10月の採集のお話…


気がつけば10月の採集記が皆無になってました…
たしかにラベリング作業にも追われていたのですが、採集に行かなかったわけではないのです(汗)
せっかくの4周年(?)なので、中々書く気になれなかった採集の話を全部まとめて書いておこうかと思います。

10月7日


クワコ
Bombyx mandarina (Moore, 1872)

この日はいつもの街灯ポイントへ。
クワコは初採集でした。胸部のいい感じの毛を落とさずに標本にできたのが嬉しかった…
アンモニア〆にも少しずつ慣れてきました。




いや思いっきり失敗してんじゃねえか…これは元から禿げてたから!!(汗)
(クワコとともにキシタバも初採集でした。)





10月8日

冬でも真面目に探せばウバタマムシが採れると知って。
いつもの谷の、特に赤松の多いエリアに向かいました。




初めて入る場所でやりましたが、コナラやミズナラの葉には無数の食痕が。
クリタマムシも確か似たような食痕を残すはずですが…ここは違うと信じたい(汗)




マメチビタマムシ
Trachys reitteri Obenberger, 1930

ウバタマムシは全く採れず…唯一採れたタマムシはマメチビタマムシでした。
ケヤキのスウィーピングもやったのですが何故か全くヤノナミガタが入ってこない…(汗)
越冬入ってるのか…?




タマムシの方があまりに微妙だったので、水生昆虫採集に逃げる(汗)
完全な止水域ではないのですが、ルリボシヤンマ採ったところだし、マツモムシも確認していたのでおそらく何かしら採れるはず…と、水生昆虫用の網を入れてみる。




左: コオイムシ
Diplonychus japonicus Vuillefroy, 1864

右: ヒメゲンゴロウ
Rhantus pulverosus (Stephens, 1828)


コオイムシは少し意外でしたが、ガサガサして採れるゲンゴロウはヒメゲンゴロウのみでした(汗)
ヤゴがかなり多くて、種類も豊富に感じました(オニヤンマ以外さっぱり分かりません)




左上から、
オオアメンボ
Gerris (Aquarius) elongatus (Uhler, 1896)

アメンボ
Gerris (Aquarius) paludum paludum (Fabricius, 1794)

コセアカアメンボ
Gerris gracilicornis (Horvath, 1879)

シマアメンボ
Metrocoris histrio (B. White, 1883)

せっかく水生昆虫用網を取り出したので、この際アメンボも採っておくことに。
アメンボとかめっちゃ久しぶりに捕まえましたが、独特の甘い香りが懐かしいです。
幼少期によく捕まえていた虫はにおいで記憶していることが多い気がする(笑)



水面をものすごい勢いで走り回る謎の物体が視界に入りました。
なんとなく、こんな泳ぎ方をする虫の記憶があったので頑張って狙ってみることに…



ミズスマシ
Gyrinus japonicus Sharp, 1873

予想通りミズスマシでした。この仲間を見るのは初めてでした。
この虫は泳ぎ方を知ってないと気づけないんじゃないかと思うほど(汗)

泳ぎが速いだけでなく動きも俊敏で、ケースにしまうとものすごい勢いで跳ねまくってました…




水生昆虫で何となくごまかしたけどウバタマチャレンジは惨敗という採集だった…

いろんな木を眺めたり、枯れ木の根元を探ってみたりしましたが…惨敗。
脱出孔らしきものはたくさん見つかるのですが…ダメみたいです(泣)






10月20日

この日もいつもの街灯ポイントへ。
後期に入ってからは街灯ポイントの強さを思い知って、結構な頻度で通っていますが…前期ももっと来ればよかったなあと後悔するばかりです(汗)




ジョナスキシタバ
Catocala jonasii Butler, 1877

この日は新たなCatocala、ジョナスキシタバを初採集。




この日は新月だったこともあり、3頭のクスサンを始め普段より多くの蛾が飛来していましたが…採集はジョナスキシタバ一頭のみとなりました。





10月24日

台風21号が過ぎ…長野にはそんなに被害は出なかったものの川は増水していました。
台風が過ぎて一日経ったという事で…




近くの川は水が少し引いていました。
という事で、洪水採集やりに来ました(笑)
午前休利用の採集のため、使える時間はおよそ3時間ほどと限られてはいますが…何か面白いゴミムシが採れればと思い良さそうな川岸を探します。




川岸に溜まった枯れ草や植物片。
こういった所の下が良さそうに思えたので枯れ草を掻き分けて探してみます。




早速ミズギワゴミムシの仲間が出て来ました。
このゴミムシは一番多く見かけたような気がします。
(ニッコウミズギワだと思うのですが近似種がいるようなので保留)




ヒラタキイロチビゴミムシ
Trechus (Epaphius) ephippiatus Bates, 1873

自分でもすっかり忘れていました…
今年はまだ出会えていなかったヒラタキイロチビゴミムシにも案外あっさり出会うことができました。
こちらのヒラタキイロは埼玉のと比べて黒色部分が大きいような気がします。(むしろ埼玉の個体の黒色部分が少なかった感じか…)




しっかり追加も採れました。
洪水後の採集、この虫にとってはこれが実際正攻法なのかもしれません…




チビミズギワゴミムシ
Polyderis microscopicus (Bates, 1873)

今まで見たどのゴミムシよりも圧倒的に小さいゴミムシがいることに気づき…手づかみで採る(汗)
横から写真撮ったらそれっぽい毛が生えていたのでてっきりチビゴミムシの仲間、ホソチビゴミムシ辺りかなあと思っていたのですが…実際はミズギワゴミムシだったようです。日本最小クラスのゴミムシなんだとか…(この個体はやや大型で2mmほど)




アトオビコミズギワゴミムシ
Macrotachys recurvicollis (Andrewes, 1925)

初採集のミズギワゴミムシも。
埼玉の河川敷でもよく見かけた、ヨツモンコミズギワやウスモンコミズギワ辺りも居たのですが今回はスルー。
他にはナガマメゴモクムシやマルヒメゴモクムシが初採集となりました。
小型のゴモクムシ類は多かったです。




キンナガゴミムシ
Pterostichus planicollis (Motschulsky, 1860)

キンナガゴミムシ(右後脚奇形)は一頭のみ。
このくらいのサイズの比較的大きなゴミムシはむしろ少なくて、コガシラナガ、ヒメゴミムシ、ゴミムシ辺りが数頭…アオゴミムシの仲間に至ってはこの日一頭も見かけませんでした(汗)
もう越冬入ってるのかも。


もちろんゴミムシ以外にも見られる虫はいて、


セミゾハネカクシの一種?
Myrmecocephalus sp?

アリノスハネカクシとかその辺りに近い種類のようで、姿や歩き方はアリにそっくりです(汗)
かなりたくさん見かけました。
こういうタイプのハネカクシでも全部が全部好蟻性って訳ではないみたいです。
この種以外にもハネカクシはかなり数も種類も多く感じました。




他にはシジミガムシの仲間やセマルガムシ、アカホシテントウやチビシデムシなど…普通に枯れ草を起こしただけでは採れなさそうな、洪水後だからこそ出会えたかもしれない虫もいくつか採集しました。

そんな感じで時間切れ。
チビミズギワゴミムシがホソチビゴミムシだったらまだ納得いってたかもしれないが…納得いかないなこれ!(汗)

すみませんもう一回やらせてください…とか思っていたら本当に新たな台風が来てしまい(汗)
当然、今回の台風の後も洪水採集をやる予定です(笑)





10月26日

この日は午後休を利用して採集へ。
ヤスマツケシタマムシの寄主植物はカンスゲ。
谷へ行った時、そのカンスゲが全然無くてがっかりだったのですが…過去の自分の採集記から別の場所にあること可能性が浮上。確かめに行くことに。




思った通りその場所には沢の近くにカンスゲらしき植物の姿がありました。




なんか違うけど(汗)

これはカンスゲではなさそう。コカゲスゲとかそっちの方だろうか…?




一応、より水辺に近い辺りでカンスゲっぽい植物を見つけることができたのですが…痕跡はゼロでした(汗)
どこかにヤスマツケシタマムシが採れる場所がありそうな気はしているのですが、場所はやっぱり限られているのかも(汗)





この日は赤松の切り株や伐採木、樹皮の下等をチェックしたのですが… やっぱりウバタマムシの姿を見ることはできなかった(泣)

もう来年がんばりましょう…




ケヤキがたくさん生えているので樹皮めくりもやってみたのですが…チビタマムシは皆無。
メダカチビカワゴミムシ、ヨツボシミズギワゴミムシ辺りは出て来ましたが…
雨の後で地面が濡れていたので篩とかやる気にもならず…




センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857

もう11月も目前だというのに…元気に林床を飛び回っていたセンチコガネはピカピカでした。

結局カンスゲもアカマツもケヤキもダメ…落胆して来た道を戻っていきます。




そういえばこの辺りのクズではクズノチビタマが発生していたような…と思い出しました。

まだこっちでは言ってなかったのですが、この冬の目標として一つ決めた事があります。

樹皮めくり以外で越冬中のチビタマムシを安定して採れる方法を確立する事。

スウィーピングよりよっぽど効率は悪いですが…冬でもしっかりタマムシが採れるようになりたいのです。
樹皮下で見かけない種でも、チビタマムシはみんな成虫で越冬するのできっと何処かにいるはず。
クズノチビタマムシは夏場はド普通種ですが、越冬成虫を探すとなると難易度が全く変わってくるのです…(汗)

全く採り方に検討がつかない今はとにかくいろんな方法を試してみる他なく…今回は地面に積もったクズの枯れ葉をめくって探してみることに。




左: クビアカツヤゴモクムシ
Trichotichnus longitarsis Morawitz, 1863

右: オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)

クズノチビタマムシは採れないけどこんな虫が採れました…
クズノチビタマに苦戦、というか敗退してなんとも微妙な気分でした(笑)




帰りに近くの池に寄ってみたのですが、台風の後なのもあるんでしょうが水は濁ってて…魚は泳いでるけどアメンボすらほとんどいない状況で、雰囲気的にも全く希望が持てなくて掬う気にもなりませんでした(笑)



20171029015242968.jpeg
そんな感じで本当に微妙極まりない採集が続いたのが10月でした。
本当に無駄に1ヶ月を消費してしまった(汗)

これからはオサ堀とか冬季採集のシーズンに入っていきますし、気を引き締めてオサゴミ採集を………


タマムシ採集もやろうな。




【結果】 ※色付きは自己初採集

10月7日

キシタバ
Catocala patala Felder et Rogenhofer, 1874
1ex.

クワコ
Bombyx mandarina (Moore, 1872)
1ex.






10月8日

マメチビタマムシ
Trachys reitteri Obenberger, 1930
1ex.

クロナガオサムシ
Carabus (Leptocarabus) procerulus procerulus Chaudoir, 1862
1ex.

ヒメゲンゴロウ
Rhantus pulverosus (Stephens, 1828)
1ex.

ミズスマシ
Gyrinus japonicus Sharp, 1873
1ex.

ホソアナアキゾウムシ
Dyscerus elongatus (Roelofs, 1873)
1ex.

クロハバビロオオキノコ
Neotriplax atrata Lewis, 1887
1ex.


ヒメツノゴミムシダマシ
Cryphaeus duellicus (Lewis, 1894)
1ex.

キオビナガカッコウムシ
Opilo carinatus Lewis, 1892
1ex.

未同定セスジハネカクシ
1ex.


コオイムシ
Diplonychus japonicus Vuillefroy, 1864
1ex.

マツモムシ
Notonecta triguttata Motschulsky, 1861
1ex.

シマアメンボ
Metrocoris histrio (B. White, 1883)
1ex.

コセアカアメンボ
Gerris gracilicornis (Horvath, 1879)
1ex.

オオアメンボ
Gerris (Aquarius) elongatus (Uhler, 1896)
1ex.


アメンボ
Gerris (Aquarius) paludum paludum (Fabricius, 1794)
1ex.

スジボソヤマキチョウ
Gonepteryx aspasia niphonica Bollow, 1930
1ex.

シマカラスヨトウ
Amphipyra pyramidea yama Swinhoe, 1918
1ex.






10月20日

ジョナスキシタバ
Catocala jonasii Butler, 1877
1ex.






10月24日

チビヒョウタンゴミムシ
Dyschirius ordinatus Bates, 1873
1ex.


ヒラタキイロチビゴミムシ
Trechus (Epaphius) ephippiatus Bates, 1873
4exs.

チビミズギワゴミムシ
Polyderis microscopicus (Bates, 1873)
1ex.

アトオビコミズギワゴミムシ
Macrotachys recurvicollis (Andrewes, 1925)
3exs.


未同定ミズギワゴミムシ
3exs.

キンナガゴミムシ
Pterostichus planicollis (Motschulsky, 1860)
1ex.

コガシラナガゴミムシ
Pterostichus microcephalus (Motschulsky, 1860)
4exs.

ヒメゴミムシ
Anisodactylus tricuspidatus Morawitz, 1863
2exs.

マルヒメゴモクムシ
Bradycellus fimbriatus Bates, 1873
2exs.


ムネアカマメゴモクムシ
Stenolophus propinquus Morawitz, 1862
1ex.

ツヤマメゴモクムシ
Stenolophus iridicolor Redtenbacher, 1868
3exs.

ナガマメゴモクムシ
Stenolophus agonoides Bates, 1883
1ex.


ミドリマメゴモクムシ
Stenolophus difficilis (Hope, 1845)
1ex.

アカホシテントウ
Chilocorus rubidus Hope, 1831
1ex.

セマルガムシ
Coelostoma stultum (Walker, 1858)
1ex.

未同定シジミガムシ
1ex.


ヨツボシホソアリモドキ
Pseudoleptaleus valgipes (Marseul, 1876)
1ex.

ヨモギハムシ
Chrysolina aurichalcea (Mannerheim, 1825)
3exs.

ヤナギルリハムシ
Plagiodera versicolora (Laicharting, 1781)
1ex.

エゾアリガタハネカクシ
Paederus parallelus Weise, 1877
1ex.

未同定セミゾハネカクシ
1ex.

未同定ハネカクシ
1ex.

未同定チビシデムシ
1ex.






10月26日

ヨツボシミズギワゴミムシ
Bembidion morawitzi Csiki, 1928
1ex.

ヒメツヤヒラタゴミムシ
Synuchus dulcigradus (Bates, 1873)
1ex.

クビアカツヤゴモクムシ
Trichotichnus longitarsis Morawitz, 1863
1ex.

センチコガネ
Geotrupes laevistriatus Motschulsky, 1857
1ex.

オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)
1ex.
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