冬のタマムシと河川敷採集


2017.12.30

今日が、2017年最後の採集になります。

今年は色んなところに行きましたが、最後の採集として私が選んだのは…










埼玉の実家の近く…いつもの河川敷です。

最後は 河川敷での冬のタマムシ採集で2017年を締め括ろうと思います。

まずは樹皮めくりをするのにうってつけのムクノキやケヤキが多いポイントへ向かいます。





まずはムクノキ。
この木では以前樹皮めくりで多数のナミガタチビタマムシと3頭ほどマルガタチビタマムシが採れています。
秋のスウィーピングでも多数のナミガタチビタマムシが採れました。
樹皮めくれもまだまだ残っているのでめくっていきます、が。



採れない……?



マルガタチビタマどころか、ナミガタチビタマムシさえ一頭も出てきません。
これは一体どういう事なんだ…?

頑張ってめくりましたが、結局この木からはナミガタチビタマムシの死骸が2頭出たのみでした。



なんだかとても嫌な予感がしつつ…次のポイントへ。

河川敷の中で自分が訪れるポイントはある程度決まっています。
毎回同じ場所ばかり行っているのですが、藪を少しかき分けて奥に入ると未開拓のポイントや未確認の木は簡単に見つかるくらい探索があまいです(笑)


次のポイントではまだ全くめくったことのないケヤキの大木が見つかりました。
これもめくっていきますが…やっぱり出ない(汗)



めくり初めてから10分後。 ようやく本日最初のタマムシを引き当てました。




マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873

なんと… 最初に採れたタマムシがマルガタチビタマムシでした。
基本的にこの河川敷で樹皮めくりで出せるタマムシ(ヒシモンナガ、マルガタチビ、ナミガタチビ、ヤノナミガタチビ)の中では一番遭遇率が低い種です(大図鑑の珍品度は★★★)

今日採れるかどうか正直不安だったのでこれはラッキー、なのですがナミガタとヤノナミガタは何故全く出てこないのだろう…




となりにムクノキがあったのでめくってみたのですが、 出てきたのはまたしても死骸。


何かがおかしい。

嫌われすぎじゃない?(笑)とか笑ってられるレベルじゃない… 完全に異常事態です。
この河川敷のナミガタとヤノナミガタに何かが起こっているとしか思えない…

長野での樹皮めくりで(ヤノ)ナミガタが全然採れなかったのは向こうにもともとヤノナミガタが少なかった(スウィーピングで全然入らなかった)からだと思ってるけど、こっちの河川敷では今年の9月にスウィーピングで相当な数を確認してるので…樹皮めくりで全く出てこないなんてことはありえないはずなのです。


すごく不安だけど…そんな中でもマルガタチビが出てきてくれて本当に良かった(汗)
一応、チビタマ以外の虫は普通に出てきます。




左上: 不明(そもそもテントウムシじゃない?)

右上: ヨツボシテントウ
Phymatosternus lewisii (Crotch, 1874)

左下: ウスキホシテントウ
Oenopia (Synharmonia) hirayamai (Yuasa, 1963)

右下: ヨツボシテントウ(黒化型)
Phymatosternus lewisii (Crotch, 1874)

特に目を引くのはテントウムシです。
実は今まで全く言ってこなかったのですが…この一年でかなりテントウムシに興味が出てきています。

長野の方でナガタマ狙いのスウィーピングやってると色んな種類のテントウムシが入ってくるし、生態もよく分かってない種が多く、変異型も結構な頻度で見つかる面白いグループだなあって思ってました。
ただ、超小さいやつばかりで同定も難しいだろうとスルーしてばかり(汗)

私の今の採集対象はタマムシ、オサムシ(ゴミムシ)、その他諸々くらいざっくりと分かれています。
タマムシとオサゴミに続く「さんばんめ」に力を入れるグループを、そろそろ決めてもいいんじゃないかとずっと思ってました。

そんな中テントウムシハンドブックが出るという話が。
始めるなら今しかないでしょう!!


まあそんな訳で…来年からはテントウムシも積極的に採集していこうと思います!!!
とりあえずは今までスルーしてきた普通種を採って同定の仕方を覚えるところからスタートしようかと(汗)
いずれはオオテントウとかダイモンテントウとか見てみたいです…


…別にタマムシの方で手を抜くつもりは無いですからね!?






左: トゲハラヒラセクモゾウムシ
Metialma cordata Marshall, 1948

右: アオモンツノカメムシ
Dichobothrium nubilum (Dallas, 1851)


テントウムシの他にも色んな虫が出てきますが…結局このポイントで(ヤノ)ナミガタが出ることはなく次のポイントへ。



次はエノキの大きめの木が多いポイント。
ここにもケヤキが一本あることを確認してます。
樹皮めくりでチビタマが出た事はないのですが…(汗)






ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959


ここで出るのか…(汗)

一頭だけ出ました。
例年と比べて明らかに少ないけど全くいないという訳では無いみたいです。





アオアトキリゴミムシ
Calleida onoha Bates, 1873

エノキも木によっては樹皮がめくれそうなものもあったのでめくってみると…アオアトキリゴミムシが出ました。
夏場のスウィーピングでちょくちょく採集していますが冬の採集では初めて見ました。
アトキリゴミムシの仲間って越冬してる所になかなか出会わないイメージなんですけど、やっぱりみんなどこかでちゃんと越冬してるんですよね…




数年前は硬すぎてとても割れなかったエノキの材がある場所に来てみました。
材はかなり朽ちていてエノキとは思えないくらいに柔らかくなっていました。




なんとなく気になる脱出孔もありましたが、ここの木は普通サイズなので期待はできなさそう…




モンスズメバチ
Vespa crabro flavofasciata Cameron, 1903

このエノキ材から、初めて見る気がするカッコいいスズメバチが出てきたので採集しました。
他の材から出てきたヒメスズメバチもついでに初採集しておきました。



ここで一旦昼食休憩を挟み、さらに移動してエノキの林の奥の方を目指す事に。



途中で見つけたこの立ち枯れがピンと来たので少し崩してみると…







おお出た、ラッキー!!




ヒメマイマイカブリ
Carabus (Damaster) blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)

大体こういう場合採れないのですが、今回は当たりでした。
今シーズン初のヒメマイマイカブリとなりました。
長野の近場ミヤママイマイカブリなら同じ立ち枯れで数頭追加が得られる所ですが、ここから出るのは当然一頭のみです(笑)

ミヤママイマイカブリばかり見ていたのでなんだか違和感を感じます。こんなに紫っぽかったっけ??


もう何度も材割りに入ってるはずの林内には大きな朽木がまだまだ残っていました。




コカブトムシ
Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835)

朽木を割ってみるとこの河川敷では初めてとなるコカブトが出ました。
もっと割れば湿地性ゴミムシが得られそうですが、本題からどんどん離れていっているのでこの辺りでやめておきます(汗)




このポイントの本命はこのムクノキです。
このムクノキは…私にとって最初のナガタマムシであるヒシモンナガタマムシと出会わせてくれた思い出深い木です。(→採集記




2月ごろにも一度来て確認しましたが、新しい樹皮めくれもできています。
めくっていくと…







2017123121264078d.jpeg

あの時と同じように、出て来てくれました。




ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873

ここ以外の樹皮めくりで全くヒシモンナガが出てくれないのでもうダメなのかと思ってましたが…良かったです。
今年は河川敷の伐採木で多数見たヒシモンナガタマムシですが、やはり冬に出会うと嬉しさが全然違いますね。

しかしこの後同じ木からチビタマムシが出る事はなかった…







水路脇にいい感じの崖を発見しました。
同じ水路脇の斜面で過去にカントウアオオサを出した事がありますが、いつもまぐれ当たりな感じで狙って採れた事はありません…

掘ってみるとアオゴミムシやコガシラアオゴミムシ、オオホソクビゴミムシなどゴミムシがやたら出て来ます。

ちょっと粘土質すぎるかも?

というかこれ、長野でやった時と全く同じだ。
崖の一番下の方は粘土質が強くてゴミムシが出るけど、上の方を掘れば…








カントウアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola kantoensis Ishikawa et Ujiie, 2000

よし、できた!!!

崖のかなり上の方…もはや崖と呼んでいいのか分からない草の根が多く絡んだ場所から出て来ました。
土質もまさしくコレって感じの所でした。

シナノアオオサと比べるとやっぱりどことなく「綺麗じゃない」感じはありますが、今となってはこちらの方が馴染みがないオサムシなので嬉しいです(笑)




2頭目は若干クラッシュしてしまいましたが…
その後も1m以内の範囲から3頭を追加し、合計4頭を採集しました。

今まで自分の目の付け所が悪かっただけで、この河川敷でアオオサを採ることはそんなに難しくはなかったんですね…(笑)





エノキの方も…大木とは呼ばないかもしれませんが思ってた以上に大きな木が多くて、気になる脱出孔も一つ見つかりました。
今日はそんなに割ったりはしなかったけど、いずれもう少ししっかり探索したいところです。
クロマダラを目指して…



次はクズノチビタマとヌスビトハギチビタマが多数得られたポイントへ行ってみることに。
しかしここで予想外の事態が。




意味が分からない。

なんの工事だか説明してくれないかな…?
道が広げられ、元々道沿いに生えていたヌスビトハギの大半は消滅しているように思えました。

また一つ採集ポイントを失ってしまった…ショック。
近くの別のクズ群落で篩採集をやってみたものの何も入らず。




ダンダラとか入ってこないかなあと、クヌギの根元で篩採集をやってみました。
しかし入って来たのは、とんでもなく小さな甲虫で…




左上から、
クロモンキスイ
Cryptophagus decoratus Reitter, 1874

未同定キスイムシ

未同定ヒメマキムシ

クロオビカサハラハムシ
Hyperaxis fasciata (Baly, 1874)


全て一度の篩で入りました。
なんとなく気になって全部採集してしまいましたが、果たしてちゃんと同定、展足できるでしょうか…(できそうにない)



次が最後のポイントになります。


最後にやって来たのは、最初の場所…初めてマイマイカブリを採集した場所です。
もうなんか恒例の儀式的に訪れる場所になりつつある…(笑)

ここを選んだのは このポイントにムクノキが結構あるからです。
未探索な部分を歩けば、いいめくれのあるムクノキはすぐに見つかるはず。




超良さげな木がありました(笑)

2017年最後の虫はタマムシで終わらせたい!という事で最後のチビタマムシを求めて樹皮をめくっていきます。
一頭目が出るまで開始から6分ほどでした。



ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873

めくった樹皮の裏に付いていたようで…樹皮を落としてから気づきましたがなんとか採集できました。
かなりスレてるのが気になる… まだ追加は得られないだろうか(汗)

この考えが危ないのはなんとなく分かっていた……




ムツボシテントウ
Sticholotis punctata Crotch, 1874

案の定、タマムシ以外の虫が出て採集してしまい…タマムシが出ないと終われない状態になってしまった(汗)
この後ひたすら樹皮をめくっていきましたがタマムシが出ない時間が30分ほど続きました。
ムツボシテントウをリリースして無かったことにしようかと本気で考えたくらいでした(笑)





ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873

最終的に木登りまでして…綺麗なナミガタチビタマムシを一頭引き当てることに成功しました。
これが2017年の私が最後に採集した昆虫となりました。

これで無事に採集を終える事ができました。




今日は結果的に樹皮めくりのタマムシ4種(ヒシモンナガ、マルガタチビ、ヤノナミガタチビ、ナミガタチビ)全てを採集する事ができました。
他にもヒメマイマイカブリやカントウアオオサムシを複数、さらに初採集の昆虫も複数。
数年前では考えられないようなとても充実した採集になりました。

長野でオサ堀りの練習した成果が出たのが嬉しかったです。
この冬は長野での採集でタマムシ成分が枯渇して大変だったので、最後にこの河川敷で複数種のタマムシに会わせてもらえて本当に良かったです。

2017年は長野での採集も本当に楽しかったけど、


やっぱり私には、この場所が必要です!



来年もまた来ます!(笑)



【結果】 ※色付きは自己初採集

ヒシモンナガタマムシ
Agrilus discalis E. Saunders, 1873
1ex.

マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873
1ex.

ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959
1ex.

ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873
2exs.

ヒメマイマイカブリ
Carabus (Damaster) blaptoides oxuroides (Schaum, 1862)
1ex.

カントウアオオサムシ
Carabus (Ohomopterus) insulicola kantoensis Ishikawa et Ujiie, 2000
4exs.

ニセマルガタゴミムシ
Amara congrua Morawitz, 1862
1ex.

アオアトキリゴミムシ
Calleida onoha Bates, 1873
1ex.

ムツボシテントウ
Sticholotis punctata Crotch, 1874
2exs.


ヨツボシテントウ
Phymatosternus lewisii (Crotch, 1874)
3exs.

ウスキホシテントウ
Oenopia (Synharmonia) hirayamai (Yuasa, 1963)
1ex.

ヨツボシテントウダマシ
Ancylopus pictus asiaticus Strohecker, 1972
1ex.

コカブトムシ
Eophileurus chinensis chinensis (Faldermann, 1835)
1ex.

トゲハラヒラセクモゾウムシ
Metialma cordata Marshall, 1948
1ex.

クロオビカサハラハムシ
Hyperaxis fasciata (Baly, 1874)
1ex.

クロモンキスイ
Cryptophagus decoratus Reitter, 1874
1ex.

未同定キスイムシ
1ex.

未同定ヒメマキムシ
1ex.

フタホシシリグロハネカクシ
Astenus bicolon (Sharp, 1874)
1ex.

キバラモクメキリガ
Xylena formosa (Butler, 1878)
1ex.

モンスズメバチ
Vespa crabro flavofasciata Cameron, 1903
2exs.

ヒメスズメバチ
Vespa tropica pulchra Buysson, 1903
1ex.


アオモンツノカメムシ
Dichobothrium nubilum (Dallas, 1851)
1ex.
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