2018GW 奈良遠征2日目: チビタマムシしか採れなくてもいい…?

今年は去年と比べて明らかに忙しくなりました。

授業は増えたし、夜回りとかやりだしたし…展翅展足と授業のなんやかんやに追われる日が続いて採集記を書く時間が全然取れません(汗)
なんとか一本書けましたが、この後はタマムシ的に一番熱い時期だし、中間考査とか入ってきてよりキツくなりそうなので…次に更新できるのがいつになるか、私にも分かりません(笑)

GWを脱出できる日はいつになるのか…






2018.04.29(2日目)




「戻ってきたぞ…」

昨晩南部の父親の実家に戻り、この日は朝から以前の採集でも訪れた場所(→採集記)へ。

今の時期ならタマムシもちゃんと採れるはず、そう思っていましたが何かがおかしい。

葉っぱが出てないアカメガシワ
葉っぱがほとんど出てないオニグルミ
葉っぱが出はじめたばかりのコナラ、クヌギ。

花が咲いてるカエデ。



思いの外、季節が進んでいない…(汗)

ミヤマカラスアゲハとか飛んでて…みたいなのをイメージしていたのですがそもそも蝶が一匹も飛んでいない(大汗)

やらかした感に包まれましたが…やるしかない。


まず目に付いたのは、足元の砂利道を飛び回るハンミョウでした。




ニワハンミョウ
Cicindela japana Motschulsky, 1857

ここのハンミョウは斑紋が消失気味の個体が多くて、完全に斑紋が消えた個体も何頭か見られました。




単純に真っ茶色というわけでもなく、緑や赤が混じる不思議な色合いに惹かれました。

他にもハンミョウがいないか探しつつ、地面を見ながら歩いていると、ひときわ綺麗な物体が目に留まりました。





オオセンチコガネ
Geotrupes auratus Motschulsky, 1857

たまたま地面を歩いていた個体を見つける事ができました。ラッキー!
いわゆるルリセンチというやつで、元々奈良に住んでた私にとっては一番馴染みのある青いオオセンチコガネです。
標本をやり始めてからは初めての採集でした。今まで何度目の前で逃げられたことか(笑)




特に多いヤシャブシ、シデなどをスウィーピングしていきますが…これといって何も入らない。
エゴノキからエゴツルクビオトシブミが入ったくらいです。
タマムシ狙いでここに来るなら6月とか7月の方が絶対にいい。今日、私はここに一体何をしに来たんだ…

とはいえ、クヌギやコナラの林は周辺地域レベルで見ても全く無いも同然で、この時期にタマムシ採集が楽しめるような環境がそもそもごく僅か。この地域での採集はほんとに難しいのです…

このポイントにも僅かにあったコナラやクヌギはまだ葉が柔らかく、掬ったところで虫は大して入らなかった…




左: ソーンダースチビタマムシ
Trachys saundersi Lewis, 1893

右: アカガネチビタマムシ
Trachys tsushimae Obenberger, 1922

苦し紛れに低木のウツギを掬うと、ウツギの常連チビタマ2種が採れました。
タマムシボーズは回避…こんなんじゃダメだ(泣)




結構しっかり花が咲いているカエデも見つけたので掬ってみると、カミキリが沢山入ってきました。




上段左から

ピックニセハムシハナカミキリ
Lemula rufithorax Pic, 1901


キバネニセハムシハナカミキリ
Lemula decipiens Bates, 1884

トサヒメハナカミキリ
Pidonia (Cryptopidonia) approximata Kuboki,1977

ナガバヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) signifera (Bates,1884)

チャイロヒメハナカミキリ
Pidonia (Mumon) aegrota aegrota (Bates, 1884)

フタオビヒメハナカミキリ
Pidonia (Omphalodera) puziloi (Solsky,1873)




スギノアカネトラカミキリ
Anaglyptus (Anaglyptus) subfasciatus Pic, 1906

ピックニセハムシハナカミキリとスギノアカネトラカミキリは初採集でした。
この他にも、トゲヒゲトラカミキリがたくさん入ってきましたがヒゲナガコバネカミキリの類が入る事はありませんでした。
この日の採集成果はほとんどこの花掬いに支えられる形になった…


昼頃には撤収。
帰りがけに谷を高速で飛んで抜けていくトンボの姿が見えました。

頭をよぎったのは…
「お前ムカシを思い出せよ!」

環境やこの季節感、そして何より記憶にある飛翔スピード。アイツしかいない。
ここで4年越しのリベンジを果たさなければ…




何分かおきに飛んでくるトンボを待つ。
父親に網を渡したら確実に仕留められてしまう気がしたので、グッと堪えてチャンスを待つ。

たまに来て、タイミングが合わなくて逃げられて。
「あー今ので採れなかったら無理だな」などと言われ(泣)

かなり粘ったのですが結局飛んでこなくなってしまい…

さらに他の場所でもソレが定期的に現れるポイントを発見し、再び粘るもアホみたいな失敗を繰り返して敗退…




地面にはその虫と同種と思われる死骸…ムカシトンボが落ちていました。
今年も結局ダメ。長野でも出会えないかと思ったのですがGW明けの時点で既にシーズン終了感があってダメでした。

ムカシトンボ自己採集はいつになったら実現するのか…




ダンダラチビタマムシ
Trachys variolaris E. Saunders, 1873

帰りも途中で何回か車から降ろしてもらい、良さげな場所でスウィーピングを行いましたが…ダンダラチビタマムシが数頭採れただけでした。
アラカシではないシイ・カシ類のスウィーピングで入ったような記憶が。


その後、父親の実家に戻った後も悪あがきへ。




ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959

ケヤキを掬うとヤノナミガタチビタマムシが入りました。
今日はマジでチビタマムシしか採れないのか…(汗)

ケヤキだけでは納得がいかなかったので、“ウチの山”の方まで行ってさらに悪あがきをする事に。

スダジイのスウィーピングをしてみたものの何も入らなかった…

それでも…ここまで来て諦めたくはない。




カタビロトゲハムシ
Dactylispa subquadrata (Baly, 1874)

そんな思いが通じたのか、ここでコナラからカタビロトゲハムシが入りました。
以前から見てみたかった初採集ハムシで、キベリトゲハムシと比べても迫力のあるカッコいい虫です。

ここで折れるしかないか…

時間的にも限界。 最後にデタラメにスウィーピングして入ったチビタマムシを一頭採集し、本日の採集は終了となりました。
夕方からはまた運転して北部の実家の方へ戻りました。



帰宅後。
最後に採ったチビタマムシがどうも気になったので確認してみることに。
どうせアカガネってオチだろうけど…(笑)


「これは…アカガネではない。」


「え、まさか…!?」






コウゾチビタマムシ
Trachys broussonetiae Y. Kurosawa, 1985

遠征後に真面目に同定した結果…初採集種のコウゾチビタマムシとなりました。
ウチの山ラベルのタマムシはこれで4種目になります。中々侮れない…

コウゾチビタマムシは中々縁がない、というかコウゾがどれなのか分からない(汗)という理由で未だ出会えていないタマムシでした。
(今考えてもこのタイミングで初採集を決められたのは本当に良かったと思う)

最後の最後まで諦めなかった結果、しっかり報われてくれて本当に良かった。

そして。






やられた。(人生初)

前回はヒル、今回はマダニにやられました(汗)
運転中、やたらと股間がかゆいと思って…風呂入る時に確認したら太もも付け根内側に2頭ついてて絶望。
急所はセーフかと、念の為確認すると…3頭目を発見しました。竿にダイレクトアタック食らってました(笑)

父親は全く何ともなかったみたいです。
多分、最後の悪あがきの時に藪に突っ込んだのが問題だったのだろうと…

ヒルにやられた時よりは精神的に余裕があったのですが、マダニは感染症とかの話もあるのでやはり怖い生き物です。
早い段階で気付けて問題なく外せたので、今のところ体に問題は無さそうです。




20180528233147702.jpeg
結局この日の採集で得られたタマムシは全てチビタマムシとなった(笑)
ムカシトンボに敗退したし、全体的な成果もなんとも微妙な感じですが…コウゾチビタマムシに救われた感じです。
次はもっといい時期に、自分自身の腕も磨いてまた訪れられたらいいな…


【結果】 ※色付きは自己初採集

ソーンダースチビタマムシ
Trachys saundersi Lewis, 1893
2exs.

アカガネチビタマムシ
Trachys tsushimae Obenberger, 1922
2exs.

コウゾチビタマムシ
Trachys broussonetiae Y. Kurosawa, 1985
1ex.


ダンダラチビタマムシ
Trachys variolaris E. Saunders, 1873
4exs.

ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959
1ex.

ヒラタアオミズギワゴミムシ
Bembidion pseudolucillum Netolitzky, 1938
1ex.

ミツアナアトキリゴミムシ
Parena tripunctata (Bates, 1873)
1ex.

ミヤマジュウジアトキリゴミムシ
Lebia sylvarum Bates, 1883
1ex.

スギノアカネトラカミキリ
Anaglyptus (Anaglyptus) subfasciatus Pic, 1906
1ex.


トゲヒゲトラカミキリ
Demonax transilis Bates, 1884
2exs.

ピックニセハムシハナカミキリ
Lemula rufithorax Pic, 1901
2exs.


キバネニセハムシハナカミキリ
Lemula decipiens Bates, 1884
1ex.

トサヒメハナカミキリ
Pidonia (Cryptopidonia) approximata Kuboki,1977
1ex.

ナガバヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) signifera (Bates,1884)
1ex.

チャイロヒメハナカミキリ
Pidonia (Mumon) aegrota aegrota (Bates, 1884)
1ex.

フタオビヒメハナカミキリ
Pidonia (Omphalodera) puziloi (Solsky,1873)
1ex.

ニワハンミョウ
Cicindela japana Motschulsky, 1857
5exs.

オオセンチコガネ
Geotrupes auratus Motschulsky, 1857
1ex.

未同定エンマコガネ
1ex.

ヒゲナガオトシブミ
Paracycnotrachelus longicornis (Roelofs, 1874)
1ex.

エゴツルクビオトシブミ
Cycnotrachelus roelofsi (Harold, 1877)
2exs.

カタビロトゲハムシ
Dactylispa subquadrata (Baly, 1874)
2exs.

ミドリヒメコメツキ
Vuilletus viridis viridis (Lewis, 1894)
2exs.


コミミズク
Ledropsis discolor (Uhler, 1896)
1ex.

キバラヘリカメムシ
Plinachtus bicoloripes Scott, 1874
1ex.


未同定ハエ
1ex.
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