困った時は河川敷へ


埼玉でも長野でもやっぱりそこに行き着くんですね…



前回の記事を書いてから…少し間が空きましたがその話からしましょうか(汗)

2017.12.03


高山のオサムシを求めてまだ行ったことのない山へ…
片道11km、後半4km位はずっと上り坂で自転車押しながら歩く羽目になったので辿り着くだけでもしんどかった(汗)

ひたすら標高を上げ、1400m辺りまで来た所で周囲の材と崖が凍結していて掘れない事に気付いた(笑)

「もう、12月なんだった…」

標高を下げてオサ堀りを試みる。
崖はめっちゃあったけどどこも乾燥していて、オサムシは全く出ず。




この日は結局、根返りの土からクロナガとマルバネオサムシを出しただけになってしまいました。
来るまでの苦労を考えるとかなり精神的に辛い採集になりました…





2017.12.07


この日は午後からアキタクロナガとチビタマを求めてアカマツが多い近場の山へ。
樹皮めくりや篩採集を試みるも全くカスリもせず、材割もクロナガやヒサゴゴミダマが出るのみ。
崖を少し掘ってみたらシナノアオオサを一頭出せました。(マルバネも出た)

オサムシはやっぱりサラサラ崩れる崖には入らないか、入ってても少ないみたいです…





2017.12.09, 10


サークルで新潟と富山へ。
もはや虫そっちのけで石拾いに没頭しましたが…本命のヒスイは完全にボーズで微妙な未練が残ってしまった(汗)
「拾う」という形での鉱石採集も中々面白いという事を知ってしまった。コレは本当に今後ハマりそうです…


2017.12.14


チビタマムシを本気で狙いに行くため、過去にヒラタチビタマやクズノチビタマを複数確認できている伐採地のポイントまで午後からわざわざ行った…

落ち葉や丸まった枯葉、草の根元、倒木や石の下…篩にかけながら調べていくもののチビタマの姿はない。
結局石起こしや崖堀りでやたら出て来たアシミゾナガゴミムシだけを持って帰宅…



と、、まあこんな感じです。



もうそろそろ気が狂いそうです(笑)

タマムシ成分を補給できない日は続く…他の虫でごまかすこともできていない(汗)
正直チビタマムシの採集でこんなに苦しめられるとは思いませんでした。
もう手は尽くしてる気がするけど、本当にどこで越冬してんだか…

高標高地は凍結しててダメ、オサ堀りはよく分かんないしチビタマはさっぱり。
思うようにいかない事ばかり…


それでもやっぱり採集へ行くことに。
まだやり残した事はあるから…

朝早くアラームをかける事を少しためらった(笑)





2017.12.16

6時半になったアラームで目を覚ましたものの、採集に行くか行かないか…微妙な葛藤があり布団から出るのに随分と時間がかかった(笑)
たくさん時間をとっても後半で心が折れる気がしていたので、ゆっくり目に準備をして出発。
今日は幸運にも氷点下まで下がらなかった上に行きは強烈な追い風に吹かれていたので、随分と楽に目的地まで辿り着くことができました。



201712171841386d3.jpeg
本日の場所は… 河川敷です。
困った時は河川敷、みたいな感じになってる気がする(汗)

今回はいつも行く場所よりも更に遠くへ…まだ見ぬゴミムシを求めて川によって分断されている河川敷のいくつかの場所を巡ってみよう、という事で。

最初のポイントはヤナギの大きな木が目立ちますが、そんなに鬱蒼としてるわけではなく適度にひらけた場所がある感じです。
思いの外材が少なく、しかも目立つ材には割られた後がある(先輩も同じ所に来てたのかな?)


そんな中、根返りの土を適当に崩してみると…




シナノアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola shinano Ishikawa et Ujiie, 2000

本日最初の虫は…シナノアオオサになりました。
少しオレンジがかっていてこれも綺麗。
河川敷でも採れるオサムシだって事をすっかり忘れていました。

ここは粘土質でも何でもないよな…
似たような根返りは他の場所で何回か掘ってるはずだし…何が違うのか。



より川の近くへと歩いて行くと、足元に石が目立ち始めます。

(無意識にヒスイを探そうとしてしまった…)

この石はチャートかなあ…とか思いながら、綺麗な石を探しつつ石を起こしてみる。




タイコウチとウスバカマキリの卵

こうやってやり残してしまった事を見つけると悲しくなる…
どうして秋のうちにもっと河川敷採集をやらなかったのか(汗)
10月って何やってたっけ…と、過去の採集記を見返してほぼ何もやってなかった事に気付いた(笑)


大体3時間くらい探索を続けましたがマイマイカブリ、アオゴミムシすら全く採れない…かなり厳しい場所でした。
エノキに混じってエゾエノキも生えてましたが、ここのエゾエノキではトオヤマシラホシの脱出孔らしきものを見つけることが出来ませんでした。ちょっと意外。



移動前にヤナギの樹皮をめくっていくことにしました。
ヤナギチビタマなら個体数も少なくないし樹皮めくりで採れる、と思ったから…

トビイロマルハナノミが多数。ヤナギルリハムシがたまに出てくる程度で本日もチビタマの姿は拝めませんでした(笑)
ミドリマメゴモクムシとかも出ました。

そして、




ムナビロオオキスイ
Helota fulviventris Kolbe, 1886


樹液採集をやってないと意外と出会う機会が少ない虫で、タマムシと間違えられる虫の一つでもある(笑)
分からなくもないけどやっぱ違うでしょ、思っていたのですが…



あれ、これひょっとして…!?



こうやって、写真撮れば…







「トゲフタオじゃないですかああぁ………」

「これはタマムシだ」と自分に言い聞かせて、大切に持ち帰ることに。
樹液でクワガタと一緒に並んでても全然パッとしないけど、よく見たら結構カッコいい虫なんですよね…

本物のトゲフタオと比べてみました。


そっくりでしょ⁉︎

でも私はやっぱり本物のトゲフタオの方が好きです…
これでタマムシ不足が解消されるわけないし、気休めにもならなかった(笑)

とりあえず、ほんとのトゲフタオ採集の時に樹皮めくりでこの虫が出てこないことを祈っておく。



別の場所へ移動。
ここまでで合計14kmほど走ったことになりますが強烈な追い風が吹いていた上にほとんど平坦な道だったので意外とあっさり辿り着けました。



こちらはエノキが多いですが大木と言える大きさのものは無く。
ヤナギの大木も多く林内は薄暗いですが、下草はそんなに茂ってる感じはしない(時期的な問題だろうけど)



ここは割れそうな材も豊富で、採集者の痕跡らしきものも見当たりませんでした。
(材にゴミが絡んでるのが多く見られるので、洪水で頻繁に荒れる場所なのでしょう…)




アオゴミムシ
Chlaenius pallipes Gebler, 1823

ここへ来てようやく本日最初のゴミムシ…アオゴミムシが出てきました。
もう昼前で、大分不安になってきてたのもあってこの一頭だけ持ち帰ることにした(汗)
他にはヨツボシゴミムシも出て、アシミゾナガゴミムシも複数出ました。

ゴミムシの他には、



左: スジクワガタ
Macrodorcas striatipennis Motschulsky, 1861

右 上から
キボシテントウダマシ
Mycetina amabilis Gorham, 1873

オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)


スジクワって河川敷で採れるようなクワガタだったっけ…(笑)
オサシデムシモドキは今回で今シーズン3回目の遭遇になります。
1回目は枯葉の下から、2回目は土の中から、今回は材から出ました。
一回の採集で複数採れたことは無いのですが、この虫とは謎の縁がありそう…(笑)




大きな根返りがあったので掘ってみました。
いつもはあんまり出ないのですが、今日は何故か虫が出てきて…




1頭目は本日最初のミヤママイマイカブリでした。(野外での写真これしか無かった…)
集団では無いけど、掘り進めていくといくつも出てきて結局この一つの根返りで10頭以上は出てきました。
やっぱり地味な色の個体が多く、ほとんどスルーです。

砂を被ってるから地味に見えるだけなのかなぁ…

そんなことはなく(汗)



ミヤママイマイカブリらしい明るい青の個体を意識して選んできたつもりですが…汚れを落としてもやっぱりあまり綺麗ではありませんでした(実物は写真ほど綺麗じゃない)


左下の個体なのですが…マクロで撮ると全然違う色になってしまってる(汗)
どちらかと言えば前の写真の方が見たまんまの色に近いです。

個体数が多いからそう感じるだけかもしれないけど、45mm近いやや大きなミヤママイマイカブリも結構な頻度で見かける気がします。
本日の最大もこの根返りから出た45mmでした。



ハッカハムシ
Chrysolina exanthematica (Wiedemann, 1821)

さりげなくハッカハムシも出てきました…見落とさなかったのはラッキーでした。





シナノアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola shinano Ishikawa et Ujiie, 2000

しばらく掘っているとまたしてもシナノアオオサが出た(汗)
同じ根返りでもマイマイカブリとは少し違う所が好みなようです。
マイマイカブリは割と表面に近い乾いた砂の部分からでも出てくるのに対して、シナノアオオサは深く掘る必要はないけど表面の乾いた砂を払うと出てくる少し湿っていて引き締まった…砂に若干土が混ざったような感じの

…何言ってんのか分かんなくなってきた(笑)

とにかく、何となく“シナノアオオサが出てくる根返り”の雰囲気を掴んでここからシナノアオオサラッシュに入りました。




出るわ出るわ…マイマイカブリより出てるんじゃないかと不安になるくらい(実際そんな事は無かったけど)
根返りだけじゃなく材からも出て、最終的に1日で2桁に到達しました。
今まで冬の採集でこんなにまとまって採れた事は無かったので嬉しかったです

アオオサは一頭一頭少しずつ色が違っていて、厳選とかできずに全部持って帰ってしまいます…
左下の個体は赤み強めでしたが、これでもまだまだなんだろうなと思う(汗)



全然本来の見た感じの色が出せてませんが…綺麗です。


根返りはマイマイカブリとシナノアオオサばかりなので、再び材割りに切り替えてゴミムシを狙います。




左: コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863

右: ヒメホソナガゴミムシ
Pterostichus rotundangulus Morawitz, 1862

これまで何回か通っている場所では見かけなかったゴミムシが出てきます。
コガシラアオとか久しぶり過ぎて一瞬「えっ!?イグチケブカ!?」みたいな反応をしてしまった(笑)

ここのヒメホソナガは材に入ってるのか…
(埼玉では枯れ草の根っことかで出してた気がする)

アシミゾナガが圧倒的に多くて、コガシラナガも多いしヒメホソナガも割と出てくる。
種数が多い分、マルガタナガゴミムシの個体数は控えめでした。

同じ川の河川敷でも、数キロ離れるだけで見られるゴミムシが明らかに変わっているのを実感しました。




アシミゾヒメヒラタゴミムシ
Agonum thoreyi nipponicum Habu, 1972

ここでやっと初採集種が出ました。
関東の湿地採集でよく見かけるヒメセボシヒラタに似てますが明らかに小さいです。
これで遠くまで来た甲斐は…あったのか?(汗)




ヤナギチビタマムシへの未練が抜けきれていなくて、無意識に剥がれかかったヤナギの木の樹皮を剥がしていました。
普通にキノコの生えた立ち枯れでした(笑)

これじゃあチビタマは出ないんじゃないか…と思ったのですがここで思いがけず嬉しい出会いがあった。





ヒメオビオオキノコ
Episcapha fortunei Crotch, 1873

私にとってこの手のキノコのムシは中々縁がない虫の一つで…これで出会うのは人生2回目(笑)
1回目も確か似たような立ち枯れの樹皮を剥いで採った気がします。
気持ち多めに採っておきました。



左: コブスジツノゴミムシダマシ
Boletoxenus bellicosus (Lewis, 1894)

右: ニセコブスジツノゴミムシダマシ
Boletoxenus incurvatus (Lewis, 1894)

さらに、いつか見てみたい虫の一つだったコブスジツノゴミムシダマシも複数出てきました。
その奥には一回り小さいニセコブスジツノゴミムシダマシも多数いました。



コブスジツノゴミムシダマシ3頭。
手前から♂(ツノの大きいタイプ、小さいタイプ)、♀です。
最初に出てきた3頭を採集したのですが、運良く3タイプ揃ってました。


調子に乗ってさらに樹皮をはがしましたが、ゴキブリがわらわら出てきた…
まだ剥がせる樹皮はありますが、他の虫の越冬用に残しておくことにします(汗)

キノコの生えた立ち枯れの樹皮下…覚えておきます!






良さげな根返りを見つけたので掘ってみると、やっぱりマイマイカブリとシナノアオオサが出る(汗)
ここの根返りは綺麗なマイマイカブリもいたので採集し、アオオサも採集。

ゴミムシはやはり出てくれなくて…
もうアオオサの追加が怖くなってきたのでここを離れよう、と思ったその時だった…


崩れた土に混ざって転がってきた虫を無意識にキャッチしていました。
仰向けになっているのではっきりと何なのかは分からなかった。

大きなゴミムシ…じゃなくてオサムシだ。
マイマイカブリはもちろん、クロナガ、シナノアオ、マルバネ…どれよりも明らかに小さい。


じゃあ、これは……!!!









アカガネオサムシ
Carabus granulatus telluris Bates, 1882

「アカガネ!!!!マジで!!??」

ぶっちゃけセアカオサだと思ってた(笑)
大きさ的にセアカかアカガネしかないと思ったけど…だったらまだセアカの可能性の方がありそうな気がしてたから(汗)
アカガネオサムシに関しては3年前に栃木の有名産地で満足するまで採ってはいたけど、初採集とはまた別の嬉しさがありました。



とりあえず一つ大きな成果があげられて気持ち的にだいぶ楽になりました…
この後、日が沈む寸前まで材割りを続けましたが既採集種の追加のみでこの日の採集は終わりになりました。
帰りは案の定ほぼ強烈な向かい風にさらされながらの14kmでめちゃくちゃしんどかった(笑)


信じられなくて…採集中に何度もケースを取り出しては「ほんとにアカガネオサだよな…」確認していた(汗)


そっか…

ちゃんと生き残ってたんだな…


長野県内では絶Ⅱになっているアカガネオサムシですが、考えてみたらこの川の周辺以外でほぼ記録がなくて絶Ⅱなんだとしたら生き残りはいて当然でした。
いずれにせよ多くはないだろうし、トラップじゃなく堀りで出せたのはほぼ奇跡に近い気がする(汗)

ここ最近の不調は全部このためだったんだ、と受け入れるにはちょっとキツすぎるな(汗)
アカガネは本当に嬉しいんだけど、こんなペースだと本当にいつか気が狂ってしまう(笑)



おそらく、2017年中に長野で丸々1日採集に使える日は来週末が最後。


2017年の本当に最後の採集自体は埼玉に帰ってから。
多分いつものやつ(笑)になると思うけど…

長野での今年最後はどうしようか、よく考えておきます…
(やりたい採集はあるけど、上手くいくとはとても思えないんですよね…)



【結果】 ※色付きは自己初採集

ミヤママイマイカブリ
Damaster blaptoides cyanostola Lewis, 1881
5exs.

アカガネオサムシ
Carabus granulatus telluris Bates, 1882
1ex.

シナノアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola shinano Ishikawa et Ujiie, 2000
12exs.

ヒメホソナガゴミムシ
Pterostichus rotundangulus Morawitz, 1862
6exs.

コガシラナガゴミムシ
Pterostichus microcephalus (Motschulsky, 1860)
2exs.

マルガタナガゴミムシ
Pterostichus subovatus (Motschulsky, 1860)
1ex.

アシミゾヒメヒラタゴミムシ
Agonum thoreyi nipponicum Habu, 1972
2exs.


ナガマメゴモクムシ
Stenolophus agonoides Bates, 1883
1ex.

ミドリマメゴモクムシ
Stenolophus difficilis (Hope, 1845)
1ex.

アオゴミムシ
Chlaenius pallipes Gebler, 1823
1ex.

コガシラアオゴミムシ
Chlaenius variicornis Morawitz, 1863
2exs.

ヨツボシゴミムシ
Panagaeus japonicus Chaudoir, 1861
2exs.

スジクワガタ
Macrodorcas striatipennis Motschulsky, 1861
2exs.

ヒメオビオオキノコ
Episcapha fortunei Crotch, 1873
7exs.

コブスジツノゴミムシダマシ
Boletoxenus bellicosus (Lewis, 1894)
3exs.


ニセコブスジツノゴミムシダマシ
Boletoxenus incurvatus (Lewis, 1894)
3exs.

ルリゴミムシダマシ
Encyalesthus violaceipennis (Marseul, 1876)
1ex.

キボシテントウダマシ
Mycetina amabilis Gorham, 1873
1ex.


ハッカハムシ
Chrysolina exanthematica (Wiedemann, 1821)
1ex.

オサシデムシモドキ
Apatetica princeps (Sharp, 1874)
1ex.

ムナビロオオキスイ
Helota fulviventris Kolbe, 1886
2exs.


オオヒラタシデムシ
Eusilpha japonica (Motshulsky, 1860)
1ex.
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