新しい採集生活のスタート


今年度から通うことになる新しいキャンパスがある、南信に引っ越してきてから二週間が経った。
新しい寮での生活にもまあまあ慣れてきた。(問題も山積みですが…)

そんなわけで去年よりも早い時期から採集に出る事ができています。
まだまだ虫は少ないですが、ここ最近の採集成果をまとめておこうと思います。





2018.03.30


2018040922051382d.jpeg
とにかく外に出てみよう、という事で夏に向けての下見も兼ねた採集へ。




事前に広葉樹が多そうな場所を適当に選んでおいて、見つけた沢沿いを登っていくことにしました。
クヌギやコナラ、ケヤキなどの基本的な広葉樹はもちろんのこと、沢沿いにはヤナギやハンノキの類の木がかなり生えていました。
多くはヤマハンノキだと思われます。
周囲の雰囲気を見た感じ、ここは(エサキキンヘリ的な意味で)かなり有望なポイントに思えたけど…(汗)

少なくとも、去年長野県内で挑戦しにいって爆死した場所よりはよっぽど…石川のポイントに近い雰囲気を感じる。
ヤマハンノキもそうだけどなにより…




この特徴的なギザギザ、重鋸歯は…ハルニレではなかったか(汗)

ハルニレに関しては小さい木がほとんどのように思えましたが、きっと近辺に大きな木も生えているはず。

もう少ししてからこの場所を訪れれば…きっと新しいタマムシに出会えるはず!




ひたすら登って、源流域…水が染み出す地点まで辿り着きました。
もちろん今日はまだ樹木の葉が全く出ていないので、スウィーピングではない別の採集を行います。




地下へ。

チビゴミムシ採集は冬より早春のほうが良いとの事で…他にやる事も無いので再挑戦です。
この日掘ったのは過去の採集で掘っていたような地下がスカスカな所では無く、結構小さめの礫と粘度が混じるような、隙間があまり無さそうな所だったのですが…いつもより出てくる昆虫は多かったです。




未同定ヒラタゴミムシ

今回もまた、見慣れないタイプのモリヒラタ的ゴミムシが出てきました。
前回のチビゴミムシモドキ=チャイロホソモリヒラタゴミムシよりさらに大きかったのでさすがに騙されなかった(笑)
この他にはヒメツヤゴモクムシが何頭か得られました。




ゴミムシ幼虫は何頭も見かけました。
左の個体はかなり大きかったので、成虫はカッコいい大型のナガゴミムシになるのだろうと思いました。
種類もいくつかありそうな感じだし、これは秋にもう一度やった方が面白いのかもしれない…

ていうかこれ、掘る場所間違ってたりしないか?(汗)




オオガロアムシ
Galloisiana kiyosawai Asahina, 1959

ゴミムシ幼虫もそうですが…お前どこに潜んでたんだよ、と思うような狭い礫の隙間からガロアムシが転がり落ちてきました。
この個体は幼虫のようですが、これまで採集した事のあるガロアムシと比較して明らかに大型で別の種類だったようです。

この日見たガロアムシはこの個体を含めて2頭だけでした。




セミタケ的なものを今回も掘り当てました。
これ本当にセミタケなんだろうか…

これは採集したところで同定できるものでは無さそうです。




左: サビイロモンキハネカクシ
Ocypus dorsalis Sharp, 1889

右: カタモンブチヒゲハネカクシ
Anisolinus picticornis Sharp, 1889

意外と大きめなハネカクシが出てくる事もありました。
狭い地下空間ででどうやって生活しているのだろうか。
簡単に穴掘れるような柔らかい粘土質ばかりでは無いと思うんだけど…



結局この日チビゴミムシが出ることはなく…そのまま日が暮れる前に終了になりました。




自転車圏内にも魅力的な樹木があることが分かったのは大きな成果でした。
今年ここに通うことになるのは間違いなさそうです。





2018.03.31


この日の夜は先輩方の灯下廻りに同行させていただきました。




左上: スモモキリガ
Anorthoa munda ([Denis & Schiffermüller], 1775)

右上: クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878

左下: ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)

右下: カシワキリガ
Orthosia gothica askoldensis (Staudinger, 1892)

まだまだ寒い時期ですが、成虫で越冬したり早春に出現したりするキリガの類は見る事が出来るようです。
今まで全く関心が無かったグループなのですが、名前やそれぞれの違いが分かってくると少しだけ興味が持てたような気がしました。

キクビアオアトキリとかハゴタテゴモクとか、ゴミムシにも活動開始してるものがいました。





2018.04.05

この日も急にやる気になったので灯下廻りへ。



左上: ウスベニスジナミシャク
Esakiopteryx volitans (Butler, 1878)

右上: キバラモクメキリガ
Xylena formosa (Butler, 1878)

左下: チャイロキリガ
Orthosia odiosa (Butler, 1878)

右下: セブトエダシャク
Cusiala stipitaria kariuzawensis (Bryk, 1949)

この日は前回よりも多くの蛾が見られました。
キリガの良さに少しずつハマっていくのでした…




左: カシワキリガ
Orthosia gothica askoldensis (Staudinger, 1892)

右: カギモンヤガ
Cerastis pallescens (Butler, 1878)

カシワキリガは3/31の灯下廻りでも採集しましたが、この日見た個体は別種かと思うくらいに模様が違っていました。
ほとんどの種がそうだと思うのですが、蛾は個体変異がかなり激しいようです…
この二枚も両方カシワキリガだと思っていたほどで(汗)

一頭採ってそれで終了には出来そうにないですね(笑)




マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935

今の所、一番のお気に入りはマツキリガ。
毎回必ず数頭見かけるレベルの普通種ですが、他のキリガと比べても派手で格好いいです。




左: ハコダテゴモクムシ
Harpalus discrepans Morawitz, 1862

右上: ツヤアオゴモクムシ
Harpalus chalcentus Bates, 1873

右下: キクビアオアトキリゴミムシ
Lachnolebia cribricollis (Morawitz, 1862)



チョウセンゴモクムシ
Harpalus crates Bates, 1873

ゴミムシも色々。
ハコダテゴモクムシは割と見かけました。
先輩方の話を聞く限り、まだまだ面白いオサムシやゴミムシが採れるそうなのですが…チョウセンゴモクまでいるとは思わなかった(汗)
河原でも砂礫地でもなんでもないし、本当にただの草地みたいな所でした(汗)

ゴミムシも探しながらゆっくり進んでいたら午前1時になってしまい(笑)、残りは流し見しながらさっさと帰りました。
先輩にも言われたけど、灯り以外の場所もしっかり見ながらまわってると徹夜コースになりかねない(汗)





2017.04.07



この日は買い物のついでに河川敷へ。
標高下げれば少しは葉っぱ出てるかなと思ったのですが…まだまだという感じでした。
ヤナギも花は咲いていたものの虫は全く来ていませんでした。
これでも今年は季節の進行が早いようなのですが…

とりあえず石起こしして、ウスバカマキリが生息してる事は確認できました。
秋にちゃんと来れるといいが…(汗)




左上: イトアメンボ
Hydrometra albolineata (Scott, 1874)

右上: ネアカクサアリハネカクシ
Pella japonicus (Sharp, 1888)

左下: チビミズギワゴミムシ
Polyderis microscopicus (Bates, 1873)

右下: トックリゴミムシ
Lachnocrepis prolixa (Bates, 1873)


他に石起こしで得られた虫たち。
イトアメンボなんかは結構珍しいんじゃないかと思ったのですが…長野ではそうでもないのか?(汗)




ナミテントウ
Harmonia axyridis (Pallas, 1773)

松の蕾?に潜り込むようにしているテントウムシが何頭も見つかりました。
(マツキリガは蕾に擬態していたのか…)
ナミテントウにそっくりで松につくクリサキテントウという虫がいるので2頭だけ試しに採集してきましたが、今回はどちらもナミテントウのようでした。




ナミテントウには上翅にヒダがあり、クリサキテントウには無いみたいです。
ただしナミテントウの中にはヒダが無い個体も出るらしいのでこの点だけでは同定できないようです。
(幼虫の姿は全然違うらしい)





2018.04.12

数日前、オサムシの幼虫が歩いているのを目撃。
新しい春の蛾がもう出ていると聞いて灯下廻りへ。




左: キンイロキリガ
Clavipalpula aurariae (Oberthür, 1880)

右: マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935

条件が良くなかったのかあまり虫は多くなかったのですが、格好いいキンイロキリガに出会えました。




ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)

白い後翅が特徴のヨモギキリガは、やや少ないキリガなのだそう。
(先輩に教えてもらっていなかったら間違いなくスルーしてた…)
この日は最後の方まで網を出すことはなかったのですが、網を広げた直後に飛来した蛾をネットインしたらこれがヨモギキリガでした。運が良かった(汗)


何でもかんでも採りまくるのも良くない(展翅に苦労するという意味で)と思ったので一部、スルーした蛾もいるのですが…
しっかり採集しておくべき蛾も混ざっていたようで(汗)



トチュウウスクモヨトウ
Protegira songi (Chen et Zhang, 1995)

2017年に本州中部で初記録された中国原産の外来種らしいです。
幼虫はトチュウという樹木の葉だけにつくようで、今後広がる可能性はあるのか?気になる存在です…

次見つけたら採集できるようにしっかり覚えておきます…!




左: クロコブゾウムシ
Niphades variegatus (Roelofs, 1873)

右: ハッカハムシ
Chrysolina exanthematica (Wiedemann, 1821)

甲虫の方はアカマツ材にクロコブゾウムシがいたり、灯りの真下でハッカハムシを拾ったりしました。
ゴミムシの方はチョウセンゴモクの追加が得られた程度で目新しいものは特にありませんでした。
オサムシの幼虫も一頭目撃したのみ。まだ夏は遠いのかな…




「来年はキリガから蛾にハマっていくよ」

そんな事を去年先輩に言われたのを思い出した。
そんなことはない…(笑)、と思っていたのですが…そんなことあったよ(笑)

蛾ってこんなに格好良かったのか…!
今まではヤママユとかスズメガとか、大型種やミーハーな蛾以外の蛾には手を出す気になれなかったのですが…また少し、採集していく虫の幅が広がりそうです(汗)


…そんな感じで、南信での新しい採集生活が始まりました。
樹木の葉も出始め、タマムシがスウィーピングで採れ始めるまであともう少しという感じ。

まだ採集計画を全く立てていない。本当にそろそろ真面目に考えないとダメだ(汗)

面白くなるのはまだまだこれから。

問題はどれだけ動けるか、ですね(汗)

時間が取れるかというよりは、自分のやる気の問題です(汗)


【結果】 ※色付きは自己初採集

2018.03.30

未同定ヒラタゴミムシ
1ex.

ヤセモリヒラタゴミムシ
Colpodes elainus elainus Bates, 1883
1ex.

ヒメツヤゴモクムシ
Trichotichnus congruus (Motschulsky, 1866)
3exs.

サビイロモンキハネカクシ
Ocypus dorsalis Sharp, 1889
1ex.

カタモンブチヒゲハネカクシ
Anisolinus picticornis Sharp, 1889
2ex.


コバネナガハネカクシ
Lathrobium pollens Sharp, 1889
5ex.

未同定ハネカクシ
1ex.

未同定チビシデムシ
1ex.

オオガロアムシ
Galloisiana kiyosawai Asahina, 1959




2018.03.31

コマルガタゴミムシ
Amara simplicidens Morawitz, 1863
1ex.

ハコダテゴモクムシ
Harpalus discrepans Morawitz, 1862
1ex.

キクビアオアトキリゴミムシ
Lachnolebia cribricollis (Morawitz, 1862)
1ex.

スモモキリガ
Anorthoa munda ([Denis & Schiffermüller], 1775)
1ex.

カシワキリガ
Orthosia gothica askoldensis (Staudinger, 1892)
1ex.

マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935
1ex.




2018.04.04

ハコダテゴモクムシ
Harpalus discrepans Morawitz, 1862
1ex.

ヒメツヤゴモクムシ
Trichotichnus (Trichotichnus) congruus Motschulsky, 1866
1ex.

キクビアオアトキリゴミムシ
Lachnolebia cribricollis (Morawitz, 1862)
1ex.

ウスベニスジナミシャク
Esakiopteryx volitans (Butler, 1878)
1ex.

セブトエダシャク
Cusiala stipitaria kariuzawensis (Bryk, 1949)
1ex.


マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935
2exs.

カシワキリガ
Orthosia gothica askoldensis (Staudinger, 1892)
1ex.

キバラモクメキリガ
Xylena formosa (Butler, 1878)
1ex.



2018.04.05

ゴミムシ
Anisodactylus signatus (Panzer, 1797)

ツヤアオゴモクムシ
Harpalus chalcentus Bates, 1873
1ex.

チョウセンゴモクムシ
Harpalus crates Bates, 1873
1ex.

ハスオビエダシャク
Descoreba simplex simplex Butler, 1878
1ex.

チャイロキリガ
Orthosia odiosa (Butler, 1878)
2exs.




2018.04.07

チビミズギワゴミムシ
Polyderis microscopicus (Bates, 1873)
1ex.

タンゴヒラタゴミムシ
Anchodemus leucopus (Bates,1873)
1ex.

トックリゴミムシ
Lachnocrepis prolixa (Bates, 1873)
1ex.

ナミテントウ
Harmonia axyridis (Pallas, 1773)
2exs.

ネアカクサアリハネカクシ
Pella japonicus (Sharp, 1888)
1ex.


モモブトカミキリモドキ
Oedemeronia lucidicollis (Motschulsky, 1866)
1ex.

イトアメンボ
Hydrometra albolineata (Scott, 1874)
1ex.




2018.04.12

ナガマルガタゴミムシ
Amara macronota ovalipennis Jedlicka, 1957
1ex.

チョウセンゴモクムシ
Harpalus crates Bates, 1873
1ex.

クロコブゾウムシ
Niphades variegatus (Roelofs, 1873)
2exs.

ハッカハムシ
Chrysolina exanthematica (Wiedemann, 1821)
1ex.

ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)
1ex.

クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878
1ex.

キンイロキリガ
Clavipalpula aurariae (Oberthür, 1880)
1ex.


マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935
1ex.

イラクサギンウワバ
Trichoplusia ni (Hübner, [1803])
1ex.
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント