埼玉でトゲフタオタマムシ


2018.02.17_04:22 a.m.

目が覚め…いやあと1分だけ。





2018.02.17_04:23 a.m.

これでよし(?)
セットしたアラームが鳴るよりも20分早く目が覚めました。
今日はやる気に満ちている。


目的地に到着したのは9時頃でした。
そこにあるのはもちろん……





見慣れた針葉樹林です。
今回で今シーズンこの環境に来るのは6度目になりますね(笑)



最初に見つけたモミの付近で落ち枝を調べてみた所、早速それらしい脱出孔が見つかりました。

今日は埼玉県内でトゲフタオタマムシを狙います。

昨年末、埼玉県内でトゲフタオタマムシを狙いましたが2連敗。(→採集記
その後の情報収集により、私が行った場所はそんなに間違っていなかった事が分かりました。
あの場所にもトゲフタオが居たことはほぼ間違いないと思う事ができたのですが、だからと言ってもう一度あの場所でやっても…全く採れる気がしない(汗)

今回は記録を参考に「ここなら採れるんじゃないかな…」と思う場所を選び、そこで勝負することにしました。
全く同じポイントにはならないように微妙に場所を変えましたが…これは自力開拓とは言い難い(汗)




もう現時点でも飛び始めているようですが…今後トゲフタオ採集をやろうとした場合、花粉が必ず邪魔をしてくるので今回を今シーズン最後のトゲフタオチャレンジとする事にしていました。

本当は前日来るつもりだったのですが…花粉のおかげで半日ほど活動停止レベルまで追い込まれたのでダメでした(汗)
今日は薬飲んできたので対策は万全、のつもりです。




針葉樹林に入る前に、少しだけ広葉樹林もあったので見てみることに。
アオハダが生えていればアオマダラタマムシが狙えるかもしれないので。





一応、それらしい木とそれらしい材はあったのですが…アオマダラの痕跡はありませんでした。
そもそも、アオハダがどれなのかよく分からなくなりました(汗)



これはどうだったか忘れましたが、

樹皮表面の雰囲気
樹皮下が緑色
短枝の生え方


アオハダを見つける時に参考にしていたこの要素はケヤキの若い木にも当てはまる事に最近気づいてしまいました(笑)
今回の場所でもケヤキが多く生えていたので判断に自信が持てませんでした。
落ち葉とかも見つからないし…




アオマダラは諦めてモミとスギ・ヒノキの林に入っていきます。
まずは落ち枝を調べます。




それらしき脱出孔がいくつも見つかりました。
確定ではないですが…期待はできます。


さあ…樹皮めくりのスタートです!!





3時間後。





「これダメなやつだな…」

昼飯を食べながら思う。
本命の虫が採れる前に昼飯を食べている時は…大体ダメな時が多い気がした(汗)

移動にかなりの時間を費やした神奈川での採集でもこの時点で一頭採れていた。

全く虫が出ない、というわけでは無い。




常連のヤニサシガメやクサギカメムシの他、エサキモンキツノカメムシやキモンナガカメムシが出る事もありました。




左: フトヒゲホソアトキリゴミムシ
Dromius crassipalpis Bates, 1883

右: ハネビロアトキリゴミムシ
Lebia duplex Bates, 1883

甲虫では2種のアトキリゴミムシが出ましたが、今回ベニヒラタムシは出ませんでした。
何より衝撃だったのは、今までどこでも必ず見かけていたオオトビサシガメがこの日全く出なかった事です。

大きさ的に、オオトビサシガメが出たらトゲフタオは近いと思っていた所もあるので不安になりました。



一部を除いて虫は出ているものの、未だにトゲフタオは現れない。




樹皮めくりを続けながら進んでいくうちに周囲の微妙な変化に気がつき、落ち枝を調べてみると…
脱出孔がほとんど見つからなくなっていた。

たしか前にもこんな事が…




(2017.12.29)
あの時も…ある程度進んだ所で何故か脱出孔が見つからなくなっていた。

あの時は何が違うのかさっぱりだったけど、今回は一つだけ分かった違いがある。

以下、かなり馬鹿げた話になりますが…(笑)



年末の採集と今回の採集に共通していた事。それは…

モミの周りに生えている木が、ヒノキばかりになっていた。



前回の採集で、さえ吉丁虫さんと「トゲフタオはスギの樹皮下に入る事が多いのでは?」と話をした事を思い出しました。
実際、私が過去に出会ったトゲフタオは2回ともスギの樹皮下で、さえ吉丁虫さんが出したのもスギの樹皮下だったというのです。
大図鑑によればトゲフタオタマムシはスギ、ヒノキ、モミの樹皮下で越冬との事ですが…ネットで出てくる写真などを見ていても圧倒的にスギの樹皮下から出している人が多いです。

確かにヒノキの樹皮下から採集している方もいます。
中にはマツの樹皮下から出してる人もいて衝撃を受けました…(笑)


しかし結局のところ「スギが人気なのでは?」という考えが揺るがなかったのでこの日はずっとスギの樹皮をめくっていました。
そして徐々にモミの周りがヒノキばかりになり…落ち枝を調べると脱出孔はほぼ無しという結果。

これでトゲフタオタマムシ スギ>ヒノキ説が少し濃くなった気がした…

そして。

今までの埼玉トゲフタオ採集が失敗に終わった原因がここにあるのでは無いかと思い始めました…
前回の神奈川採集を行うまでの私は、スギでもヒノキでも同じようにトゲフタオタマムシは入ると思っていて、無意識にヒノキばかりをめくっていたのです。




こちらがスギ。
樹皮めくれは確かにありますが大部分はごく小さなものでトゲフタオが入れるスペースは存在しません。




こちらはヒノキ。
同じくらいの太さでも、スギと比べて明らかに樹皮のめくれが多く、虫が越冬できるスペースも多いです。
実際大きな木ではオオトビサシガメやクサギカメムシが嫌になる程出てきます。
(この日はさっぱりでしたが…)

こんなの普通に考えればヒノキを集中的にめくっていく方がトゲフタオが採れそうだと思うじゃないですか…
でもスギ>ヒノキなのだとしたら…?



最初の場所に戻るべきだ。

こんな考え方はおかしいと自分でも思う。
でも、脱出孔の数がほんの数分の移動で明らかに変わる理由を無理やり考えるなら…これが一番ありそうだと思ってしまった(笑)








「あっ……!!」

元の場所に戻って樹皮めくりを再開し、30分ほど経った時。
風の音だけが聞こえる静かな林の中に自分の声が響いていた…





「なんかいたよな。今…」


呼吸を整えて、ゆっくりと…このスギの木の樹皮をめくってみる。




この日見た中では一番クサギカメムシが多い(4頭)樹皮でした。
そして明らかにクサギカメムシとは異なる雰囲気の虫がそこに居ました。







見間違いではない。

ここは…埼玉県だ。


そしてこれは………






トゲフタオタマムシ
Dicerca tibialis Lewis, 1893


「と…採れた……!?」

感情が爆発した前回とは真逆で、呆然としていました…




♀だった事だけが少し残念でしたが…貴重な埼玉県産トゲフタオは最大級の15mm、立派な個体でした。

人生3度目になるこの個体もまた、スギの樹皮下から現れた。

さっきの考えが本当に正しいかどうかは別として、今回はあの考えに救われたのは事実です(笑)



2018021913190819b.jpeg
かなり諦めの感情が強くなり始めていましたが、あの1頭で気力を取り戻し…次は♂を求めて樹皮めくりを続ける事に。





…その後も日が暮れるまで3時間近く樹皮めくりを続けましたが、追加が得られる事はありませんでした。




脱出孔の多かった場所で、比較的新鮮なモミの落ち枝を4本ほど拾っておきました。
1頭でもトゲフタオが出てくれれば嬉しいです。



その後はさっさと下山し、荷物の整理をして駅に向かおうとしたのですが…ここでまさかの事態に。



「TG-4が無い」

カメラのポーチのチャックはいつのまにか開いていた…
最後に写真を撮ったのは下山前の樹皮めくりの最中(汗)

今日も急斜面で何度も滑落したし、下山とかほとんど走ってたようなもんだし…

「ダメだ…心当たりが多すぎる(泣)」

もはやどこでカメラを落としていてもおかしくない(汗)
もう日は暮れてるし、今からもう一度山に登って探し回るなんてことは無謀だし危険すぎる。
埼玉トゲフタオ一頭の代償がこれだとでも言うのか…

そんな簡単に諦められる訳もなく、ヘッドライトを装着して覚悟を決める。
周囲が暗くなっていく中、再び山を登り始めました。

日をまたぐ前に家に着けるといいな…







「あったああああああ!!!!!!」


「助かった…本当によかった………」

神奈川でトゲフタオ採った時と大差ないレベルでその場に崩れ落ちたのは…なんと登り始めて2分後くらいでした(笑)
奇跡的にすぐ近くで落としてしまっていたようで、真っ暗になる前に無事に回収することが出来ました。今日は神に味方されてるな…

下山前に身につけているものを全てリュックにしまうようにすること、100均で買ったカメラのポーチをもっとちゃんとしたやつに買い換えることを決意した。色々とレベルの低い決意だった(笑)



そんな感じで…どうにか無事に帰ることができました。
この採集の代償と言えば翌日以降、浴びまくったと思われる花粉に大変苦しめられていることくらいです(笑)

これで今シーズンのトゲフタオ採集は終わりになります。トゲフタオタマムシを狙った5回の採集の結果、神奈川と埼玉でそれぞれ一頭ずつ採ることができました。

今シーズンは狂ったようにトゲフタオタマムシに一所懸命になっていた気がします(笑)

色んな所に出かけては、樹皮をめくり続けて…一つの虫に対してここまで一所懸命になった事は初めてでした。こういう採集も悪くないなと思いました。
おかげさまでただの苦行だった樹皮めくりにも少しずつ慣れてきました。

それもこれもちゃんと採れてくれたおかげですが…





来年以降に残された課題としては…♂を採集する事はもちろん、長野県内でのリベンジ。他には埼玉県内でもどこかでもう一度ちゃんとやりたいですね。
今回のはやっぱり自力開拓とは言い難い場所なので…

年末にダメだった場所で、スギの樹皮だけに絞って再挑戦とかしてみたいと思う所はある(汗)

年末に採集した幼虫が結局何として羽化してくるのか、他の材から果たしてトゲフタオは出てくるのか。
スギ>ヒノキ説って実際どうなのか(笑)

まだまだたくさん気になることもありますし、来シーズン以降もまたトゲフタオタマムシに会いに行ければなと思っています。



トゲフタオタマムシに夢中になっていたらいつのまにか春が近づいてきました…


次の採集は…
考えはあるのですが正直行った所でという感じもあるのでちょっと迷ってます(笑)


【結果】 ※色付きは自己初採集

トゲフタオタマムシ
Dicerca tibialis Lewis, 1893
1ex.

ハネビロアトキリゴミムシ
Lebia duplex Bates, 1883
2exs.

フトヒゲホソアトキリゴミムシ
Dromius crassipalpis Bates, 1883
1ex.

ミツノゴミムシダマシ
Toxicum tricornutum Waterhouse, 1874
2exs.

キモンナガカメムシ
Paradieuches lewisi Distant, 1883
2exs.
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