オサ掘りって何だっけ


2017.11.16


オサムシが採れる崖ってこんな感じじゃなかったっけ。

ついこの間、午後休を利用して少しだけ伐採地の方にオサ掘りに行ってきたのですが…見た目良さそうな崖をいくら掘っても全くオサムシが出てこない(汗)

考えてみたら… 今まで真面目にオサ掘りやった事なんてあったっけ?(笑)




オサムシ狙って崖掘って…というよりかは“適当に掘ってみたら出てきた”的な採集の方が多かった気がする。
要するに…オサ掘りのコツというか基本を未だに掴めていない(汗)

オサムシを初めて掘り出してからもう3年も経つのに…これはマズイな(汗)



来週はちゃんとオサ掘りをやろう、と決めていたが……


2017.11.23


「雰囲気だけはすごいのに何もいねえ……」

「ここは一体どこ浅層なんだ…」


先日のルリクワ採集(11.12)のチビゴミモドキ(チャイロホソモリヒラタ)の一件で非常に中途半端な思いをしてしまい…未練が残ってしまったのでこの日は谷に行きました。
かなり頑張ったのですがガロアムシすら出ず…チビゴミに関しては時期を改めることに。
春先にやる気が戻っていればやります(正直絶対やると思う)

地下浅層だがなんだか分からない所を掘り続けるような採集はもうしばらく勘弁してほしい…



さあ… オサ掘りをやろう。



オサ掘りに関してはネット上に採集記が無数に存在するので片っ端から読みこんでいきます…
チビゴミムシの採集記は非常に少ない上にヒント的なものもほとんど無い… 誰か書いてください(汗)

で、オサ掘りの採集記を読んでとりあえず分かったこと…


粘土質


具体的に言及してる所は少ないですが、多分これが基本なのだろうと思いました…
(その他の要素に関しては何とも言えない感じ…)

とりあえず粘土質という単語を頭に叩き込んでおきました。





2017.11.26

セットしたアラームで起きたのは6:30位でした。
市民薄明とともに…みたいな採集でもいいのですが 寒くてやってられないので無理せずにゆっくり起きて…準備して出発します。

つい先日地元の博物館に行って色々と文献を読み漁ったりしたのですが、その過程でオサ掘りならココ!と書かれていた場所がたまたまよく行く伐採地の近くの山だったので今回はその山に向かう事にしました。

とりあえず今日の目標は

シナノアオオサムシ
マルバネオサムシ
クロナガオサムシ


の3種です。
採るのが難しくなさそうなオサムシ3種をしっかり狙って採れればOKって事で…

今回訪れた山は上の3種はもちろん、他にはクロカタビロ(おそらくエゾカタビロもいる)や、セアカ、アキタクロナガなど未採集のオサムシも確認されているようなので余裕があればそちらも狙っていく。

セアカオサとか普通に近場で採れてた事にもびっくりしましたが、それ以上に近場で色々と未採集なタマムシの記録があったみたいで…もっと早くこの情報を得るべきだったと本当に後悔しました(汗)



山の方に着いたのが8時頃。
遊歩道に入って行くのですが…



(これは全然関係ない所の物ですが…ココは崖になっています)
こんな感じで、地形図で見た時に等高線に対して平行に歩道が走ってる場所であれば崖も見つかりやすいのではないかと…ふと思った。

伐採地の方で崖を見つけた場所も同じような感じだったので、崖を探したい時にもしかするとちょっと使える技の一つなのかも…?
(コンクリの壁だったり緩やかな斜面だったりする事も多いとは思いますが…)


で、今日はそんな風に斜面と平行に道が走ってるような場所が多い遊歩道を選びました。






崖ってほどではないけど…道の横は斜面になっていて所々土が露出しています。



とりあえず適当に掘ってみる。



サァァァァーーー………



音からしてダメな感じするよな…乾燥気味で砂っぽい。
この間のオサ掘りダメだった時もこんな感じで、崖の大半が乾燥してました。




割と粘土質な部分もありました。
それでもやっぱりオサ掘りには向かない感じのようで…何も出てこな




オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)

「オサ掘り、ってそうじゃないだろ…」

「“オサ”違いだろ…」


実際オサムシより掘り出すの難しそうなこの虫が…本日最初の虫となりました(笑)

とりあえず色々な環境にあたってみよう、という事で少しずつ斜面を掘ったり根元から倒れた木の根に絡まった土をかき分けたり…






マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)

なんか急に出てきた(汗)




本日最初のオサムシとなる…マルバネオサムシが出たのは倒木の根元に絡んだ土でした。
たしかに粘土質だし湿り具合もいい感じでした。
(この後さらに一頭追加した)

長野でのマルバネオサムシに関しては過去にベイトトラップでそれなりの数を採集しました。
今年も夏場に一頭拾ってました。

既採集とはいえ…この時期に綺麗なオサムシが見られるのは嬉しいですね。





道を挟んで広葉樹林とカラマツ林に分かれてます。
カラマツ林では倒木や浮遊材も多く…割ると大抵クロナガオサムシが出てきます。






クロナガオサムシ
Carabus (Leptocarabus) procerulus procerulus Chaudoir, 1862

クロナガオサムシに関しては崖とか別に関係なくマイマイカブリ感覚で材から採れるのでわりと楽…
前回の伐採地オサ掘りでも辛うじて一頭採れていました。山でのオサムシ採集の経験が浅いせいで採集数自体はごく僅かな種なのでしっかり採っておきます…
(結局、あまりにもたくさん出てくるので途中から全部スルーした)

アキタクロナガも同様に材で採れるオサムシだと思いますが、やっぱり個体数が少ないのかこの日は全く出てきませんでした…



他にもオサムシがいそうな場所を探っていきます。




ぱっと見良さそうだけど全然割れない材とか





大きな木が倒れる事でできた小規模な崖とか、倒木の根に絡んだ土とか



なんとなく良さげに見えたのですが、崩して見たら砂っぽくてやはりダメみたいでした。






アカアシクワガタ
Nipponodorcus rubrofemoratus (Snellen van Vollenhoven, 1865)

適当に材を割るとやたら太い食痕が走ってたので追いかけてみると案の定コクワ…アカアシクワガタでした。
前に死骸は見かけていたので付近にも生息してるのは分かっていたのですが…まさか材割りで出てくるとは(汗)


林に入ってみてもやっぱり崖っぽいものは無いし、あっても乾燥気味。
オサムシが入るような粘土質の崖ってどういう場所にできるものなんだろうか…
林床の植物が鹿の食害で無くなって…崖も乾燥しちゃって、余計にいい場所が少なくなってるのかもしれない(汗)




若干先行き不安になってきた所で現れたのは…小さな流れでした。
僅かに水が流れていて、両側の斜面は粘土質の土が露出している。

崖そのものがほとんど無い河川敷でアオオサが出る環境はまさしくこんな感じでした(笑)
ここは土も乾燥してないし、さすがに出てくるよな…?






マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)

一頭目が出てきたのは…2分後でした。
その後も数頭掘り出せました。
モリヒラタゴミムシもやたら出てくるけど大抵ヤセとかハコネとかキンモリとかなのでスルーします(汗)





僅かだけど感覚を掴めた、かもしれない。
別に崖ってイメージに囚われる必要は無いんだろうな…

水辺の斜面全部がいい感じって訳でもなかったのである程度やったら切り上げました。



道に復帰して歩いていきます。
ちょうどこの辺りが等高線と道が平行になる地点で、道の脇も他の場所より崖っぽくなってました。



地面の露出も少なめ…だけど土の感じは悪くなくて、マルバネオサムシが一頭出ました。
他はモリヒラタ、ヒメツヤゴモク、マメゴモク辺りのゴミムシが色々と出てきました。




ヨリトモナガゴミムシ
Pterostichus yoritomus Bates, 1873

ちょっと久々に見る気がする…ヨリトモナガゴミムシも出ました。
過去に材で一回出したけど崖でも越冬するのか(汗)
超普通種ですが…やたら大きくて綺麗な個体で嬉しかった。



その後も歩いて行くと、またしても小さな流れ…というか地面から水が染み出している湿地的な場所に辿り着きました。



水の流れ(の跡)にそってやはり小さな崖が出来ていて…

陽が当たる
土が露出
粘土質


という、必要(?)な感じがする条件を一通り満たしていて良さげな気がしました。



崖の表面の土を軽く撫でるように落とすこと…3回。





マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)

「ここは間違いなく当たりだ…」






その後も怒涛のマルバネラッシュが続き…僅か数分でマルバネオサムシがスルー対象に入った(汗)
後々展足で苦しめられるのは分かってるので自制しないと大変なのです…
(結局思いの外採ってしまったけど…)

数センチ隣で…とかそんな事は当たり前で、その場から一歩も動かずに50頭以上は出していた気がする(汗)
崖を真面目に掘るって感じではなく、表面を数センチ崩す感じで十分でした。
元々崖の表面の土がもろくなっていて、ほどほどの湿り気のある粘土質の土はポロポロと音を立てて崩れていきます。




掘った土(左側が水際で右側が崖の上部から中央にかけて)

同じ粘土質の崖でも水分が多くなると粘土の塊が大きくなって、こっちではゴミムシが若干多く出る気がしました(モリヒラタ、マメゴモク等)





ひたすらマルバネオサムシを掘り出し続けていますが、特に色彩変異個体とかは出ませんでした。
オサ掘りの感覚も掴めた(気がする)ので後はシナノアオオサムシを掘り当てれば今日の目標は達成です。

事前に調べてて何となく感じるのは、アオオサムシの仲間は他のオサムシと好む崖が少し違うみたい…?
若干不安でしたが、これだけマルバネオサムシが出る崖ならきっと採れるだろうと信じて掘り続けます。



何頭目か分からないマルバネオサムシが出て、そのままスルーしようとしたら同時にそれより大きなオサムシが転がり落ちてきました。




シナノアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola shinano Ishikawa et Ujiie, 2000

「めっちゃ綺麗じゃん…」

関東で見られるカントウアオオサムシと比べて緑色が強くかなり綺麗に感じます。

シナノアオオサも過去に長野でベイトトラップやった時にたくさん採れて、今年も夏場に一頭拾ってます(汗)
それでも綺麗な個体は少なかったので嬉しいです。
シナノアオオサも地域によっては赤い個体とか出るみたいなのですがこの辺りはどうだろう…




一頭目が出た場所からほんの5センチほど離れた場所で2頭目が出ました(汗)
こちらも綺麗な個体で、運良くこれで雌雄が揃いました。





20171127231152f5a.jpeg
シナノアオオサが出た場所は、これといって何か違うって感じでも無かった…
この後追加も得られず…あんまりコツが掴めませんでした。






数メートル離れた場所の苔も多く生えている崖を崩してみましたが、こちらはマルバネオサムシすら全く出てこない…
同じように粘土質でポロポロ崩れる崖なのですが、写真よく見比べたら若干土質が違うのが分かりました(これ関係あるのか…?)

しかし何も出ないわけでもなく。
オサムシの代わりに出たのは…




最近だいぶ見慣れてきたあの虫でした………(笑)




ガロアムシ
Galloisiana nipponensis (Caudell et King, 1924)

「いくらなんでもこれは…」


この山には石起こししたり、地下浅層を探したり出来そうな沢なんてものは無い…
地面から数センチ崩しただけの所。

たしかに粘土が固まって球状になってるから地中にも隙間は多い感じはしてたけど…ガロアムシがこんな所でも生活できるとは思わなかった(汗)

奇跡的に直撃は避けたものの…脚を二本失ってしまいました。
今回のも成虫でいいんだよな…?

チビゴミムシはトラップで狙うなら沢沿いでなくてもどこでも採れる…なんて話があったのを思い出したけどやりません(笑)


しばらくチビゴミの事を忘れようと思ってたのに…(汗)



ガロアムシほどでは無いですが掘り出してびっくりしたものがもう一つ。




セミタケ…だよな(汗)
実は前回の伐採地オサ掘りでもセミタケらしきものを掘り出していたのですが…




なんか別種っぽい…
冬虫夏草の種類とか分かる気がしないんだが……(汗)

文化祭で先輩に見せてもらって以来、私自身も冬虫夏草を見つけることが増えましたが…単純に今まで見落としてただけなのかもしれません(汗)





シナノアオオサの追加を狙うのもいいかなと思いましたが、他の種類も狙おう…ということで、再び歩き始めます。
途中オサ掘り出来そうな崖も探しましたが良さげな場所は無く…
山頂付近は草地も多くてセアカオサならここだろうと思うのですが、石起こしして出るのはスナゴミダマとスジコガシラゴミムシダマシばかりでした…

自転車を駐めた場所まで戻ってきましたが、まだまだ時間があるのでこれから河川敷に向かうことにしました。
自転車にまたがって山道を下っていけばあっという間に河川敷に行くことができます(笑)




前回マイマイカブリを採集した場所より少し奥。
こちらは柳の大きな木が多いです。

この辺りで過去にアカガネオサムシが記録されていた事を知りました…
もう20年も前の記録なのでさすがに厳しいとは思いますが、湿地のゴミムシ探しや綺麗なマイマイカブリの採集もしたかったのでそれも兼ねて探してみることにしました。




もう随分昔のことに思えてしまいますが…前に栃木でアカガネオサムシを出した材を思い出しながらひたすら材を割っていきます。
相変わらずマルガタナガゴミムシが多くてアオゴミムシが少ない感じがします(汗)




ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861

とりあえず、長野では初採集になるヨツボシゴミムシが採れました。
この他に特にゴミムシはいなかった…





ミヤママイマイカブリ
Damaster blaptoides cyanostola Lewis, 1881

前から怪しいな…と思っていたので丁寧に確認してみた所、 ミヤママイマイカブリと判明しました。
この辺りのはヒメマイマイカブリだと思ってましたが勘違いでした…(前記事のも修正しました)


ミヤママイマイカブリは雄の跗節の裏に絨毛があるみたいです(ヒメマイマイカブリでは完全に消失)


綺麗な個体もいるけど、色合いはどちらかと言えばヒメマイマイっぽい濃い青色です。



良さげな材があれば安定して出てきて…今回は前回採れなかったような綺麗な個体も採れました。
特に綺麗だった3頭を持ち帰りました。



その後は手元が暗くなるまでひたすら材割りを続けました…
(流石にヘッドライト使って粘る必要性は感じなかった)



特に成果はなくそのまま終了。
最近の私は採集終了とともに毒瓶に薬品を投入するようになりました。
(薬品が採集中に薄まって追加とかやるの面倒なので…)

毒瓶容器を開けてみると…





「すごく“オサ掘りした”って感じがする…」

当初の目標だったシナノアオ、マルバネ、クロナガの3種もちゃんと採れてついでに綺麗なマイマイカブリも採れました。
寒くて辛い時期にこんなに綺麗で立派な虫にたくさん会える採集はいいですね…

元々クワガタブリーダーだった人がマイマイカブリ採集からオサ掘りにハマり、ゴミムシに手を出して行く光景を何度か見てますがハマる気持ちが今更になって分かった気がする(笑)

次はなるべく近場でチュウブオオオサムシを探しにいけたらいいなと思ってます。
つい先週くらいに初雪が降ったらしいし、気温的にもそろそろ自身の活動限界を感じ始めていますが…間に合うだろうか(汗)



【結果】 ※色付きは自己初採集

ミヤママイマイカブリ
Damaster blaptoides cyanostola Lewis, 1881
3exs.

クロナガオサムシ
Carabus (Leptocarabus) procerulus procerulus Chaudoir, 1862
6exs.

シナノアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola shinano Ishikawa et Ujiie, 2000
2exs.

マルバネオサムシ
Carabus albrechti okumurai (Ishikawa, 1965)
15exs.

ヨリトモナガゴミムシ
Pterostichus yoritomus Bates, 1873
1ex.

キンナガゴミムシ
Pterostichus planicollis (Motschulsky, 1860)
1ex.

キンモリヒラタゴミムシ
Colpodes sylphis stichai Jedlicka, 1935
3exs.

アオゴミムシ
Chlaenius pallipes Gebler, 1823
1ex.

ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861
4exs.

アカアシクワガタ
Nipponodorcus rubrofemoratus (Snellen van Vollenhoven, 1865)
1ex.

ヨモギハムシ
Chrysolina aurichalcea (Mannerheim, 1825)
1ex.

オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)
1ex.

ホソスジデオキノコムシ
Ascaphium tibiale Lewis, 1893
1ex.

クチキムシ
Allecula melanaria Maklin, 1875
1ex.


ガロアムシ
Galloisiana nipponensis (Caudell et King, 1924)
1ex.
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