ランクⅠの壁。


2017.11.19



_____って、そんなわけねえだろ!!!!

妙に早い時間に鳴ったアラームに対して、なんだかよく分からないノリツッコミをして目を覚ますと…出発10分前だった(汗)
朝飯は軽く済ませて急いで出ると、かなりぶっ飛ばしたせいか予想よりはるかに早く駅についていた…(笑)



ひたすら電車に揺られ…目的地の駅へ到着。
しばらく歩いて…入り口まで来た。


ここは…8月にアオタマムシの採集でお世話になった山です。
この冬の間の目標、2つ目は有名産地に頼らずにトゲフタオタマムシ(♂であればなお良し)を採ることです。

トゲフタオタマムシといえば、私も2013年冬に多産地と言われる丹沢でボーズをくらい(笑)、翌年の2014年の冬に同じく丹沢の有名産地でどうにか1頭だけ採集することが出来ました。
あれから3年経ち…次は自分でポイント探すところからやってみたい!とずっと思っていました。

長野県では少ないというモミ群落…
という、アオタマムシとほぼ同じくだりを経て、再び岐阜県までやってきました。

大図鑑によればトゲフタオタマムシの寄主植物はモミ、ヒノキ、ツガとの事ですが…ヒノキしかない場所で採れるイメージは無いので、やっぱりモミがある場所を目指すことに。
最初はアオタマムシの時にポイント候補として挙がっていた2つのうち前回行かなかった方に行ってみよう!と思ったのですが…

朝一で出ても最寄駅への到着が昼過ぎとかで(汗)

電車が少ないとかじゃなく…距離的に遠かった。
県内とはいえ…長野は広いから(汗)

そこからバスとか使って山に入る事を考えるとあまりにも無理があるので…諦めました。
来年キャンパス移動の関係でやや行きやすくなるのでそちらのポイントは来年行こうかなと…(汗)




というわけで今回は再び岐阜県のポイントにお世話になることにしたのでした。
頑張って歩いて移動して、長野ラベルを狙おうかと思いましたが…そこにこだわっても仕方がないのでまずは岐阜県側で採れるかどうか調べようということで…
尾根になっている部分…おそらく前回登った所とは違う部分ですが麓からでも立ち枯れが複数確認できます。
おそらくこれもほとんどモミの立ち枯れです…こちらは日当たりめっちゃ良さそうだし

きっとアオタマの御神木はあの一本だけではない…(汗)




沢沿いにはカンスゲも多く見られました。
岐阜県ではヤスマツケシタマムシの記録があるのでチェックしましたが…食痕らしきものは特に見つからなかった。
(葉に白い筋として残るらしいけど…)




今回は前回とは異なる尾根に登っていたようです。
やっぱり前回どこを登って行ったのかよく分からなくなっていて…気づいたのは帰り道でした(笑)
はっきりとした道がないので分かりにくいのです…

前回とは違う尾根とは言っても、こちらにもモミは非常に多く…むしろ前回より多いのでは?というくらいです(汗)




今日はあんまり天気良くなかったので分からないのですが…そこそこ日当たりが良さそうなモミの立ち枯れもこちらの方が多かったです(汗)

イヌブナの方も、山への入り口からすでに生えていました(汗)
ただ…立ち枯れの脱出孔がちょっと微妙で…前回みたいに明らかにこれだ!ってものはあまりありませんでした。
(これだろうなっていうのは何個かあったけどどの木も前回の御神木ほど多くはなかった)




前回は確認できなかったのですが、オオトラカミキリっぽい独特の食痕も3つありました。
ものすごい数のモミを見てたった3つなので…ここは相当厳しいんじゃないかと(汗)



20171121002932878.jpeg
スギとヒノキ。
大きなモミの木に混じって、大きなヒノキも多くあります。(スギは少数派)
めくる前からワクワクしてしまう位素晴らしく樹皮がめくれた大木がいくつも立っているんです…

モミが混ざるヒノキ林、というよりはモミが主体でヒノキ、イヌブナ、ホオノキ等の樹種が混ざる環境でした。

トゲフタオタマムシの採集方法はとにかく樹皮をめくることです。

この採集に関してコツとか存在するのだろうか…?
場所選びとめくった樹皮の数がモノを言う世界のような気がします…


採れるまでひたすらめくっていくだけです。


非常に地味な上に精神的にキツイ採集になります…(汗)




大きなモミであれば樹皮下もぱっと見良さげに見えるのですが…硬くてめくること自体が楽ではないのであまり虫も入らなさそうです(汗)

そんなわけでヒノキやスギの剥がれかかった樹皮をひたすらめくることになります…




エサキモンキツノカメムシ
Sastragala esakii Hasegawa, 1959

今回の採集では最も見かけた虫。
トゲフタオタマムシ同様にヒノキの樹皮下で越冬する虫で、この虫が出てくれば少なくともめくった樹皮は間違ってない…と思う(汗)

他にもツノカメムシ類が2種ほど出ましたが…序盤だったのでスルーしてしまいました。やっぱ採っとけばよかった。





ヤニサシガメ
Velinus nodipes (Uhler, 1860)

今の時期は幼虫です…
多くの地域で、この樹皮めくり採集において最も多く出てくる虫がこれ…
今回はそんなに多くは見かけなかった気がする。




(この中にカメムシが3種写っています…)
アカスジキンカメムシの幼虫は何回か出てきました。
あとはイシノミや小さなハエもそこそこ…


出てくるのはカメムシが大半で…甲虫はごく僅かです。




ハネビロアトキリゴミムシ
Lebia duplex Bates, 1883

めくって出てきた時は一瞬何のゴミムシか分からなかったのですが…つまんだら独特のアトキリ臭がしたので分かりました(汗)
初採集でした。

ゴミムシはこの種が2頭のみで…他は何も出ませんでした。
前回の丹沢トゲフタオ採集の時はキノカワゴミムシとかそこそこ出てくれたのですが、今回は標高も低いためかそういう副産物にも恵まれず…


昆虫以外ではムカデの出現頻度が非常に高い。というかめくって出てくる生き物の中ではムカデがダントツで多いです(汗)
めくった拍子に手首に落下とかされるとやっぱり少しびっくりしてしまう…(汗)

他はクモやカニムシ………



こんな感じで出てくるメンバーがほとんど変わらないのでやってるうちに少しづつ辛くなってきます(汗)
トゲフタオ早く出てきて…と願いながらひたすら樹皮をめくって先へ進んでいきます。




樹皮をめくってると時々、怪しげな脱出孔が見つかることも。
これよりさらに小さいタマムシらしい半円形の脱出孔が空いてることもあって、こちらはマスダクロホシタマムシ(未採集種)だと思うのですが…写真のはそれより明らかに大きいです。
一応ヒノキだし…トゲフタオでもおかしくは無いかもしれないですが…樹皮下とか食ってんのか??



そんな感じで樹皮をめくること…5時間。






無理っぽいなこれ。


時刻は14時を回った頃…心が折れかけていた(笑)
環境は悪く無いと思うし…ヒノキの樹皮も散々めくった。過去二回のトゲフタオ採集とは比べものにならないくらいめくった。
めくれる樹皮がとても多かったから…

それでも出ないということは、やっぱり……




ここはダメだってことなのかな…
(正確には岐阜県だけど…)

私も結構最近知ってびっくりしたのですが、 長野県RDBでトゲフタオタマムシは絶滅危惧Ⅰ類でした。

…つまり、


長野県のトゲフタオは、アオタマよりもオオヒラタコクヌストよりも少ない種という事になる(汗)


だからと言ってそれなら仕方ないかと思う訳にもいかず…
同じⅠ類の千葉でもトゲフタオ結構採れてるっぽいし……




しばらく足掻いてみたのですが…ここまでの採集品はハネビロアトキリゴミムシが2頭のみという絶望的な状況だったので、狙いをトゲフタオからオサムシやチビゴミムシにシフト…諦めて逃げる事を考えた。
悔しいけど、こうするしかない……





近くの沢に行ってみたけど… 何かがおかしい。
石っていうより岩が転がっている(汗)
ひっくり返せないし、地面を掘っても砂しか出てこない…


次は隣の沢に行ってみた。




岩盤…であった。

沢に近づくと気がつけば足元がほとんど岩盤になり、アリジゴクに落ちた蟻のように滑り落ちて沢のど真ん中に辿り着いた(汗)
石も特になく、近くを掘ってもやはり…



よくわからない砂が出るだけだった…


沢沿いに限らず、山の中のちょっとした崖を崩しても砂が出るばかりで…オサ堀りも絶望的な気がした。
ボロボロの材を崩したりしたけどこんな時に限って何も出てくれなかった…



しばらく沢沿いをさまよって。





頭が空っぽの状態で、気がつけばちょっとだけ礫が多めで隙間が多く粘土も混じるけど…やっぱり砂が多い場所を掘り続けていた。
ガロアムシとか絶対出てこなさそう。

サワガニが出た(笑)





………これ…ひょっとして。

今の状況だと、 オサムシとかチビゴミよりトゲフタオタマムシの方が採れる可能性あるんじゃないのか…?



気を取り直して再び林に入り、ヒノキの樹皮をめくり始める。
天気は悪く、時々雨やあられが降っていた。

林の中は当然暗くなるのは早く、樹皮をめくっても暗くて普通は見えないけど…ヘッドライトが役に立ちました。
元々、チビゴミ採集で使うだろうと思って買ったのですが…これが凄い便利な事に気付いてしまった。
日が短い冬場の採集だと ギリギリの時間まで粘るための必須アイテムとなります(笑)
今後、色々な採集で使っていく事になりそうです。




辺りはだいぶ暗くなってきたけどまだ頑張れる。
念のためすぐに帰宅ルートに出られる場所で最後の悪あがきをすることに。


結局、何も得られないまま時間だけが過ぎていった。





「これラストにするか…」


そんな、本日最後の一本に選んだ木では………






ベニヒラタムシ
Cucujus coccinatus Lewis, 1881

今日唯一のベニヒラタムシが採れました。
これも樹皮めくり採集では普通な部類のはずですが…

エゾの方は過去に採集していましたがこちらは初採集でした。

まあ…何もないよりはよっぽどいいわ。


辺りが本格的に暗くなって身の危険を感じ始めたので、急いで撤収。
街灯も少なく暗い田舎の道を歩いて駅へ…

駅に着いた頃には真っ暗になっていました。





左: チャエダシャク
Megabiston plumosaria (Leech, 1891)

右: エグリヅマエダシャク
Odontopera arida arida (Butler, 1878)

電車までの待ち時間で、駅周辺の蛾を拾いました。
晩秋っていうか冬のエダシャクなんだろうか…こういうのは結構好きかもしれない。
(他、カバエダシャクも採れました)


その後は電車に乗って…今回の採集は完全に終了となりました。





完敗でした。
アオタマの時はあんなにいい思いをさせてくれた山でも、季節が変われば厳しい環境に変わる。

持ち帰った虫の少なさが、このトゲフタオ採集の辛さを思い出させてくれました…
Ⅰ類というからには産地も個体数も多くはないのだろうけど…それを言い訳にして終わりにはできない。

長野県内の別のポイントに訪れるのは来年になりそうだけど…必ずリベンジする。


その前に。

トゲフタオタマムシは埼玉県にもいる。


もう一度言います。
この冬の目標は…有名産地に頼らずにトゲフタオタマムシ(♂であればなお良し)を採ることです。



ということで、以上。
2017年“第一回”トゲフタオチャレンジでした!!!



【結果】 ※色付きは自己初採集

ハネビロアトキリゴミムシ
Lebia duplex Bates, 1883
1ex.

ベニヒラタムシ
Cucujus coccinatus Lewis, 1881
1ex.

カバエダシャク
Colotois pennaria ussuriensis Bang-Haas, 1927
1ex.

チャエダシャク
Megabiston plumosaria (Leech, 1891)
1ex.

エグリヅマエダシャク
Odontopera arida arida (Butler, 1878)
1ex.
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