雨上がりのゴミムシ採集


2017.09.14

免許があと少しで採れそうなので帰省の日程を遅らせることにした。
標本の整理や部屋の片付けが落ち着き、絶望的な量を溜め込んでしまったデータ入力、ラベル作りにも終わりが見え始めた。


この日の夜は涼しくて雨の予報もなく…夜間ルッキングには良さげだなーと色々考えていたらやっとやる気が出てきたので、夜飯を食べた後唐突に行くことにしました。
毎年恒例になっている…近場の公園でのムネアカセンチチャレンジ(ほとんどただのゴミムシ採集)を、今日やろうと決心。



すぐに家を飛び出しました。この時点で20時を回っていました。



…家を出て数分後でした。




「あれ…雨降ってきた?」


雨の予報無かったと思っていたのですが…結構大粒な雨が降り始めました。


「まあ通り雨だろう」

「せっかくやる気になったっていうタイミングで、邪魔しないでくれよ…



雨を無視して公園へ急ぐ。







いつもの公園に着いたのが20:30頃でした。

この時点ではまだ雨は降っていますがまあまだ我慢できるレベル。





ルッキングを開始して数分。
雨が強くなり始めた。

嫌な予感がする…




強烈な雨に変わったのはその数秒後でした。




あー、ダメだわこれ(笑)



身の危険を感じるレベルの雨に、さすがに撤退。
雨具を持っていないので近くのトイレに避難。臭い(汗)





視界が曇るほどの強烈な雨。
一瞬にして地面はビショビショになり…採集どころではなくなってしまった。
合羽とかもさすがに持ってこなかったので帰ることもできない(汗)

改めて天気予報を確認すると、確かに雨の予報は無かったのですが雨雲レーダーでは自分のいる場所が真っ赤に染まっていた(笑)
30分位で通り過ぎるみたいなのでしばらくトイレ待機することに(汗)








10分ほど経った。
たった10分で道路脇には川ができていた。

とんでもないタイミングで来てしまった気がする…(汗)


待ってるのも退屈なので、トイレの灯りに飛来している虫を見ることに。





トウキョウヒメハンミョウ
Cicindela kaleea yedoensis Kano, 1933

トウキョウヒメハンミョウが飛来していたのですが…これがめちゃくちゃ綺麗な個体でびっくり。
地味など普通種、ってイメージしかなかったのですが…こんなに綺麗なものもいるんですね。
(持ち帰るまでの時点で死亡してしまい、色は綺麗には残せそうにない…)

拡大しないとこの色は中々見えてこないみたいで、ぱっと見はやっぱり地味な茶色のハンミョウです…(汗)


ハンミョウは小分けのケースに入れると持ち帰るまでに高確率で死亡してしまいます。
毎回同じ失敗をしてるのに何故学習しないのか…
(チャック袋を使うと生かして持ち帰ることが出来ます)





20170916203115f91.jpg
21:00前には雨が弱まって来たので…とりあえず臭いトイレから離れる(笑)





道は半分以上冠水していて足場がない(汗)
排水口にものすごい勢いで水が流れているのですぐに引くとは思うけど…
枯葉に混ざって流れてくるゴモクムシを何頭か確認した(汗)

縁石の上を辿るように歩いていく…

雨上がりの桜の枯葉からは少し甘いような匂いが漂っていました。
なんだかとても秋らしくて好きです。




道は冠水してるけど、縁石の向こう側の地面は湿ってる程度。
凄まじい雨の後なのでルッキングなんて絶望的な気がするのですが、
これだけ雨が降った後の採集なんてそう出来るものじゃないから…いい機会だと自分に言い聞かせる(笑)

意外にも、雨でパニックになっているのか忙しく歩き回るセアカヒラタゴミムシはすぐに見つかりました。



セアカヒラタゴミムシ
Dolichus halensis (Schaller, 1783)

一番綺麗なタイプを一頭採集しておきました。
ちなみに当地のセアカヒラタゴミムシは全身黒のタイプが一番多いような気がする…

前胸上翅ともに赤いこのタイプがやっぱり一番少ないです。
とはいえ全体の個体数が多すぎるので探せばすぐに見つかります(笑)


セアカヒラタを採集するより前に、本日最初に採集したゴミムシがいました。




アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876

この公園では少ないながらも何回か採集できているアトワアオゴミムシが早くも見つかりました。
(去年は逃げられてしまいましたが…)
今回は難なく採集できました。





街灯の下にもセアカヒラタゴミムシやゴモクムシの類が忙しく走り回っていました。
この状況を見るに、もし雨が降っていなかったら今日は当たりの日だったのかもしれない…なんて思ったけどそれは違ったのかもしれない。



セアカヒラタに混ざって、こちらに向かって歩いてくる大きなオサムシが視界に入ってきました。


おお!!アオオサか!

なんか、随分赤くないか…??






あれ?

これって…





エゾカタビロオサムシ
Campalita chinense (Kirby, 1818)

その場でひっくり返りそうになった(笑)

まさかこの公園で採れる虫とは思っていませんでした…
これもうムネアカセンチ採れてもいいんじゃないの!?

普通に街灯に飛来したのか、それとも強烈な雨で落下してきたのか…



街灯の近くにある芝生の上もルッキングしていく。
早速、芝生の上に大きな虫がいるのが見えて…(汗)









ヒメマイマイカブリ
Damaster blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)

いや…なんでだよ(笑)

ヒメマイマイカブリが訳の分からない所を歩いていました(笑)

そもそも、ここの公園でマイマイカブリが採れるとも思ってなかったので衝撃でした。
河川敷以外でのマイマイカブリの採集は実は初めてでした。
エゾカタビロとのダブルパンチが強烈で頭がついて行かなかった…






サトユミアシゴミムシダマシ
Promethis valgipes (Marseul, 1876)

本来、枯れ木とかについてるはずの虫が芝生の上でじっとしているのを見つけて…
今日の成果に「豪雨の直後」というちょっと特殊な条件が関係あるような気がし始めた(汗)





アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876

あんまり草地性ゴミムシのイメージが無かったのですが、何故か芝生の至る所にじっとしているアトワアオゴミムシが見つかりました。
今年はどうやらアトワアオゴミムシの当たり年のようです。

芝生に限らず至る所で見つかりました。




ヒメキベリアオゴミムシ
Chlaenius inops Chaudoir, 1856

街灯の直下で…去年は逃げられて悔しい思いをしたヒメキベリアオゴミムシを採集することができました。
かなりドロドロの湿地環境にいる虫みたいなイメージがあるのですが、公園内にそんな場所は…

一箇所確かにあった気がするのですが……(後ほど)



ここまで…開始30分の間に起こった出来事です(汗)



今年はいつもと違う…なんだかいけそうな気がする!!









センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857

ノルマ達成


毎年必ず一頭は採れる、センチコガネにも無事に出会うことができました(笑)
灯りに飛来していたわけではなく、林床でキノコらしき何かを食べていました。

目標はムネアカセンチ。これで満足してはいけない。
いや、なんだか今年はこれだけでは終わらない気がする…







センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857

2体目


いや、期待してたのはそういうのじゃなくて…(笑)
でも正直この展開は予想できた(汗)

なので、もちろん_____






センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857



3体目





センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857
センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857

4体目、ええ………(笑)



怒涛のセンチコガネラッシュに笑うしかなかった…
こういうノルマ的な虫は採らずにはいられないので全て採集しました。
(センチコガネも一頭一頭少しずつ色が違っていい虫ですし)


ここまでで、私的にはもう十分過ぎるくらいの成果なのだけど…まだまだ希望がある。

本当に面白くなるのはここから。
何故なら…まだ一番ゴミムシが濃くなる地帯に入ってすらいないから(汗)
過去にムナビロアトボシとかオオスナハラ、オオゴミムシとか採れて…アカガネオオゴミムシが一番多かったり。

そんな「雑木林のすぐ横を通る道」に入ろうとしていた…






一瞬にして絶望に変わった。

公園内の一番面白い部分がピンポイントで立ち入り禁止になっていました。
公園内の観光地化にむけての整備が行われるらしい…

詳しく調べてみたら本当に目を疑うような恐ろしい計画が進んでいて…ここで採集出来るのはヘタしたら今年が最後になるんじゃないかと思うほど(汗)

暗くてよく見えないけど、以前マルガタチビとか採ったケヤキの大木とか、樹液の出るクヌギとか…良さげな湿地?とかもろとも消失してしまっているように見えた。

たくさんのオサムシやゴミムシが育つ場所だった雑木林は伐採により多くの木を失い、下草も消失して見てわかるレベルで乾燥化が進んでいた…


悔しかった…

自分には何もできない…

この公園は行く度に新しい発見があって…色んな可能性を秘めてる場所だと思ってた。

その辺の公園よりよっぽど…豊かな自然が残ってる場所なのに。

どうして可能性の芽を摘み取るような事をしてしまうのか……



立ち入り禁止の柵に沿って歩いてみる。

何もゴミムシが見つからないまま一番面白かったエリアを抜けた。



その後は公園内をしばらく歩いてルッキングを続けましたが…



今年は本当に良く出会う気がする、スジアオゴミムシを2頭確認したのみでした。
(もう何回も採集してるし、序盤で出会った訳ではないので今回はスルーできた)



その後は特に何も得られず…そろそろ帰らないと翌日のバイトがキツそうなので来た道を戻る。


道に溜まっていた水は無くなっていて、排水溝には尋常じゃない量の枯葉やゴミが溜まっていました。

ここで初めてみる、ビロードハマキがいました。多分流されて来たのでしょう…
(ボロかったのでスルーした)



これで、今年のムネアカセンチチャレンジは終了…
だ訳ねぇだろおええええ!!!!!


このまま終われない…

この公園の今後を思うと…まだ、もう少し頑張ってみたいと思った。


ので。





2017.09.15


また来てしまった。

今日はちゃんと雨雲レーダーも確認して雨が降らない事を確認した(汗)
20:00頃に公園に到着してそこからルッキングスタート!


見られるゴミムシの種類には大きな差は無かったのですが、なんとなく昨日より動いてるゴミムシが少ないような気がしました。




センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857

ノルマ達成(笑)

毎年一頭ずつしか採れなかったのに今年はもう5頭目。
当たり年っていうよりもとから結構多いのかもしれない…(汗)

この個体も含め、昨日も2頭同じ場所から採れています。
そんな…センチコガネが多い場所はオレンジ色の街灯の直下にあたる部分。

灯りに飛来してるのかなと思ってたのですがこの日、ここでセンチコガネが多く見られる理由がようやく分かりました。



これがどうやらセンチコガネの巣穴…のようです。





苔むした地面にはセミの穴より少し小さい穴がいくつも空いていて、穴に蓋をするように菌塊がある所も。
巣穴から顔を出して菌塊を食べている個体は、近づくと巣穴の中に潜って隠れてしまいますが…外に出てる個体も普通に見つかりました。

この辺りのセンチコガネは動物の糞よりこういった菌類を食べているみたいです。
しかし、みんな同じような菌塊を巣の近くに置いていたけど…これどこから持って来てるんだろう?
そもそも元々の素材がよくわからない(笑)

ムネアカセンチも似たような菌を食べて、巣穴を掘る虫だったはず。

この時、今までに何回か見つけていた怪しい穴の正体がセンチコガネによるものだったと確信する。

これだけ探しても見つからないとは…ムネアカセンチはやっぱりここだと厳しいのかな…


で…今日も5,6頭のセンチコガネを見つけましたが、採集は一頭だけにした。



昨日よりもハイペースで先に進んでいき、つまらなくなってしまったエリアを抜けた先へ。
この辺りは雑木林から離れてしまい芝地や住宅地に隣接するような位置になるので、基本的に虫が少ないエリアなのですが…


いつかムナビロアトボシを採った時は、道の端に溜まったこんな感じの落ち葉を掻き分けた時に出てきた事を思い出して…落ち葉を軽く掻き分けていると…ゴミムシが一頭飛び出した。

今日も相変わらず多いアトワかと思ったけど…前胸が赤くない。
絶対に目を離さないように…慎重に追いかけて無事に確保。







ムナビロアトボシアオゴミムシ
Chlaenius tetragonoderus Chaudoir, 1876

良かった…まだいてくれたか…

少し雑木林から離れた場所ですが、どうにか今年もムナビロアトボシを採ることができました。



さらに。




オオスナハラゴミムシ
Diplocheila zeelandica (Redtenbacher, 1868)

オオスナハラゴミムシにも2年ぶりに再会することが出来ました。
立ち入り禁止の柵から数メートル手前の地点の林床を歩いていました。

ムナビロアトボシもオオスナハラも場所によっては珍しくもなんともないのかもしれませんが…私的には両種とも生涯2頭目になる虫なのでとても嬉しいです…



その後はここ数年あまり行っていない、虫的には薄いエリアにも行ってみました。




アカガネオオゴミムシ
Trigonognatha cuprescens Motschulsky, 1857

ここでようやく今年の当地でのルッキングでは初となる…アカガネオオゴミムシに出会えました。
2015年はこのゴミムシがびっくりするほどたくさん見られましたが、今年は少ないのかも?






ナガヒョウタンゴミムシ
Scarites terricola pacificus Bates, 1873

見回ったコースの最後で、ナガヒョウタンゴミムシを発見。
去年は採れませんでしたが、その前2年は採れています。
多いのか少ないのかよく分からないゴミムシですが、カッコいいので出会えると嬉しい!




オオマルガタゴミムシ
Amara gigantea (Motschulsky, 1844)

オオマルガタはまあまあ見かけるゴミムシです。
スルーしていたのですが、適当に写真撮ったら思いの外カッコ良く感じてしまったのでお持ち帰り(汗)

そういえば、普通のマルガタゴミムシは苔をめくると出てくるのですが歩いている個体は一切見られませんでした。
コマルガタゴミムシは今回はゼロ。時期的にはもう少し後に出てくるのか??




そして最後の最後で…




ヒメツヤヒラタゴミムシ
Synuchus dulcigradus (Bates, 1873)

一番最後に初採集のゴミムシが得られました。

他、マルガタツヤヒラタゴミムシも出てきているようです。
この公園の地面がオオクロツヤヒラタで埋め尽くされる本当に楽しい時期はもう少し後。
今年のムネアカセンチチャレンジはこれで終了です。

今年はルッキングのやり方そのものがかなり変わったような気がします。

2014年とか、公園内一周1時間とか言ってた気がしますがそれルッキングじゃなくてゆっくり散歩のペースだろ…
今では1時間で1/4位しか進めないくらい色んな場所を丁寧に見ることができるようになりました。
色々と得られたのはこのおかげなのかも(汗)

楽しい時期に来れないのは残念ですが、今の時期でも充分素敵なゴミムシに出会えたので良かったです。
4,5月とか春のゴミムシの時期に来るのも、やったことないけど面白そうだな…


開発の手は入ってしまって良い環境は失われていくけど、まだまだ強く生き残っているゴミムシはいた…

可能性の芽を摘み取ってしまってるのは自分の方なのかもしれない…

来年以降この場所がどうなって行くか分かりませんが、もう少しこの地の可能性を信じてまた来てみようと思います!



なんといっても………


まだ、本来の目的の…
ムネアカセンチが採れてないから!!!!!(笑)


(最近完全に主旨変わって来てるけど、ムネアカセンチコガネがここでの採集の目標です…)



【結果】 ※色付きは自己初採集

2017.09.14

ヒメマイマイカブリ
Damaster blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)
1ex.

エゾカタビロオサムシ
Campalita chinense (Kirby, 1818)
1ex.

セアカヒラタゴミムシ
Dolichus halensis (Schaller, 1783)
1ex.

ウスアカクロゴモクムシ
Harpalus sinicus Hope, 1845
2exs.

アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876
6exs.

ヒメキベリアオゴミムシ
Chlaenius inops Chaudoir, 1856
1ex.

トウキョウヒメハンミョウ
Cicindela kaleea yedoensis Kano, 1933
2exs.

センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857
4exs.

サトユミアシゴミムシダマシ
Promethis valgipes (Marseul, 1876)
1ex.





2017.09.15


ナガヒョウタンゴミムシ
Scarites terricola pacificus Bates, 1873
1ex.

アカガネオオゴミムシ
Trigonognatha cuprescens Motschulsky, 1857
1ex.

ヒメツヤヒラタゴミムシ
Synuchus dulcigradus (Bates, 1873)
1ex.


オオマルガタゴミムシ
Amara gigantea (Motschulsky, 1844)
2exs.

オオスナハラゴミムシ
Diplocheila zeelandica (Redtenbacher, 1868)
1ex.

ムナビロアトボシアオゴミムシ
Chlaenius tetragonoderus Chaudoir, 1876
1ex.

アトワアオゴミムシ
Chlaenius virgulifer Chaudoir, 1876
1ex.

センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857
1ex.
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