ケヤキ、ネムノキ、オニグルミ、コナラなど…
とにかくたくさんのタマムシを採ることが今日の目標なので、片っ端から掬っていきます。

まずはエノキから。






ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873

一掬いでたくさん入ってきました(汗)
埼玉の河川敷とかでも普通に見かける種ではあるのですが…スウィーピングでこんなに沢山入ってきたのは初めてでした。






ムネアカナガタマムシ
Agrilus imitans Lewis, 1893

ムネアカナガタマムシも沢山入ってきました(汗)
やっぱり、狙う相手が変わると入りやすさも変わって来るんですね…

ムネアカナガタマムシは石川県では今年初めて記録されたみたいなのですが…何で今まで発見されなかったのか疑問に思えるくらい大発生してました(笑)






シラホシナガタマムシ
Agrilus decoloratus Kerremans, 1892

こちらはスウィーピングではなく…林縁を飛んでいる個体をキャッチしました。
これでエノキのナガタマムシ基本3種(自分の中ではそういうイメージ)は揃った。

ベニナガは採れませんでした。

ベニナガって不思議なんですよね…
埼玉の河川敷だとエノキをスウィーピングしても全く入らなかったのに、材にはそこそこの個体が飛来してて、
長野の谷だとエノキのスウィーピングで頻繁に入るけど、ベニナガが採れるエノキではそれ以外のタマムシが一切入らないんです。

何か、細かい好みの差があるんでしょうか…



もちろんエノキ以外の木も掬っていきます。




クロナガタマムシ
Agrilus cyaneoniger E. Saunders, 1873

掬ったのはコナラだったかな…?
スウィーピングで入ったのは初めてでした。






シラケナガタマムシ
Agrilus pilosovittatus E. Saunders, 1873

もう大分見慣れたナガタマムシになってきた…
ちゃんと毛があるタイプは久々に採集したかも(汗)






ネムノキナガタマムシ
Agrilus subrobustus E. Saunders, 1873

ネムノキや周辺の植物をスウィーピングしてると割と入って来る。
珍品度★★★(やや少ない)はおかしいって、以前ガラリオさんが言ってた気がしますが確かにここでは全然少ない感じがしませんね…(汗)
ダンダラチビタマと同じように、何か地域差がある感じなんだとは思いますが…






ウグイスナガタマムシ
Agrilus tempestivus Lewis, 1893

「シラケとかネムノキと違う…初採集種か!?」と思って持って帰ると…いつものウグイスでした。
ちょっと間が空くとすぐに騙される…(汗)



と、こんな感じで。
全て既採集種なのですが、多くのナガタマムシが調子よく採集できて少し安心しました。
ガラリオさんも言ってましたが、エサキキンヘリ狙いの採集はどうしても、、他のタマムシが乏しくなってしまうのです…
昨日のスウィーピングは他のタマムシがさっぱり入らなくて本当にしんどかった…



タマムシ以外では、


オニグルミノキモンカミキリ
Menesia flavotecta Meyden, 1886

オニグルミのスウィーピングではカラカネチビナカボソタマムシが採れるらしいのですが、私には採れず。
代わりにオニグルミノキモンカミキリが2頭得られました。

ちなみに…ガラリオさんはやはりここでカラカネチビナカボソタマムシを落としていた。




マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)

側溝を歩いていたオサムシは…長野にもいるマルバネオサムシでした。
別亜種とかにはならないのか…(汗)




ツマグロヒメコメツキモドキ
Anadastus praeustus (Crotch, 1873)

初採集のコメツキモドキも。
ケヤキから入った気がします。
(長野の方でもケヤキのスウィーピングで一度入りました。)





次の場所へ。
ここでシナノキチビタマムシとコクロナガタマムシを狙います。



採れるという、シナノキを何本も掬ってみましたがやっぱりダメ。
代わりに採れたのは、





タケウチトゲアワフキ
Machaerota takenouchii Kato, 1931

ツノゼミよりよっぽどツノゼミしてるアワフキムシの仲間。
これはこれで嬉しいのですが…タマムシは?




最後の一本を掬った時、中にタマムシの姿が見えた…





ヒコサンナガタマムシ
Agurilus yamabusi Miwa et Chûjô, 1940

これ昨日採ったやつじゃねえか…(汗)







カラスザンショウ。
コクロナガタマムシはカラスザンショウのスウィーピングで採れるそうです。
(正直今まであんまり意識して見てこなかった…)

早速掬ってみる…


まあダメだよね(笑)

もう分かってるよ…




ガラリオさんがスウィーピングで2頭採集したのは、その直後であった…

よく見ていると樹冠を飛んでいるのが見える。個体数は絶対少なくない。

けど…掬える所を全部掬ってみたもののやはり影も形もない。
何なんだよこれ本当に…




しばらく別の植物をスウィーピングして、ある程度時間が経った後。
ガラリオさんは同じ木で8頭を追加し、

「絶対採れるはずだからもう一回やってみよう(笑)」

と言う訳で…移動する前にもう一度だけやってみることに。


網を伸ばして掬っていると、飛び立つタマムシが確かに見えました。
そのタマムシが止まった辺りを特に強めに掬ってみると…




コクロナガタマムシ
Agrilus yamawakii Y. Kurosawa, 1957

ああ良かった…


無事に一頭採れましたが、どうも違和感を感じずにはいられなかった。
昨日と同じ状況だ…スウィーピングとは違う採り方の感じ。


簡単に入るタマムシとそうでないタマムシの差は一体何なんだ…??




クロナガとコクロナガが丁度一頭ずつ得られたので…



左がクロナガ
右がコクロナガ

コクロナガタマムシはナガタマムシの中では大きい方ですが、クロナガと並べると明らかに大きさが違うのが分かります。(コクロナガ思ってたより全然大きくて少しびっくりしたけど…)

大きさ以外にも、前胸背板後角とか上翅末端部の斑紋とか…違いは見つかります。



腹面の雰囲気も若干違っていたり。


そんなコクロナガタマムシを加えて、

私がこれまでに採集したタマムシが50種類に到達しました。










さて、ここからです…






20170720190504d57.jpg
次にやって来たこの場所では、ルイスナカボソタマムシが採れるのだそう。

「時期的に終盤ではあるけど…5匹は堅いポイント」

「そうなんですか…(大汗)」

この時点で何故か決着がついた気がした。






これがヤシャブシ。
ハンノキの仲間で、ルイスナカボソタマムシはエサキキンヘリと同じ場所のヤマハンノキでも採れるそうです。
(ただしエサキキンヘリより明らかに少ない)

道沿いにずっと生えているヤシャブシの葉を掬っていきます。
良さげな木は私が掬う権利を譲ってもらい、ガラリオさんは私の網では届かない高さや、道の反対側に少し生えている程度のヤシャブシを掬っていくそうで………



数分後。


「ごめん採れちゃった!」



(そうなると思ったわーーー!!!!!!!!!)


とりあえず時期的に遅くてもまだ採れると言うことがはっきりしたので…よりいっそう気合い入れてヤシャブシのスウィーピングを続けます。









……どのくらい時間が経っただろうか。

何本も何本も掬っては確認、昼飯も食わずに永遠とこれを繰り返していく。
もはや当たり前のように…何も採れないまま時間だけが過ぎていく。
ひたすら掬いながら歩き続けて、ついに掬えるヤシャブシが見つからなくなった。

ガラリオさんと合流すると…ガラリオさんは2頭追加を得ていた。



本当に何なんだよこれ……

こんなのおかしいだろ……




もう時間がない。

込み上げてくるものを必死でこらえながら…
投げ出したくなる自分を必死で抑えながら…

すぐ近くの別のポイントでも掬い続ける。



何で…どうして採れないんだ……??

「どうして」じゃなく、「どうすれば」いいか………???


どうすればいいかすらさっぱり分かんないんだろうが…


精神的にも体力的にも限界近かった。


ヤシャブシのスウィーピング開始から1時間半くらい経ったのだろうか。
ていうか、1時間半しかやってなかったのか…(汗)




時間切れ、だった。




この辺りで心身ともにボロボロになっていた…

正直これ書いてて辛い。
思い出したくない…もうしばらくの間はヤシャブシを見たくもない(笑)




ルイスナカボソタマムシ
Coroebus rusticanus rusticanus Lewis, 1892

結局…ガラリオさんの採集したルイスナカボソタマムシを一頭分けてもらいました。





次が最後の場所です。






オニグルミ。

この木ではカラカネチビナカボソタマムシがよく採れるらしい…

けど。

やる前から、「無理だ」と思ってしまった。

それくらい…疑心暗鬼になっていた。







カラカネチビナカボソタマムシ
Nalanda ohbayashii Y.Kurosawa, 1957

結局、あっさり2頭採集できたけど…
当時の自分にはむしろ何で採れたのか不思議なくらいだった。

他にオニグルミノキモンカミキリも採集できました。



これで、今回の採集は終了になりました。
ガラリオさんに駅まで送ってもらいお別れ。

疲れ切っていたので帰りはほぼ新幹線を使って帰った。
(時間的な都合もあって…)





今回二日間の石川遠征を振り返って…
超釣り堀採集にはなりましたが、無事に最大の目標であるエサキキンヘリタマムシを採集する事ができました。
他にもヒコサンナガ、コクロナガ、カラカネチビナカボソ…計4種の初採集種を含めて今回二日間の自己採集タマムシは、
13種30頭
となりました。

これで自己採集タマムシがついに50種に到達。しかしここから先は厳しい道になりそうです…

というのも、今回のスウィーピングでの手応えの無さからして…
今後、果たして新たなタマムシを採集できるのか不安になってきました。

離島遠征したいとか、一時はちょっとは思ってたりしたのですが…
今回ので完全にその考えは消え去りました。

少なくとも今年は、まだ本州で修業したいです…
今のまま行ったって、ボロクソな成果に加えて遠征事故みたいな未来しか見えません。

最低でも免許取った後、安全運転できるようになってからじゃないと…(汗)




ほとんど何も掴めなかったスウィーピングの感覚ですが…
一つだけ分かったことがありました。

体力・筋力がない。


7mの網を伸ばしたまま支え続ける筋力…それを繰り返し行えるだけの体力が…無い。
部活引退してからほとんど運動していない上に浪人生活もダラダラと送ってしまったツケが回ってきました。

長竿を支えるために必要な筋力も無ければ自重もありません(笑)
9mの竿とかまだまだ使える気がしません…

結果的に、7mの竿を限界まで伸ばしてスウィーピングした時と、途中までしか伸ばさずにスウィーピングした時で力加減やコントロールに大きく違いが出てます。
もしかしたらそれが何か関係あるんじゃないかな…と少しだけ思いました。


それ以外にもスウィーピングのセンス的なものが足りないのが何となく分かったので…それを掴めるまでは特訓するしかないですね…




最後になりますが…
ガラリオさん、今回は本当にお世話になりました。
様々なタマムシの生息環境を見させていただけて…貴重な体験をさせていただけたこと、本当に感謝です。
ありがとうございましたm(_ _)m

今回足りないと感じた部分を何とかして、しっかり長野県内でエサキキンヘリと再会できるようにしたいと思います!

【結果】 ※色付きは自己初採集

カラカネチビナカボソタマムシ
Nalanda ohbayashii Y.Kurosawa, 1957
2exs.


ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873
2exs.

クロナガタマムシ
Agrilus cyaneoniger E. Saunders, 1873
1ex.

シラホシナガタマムシ
Agrilus decoloratus Kerremans, 1892
1ex.

ネムノキナガタマムシ
Agrilus subrobustus E. Saunders, 1873
4exs.

コクロナガタマムシ
Agrilus yamawakii Y. Kurosawa, 1957
1ex.


ヒコサンナガタマムシ
Agurilus yamabusi Miwa et Chûjô, 1940
1ex.

ムネアカナガタマムシ
Agrilus imitans Lewis, 1893
3exs.

ウグイスナガタマムシ
Agrilus tempestivus Lewis, 1893
1ex.

シラケナガタマムシ
Agrilus pilosovittatus E. Saunders, 1873
1ex.

ヤナギチビタマムシ
Trachys minuta salicis (Lewis, 1892)
2exs.

マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)
1ex.

オニグルミノキモンカミキリ
Menesia flavotecta Meyden, 1886
3exs.

トサヒメハナカミキリ
Pidonia approximata Kuboki, 1977
1ex.

ツマグロヒメコメツキモドキ
Anadastus praeustus (Crotch, 1873)
2exs.

ヒメスジコガネ
Mimela flavilabris (Waterhouse, 1875)
1ex.

エゴシギゾウムシ
Curculio styracis (Roelofs, 1874)
1ex.


ヨモギハムシ
Chrysolina aurichalcea (Mannerheim, 1825)
1ex.

アカガネサルハムシ
Acrothinium gaschkevitchii gaschkevitchii (Motschulsky, 1860)
1ex.

タケウチトゲアワフキ
Machaerota takenouchii Kato, 1931
2exs.


ツノゼミ
Orthobelus flavipes Uhler, 1896
1ex.




以下はガラリオさんからの頂き物。

ルイスナカボソタマムシ
Coroebus rusticanus rusticanus Lewis, 1892
1ex.

コクロナガタマムシ
Agrilus yamawakii Y. Kurosawa, 1957
5exs.
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