大名降臨


「ここ、ダイミョウアトキリゴミムシとかいるらしいです」

それはまだ、夜回りを始めた初期の頃。
この夜回りポイントで、昔ダイミョウアトキリゴミムシが採れたことがある、という情報を入手したのでした。
以来、今年の夜回り目標種の一つとなりました。

そしてこの間の採集(→採集記)で夜回りポイントではないにしても採集に成功。
さらに先輩が夜回りポイントでダイミョウアトキリを召喚したことで確実に現在でも見られる事が判明したのでした。

ダイミョウアトキリは今の時期に出るのかもしれない…

夏休みに入って帰省する前に出会わなければ。





2018.08.05

この日は先輩と一緒に夜回りへ。
私は随分久しぶりの夜回りだったのですが…コオロギやキリギリスの類がたくさん鳴いていてすっかり秋らしくなっていました(汗)
もうクワガタ、カブトのシーズンも終盤だとか。

ゴモクムシ類がかなり増えているように感じました。
もう秋のオサゴミ新成虫が出始める時期になってるのか…!?




セアカオサムシ
Carabus (Hemicarabus) tuberculosus Dejean, 1829

そんな予感は的中していて…ピカピカのセアカオサムシを発見しました。




左: オオキンナガゴミムシ
Poecilus (Poecilus) samurai (Lutshnik, 1916)

右: ムラサキオオゴミムシ
Trigonognatha coreana (Tschitscherine, 1895)

さらに大型美麗種も2種。
もうすっかりゴミムシルッキングが楽しい時期になってんじゃねえか…
9月にこちらに戻って来てからがゴミムシの本番だと思い込んでたけどそんな事なかった(汗)

この日は蛾はコスズメくらいしか採集せず。
しかし翌日も夜回りへ行きました。





2018.08.06

この日は色々事情があって(ここで書く気にはならない)、普段の夜回りの他にベイトトラップの回収とかライトトラップとかもやってました。



上段左から
キベリカタキバゴミムシ
Badister (Baudia) marginellus Bates, 1873

カラカネゴモクムシ
Platymetopus flavilabris (Fabricius, 1798)

オオクロツヤゴモクムシ
Trichotichnus (Trichotichnus) lewisi Schauberger, 1936

トゲアトキリゴミムシ
Aephnidius adelioides (MacLeay, 1825)

コルリアトキリゴミムシ
Lebia (Lebia) viridis Say, 1823

どれもこのポイントでは初見になるゴミムシたち。
夜回り行くたびに新しいゴミムシが見られて飽きる事がありません。




フタオレウスグロエダシャク
Biston thoracicaria (Oberthür, 1884)

たくさんいる地味系なエダシャク…の感じだけど、言われてみれば確かに見覚えのある形です。
基本的にあまり多くは無い種だそうです。




ヤマムツボシタマムシ
Chrysobothris igai Y. Kurosawa, 1948

先輩が死骸を見つけて譲ってくれました。
まさか夜回り中にムツボシタマムシを得ることになるとは思わなかった(笑)


結局この日もヤママユやダイミョウアトキリに出会う事はなく、最後の勝負へ。





2018.08.09

この後しばらくの間、埼玉に帰省するので次にここで夜回りを行えるのは9月以降になる。
これがラストチャンスな気がする…一人で夜回りへ。




エゾスズメ
Phyllosphingia dissimilis dissimilis (Bremer, 1861)

これは多分どのスズメガにも言える事ですが、生きてる時は格好良く見えるスズメガでも展翅がヘタクソだとなんとも情けない標本が出来上がってしまいます。
調子に乗って蛾を採りすぎると後で地獄を見る事になる…分かってるのに何故何度も同じ失敗を繰り返してしまうのか…




エゾカタビロオサムシ
Calosoma chinense chinense Kirby, 1818

この3日間はエゾカタビロオサムシにもたくさん出会えました。
初めて出会った時はかなり喜んだけど…もうさすがに有り難みも感じられなくなりました(笑)
黒い方にもいつか出会えるだろうか…




ダイミョウアトキリゴミムシ
Cymindis (Menas) daimio Bates, 1873

順番は後回しになりましたが…ダイミョウアトキリも実は序盤で採れてました(笑)
枯葉の中を駆け抜けるこの虫は一瞬視界に入っただけでコレだと分かる、独特の雰囲気を持ってます。



20180818182156b76.jpeg
さらに、ほぼ同じ場所でもう一頭追加個体を得たのですが…やたらと大きい事が気になった。





右は少し前に近場採集で得たダイミョウアトキリゴミムシ。
真ん中と左は今回の採集個体。真ん中はダイミョウアトキリで良さそうですが、左はその2頭と比較して明らかに大きく、U字の紋の形や色も微妙に異なるような気がしました。

ダイミョウアトキリゴミムシには良く似たモモグロダイミョウアトキリゴミムシという種がいるようなのですが、こちらは北海道のみの分布…ではなかったようで(汗)

〈参考〉
芝田太一(1964) 本州にもいるモモグロダイミョウゴミムシ,昆虫学評論,19(2)

http://coleoptera.sakura.ne.jp/ERJ/ERJ19(2)1967.pdf


長野県でもモモグロダイミョウアトキリゴミムシの記録はあるようで、特徴を一つ一つ照らし合わせて確認した結果…今回の個体(左の一頭)はモモグロダイミョウアトキリゴミムシに該当する虫である事が分かりました。

ただし、現在ではモモグロダイミョウアトキリゴミムシはダイミョウアトキリゴミムシの1型って事で同種という扱いをされているみたいで…?

結局の所、今回採集したのは

・ダイミョウアトキリゴミムシ(腿節黒化型)
・ダイミョウアトキリゴミムシ(モモグロダイミョウ型)


という、ややこしい感じになるって事なんでしょう(笑)


とにかく、狭い夜回りポイントにダイミョウアトキリだけでなく、モモグロダイミョウと呼ばれたタイプまで生息している事が分かりました。
本当にここのゴミムシ層はどうなってるんだ…!?(汗)


この日もついにヤママユには出会えずじまいでしたが…多分この後の採集で出会えるのだろう、と気楽に考えていました(笑)


【結果】 ※色付きは自己初採集

2018.08.05

セアカオサムシ
Carabus (Hemicarabus) tuberculosus Dejean, 1829
1ex.

エゾカタビロオサムシ
Calosoma chinense chinense Kirby, 1818
2exs.

ムラサキオオゴミムシ
Trigonognatha coreana (Tschitscherine, 1895)
1ex.

オオキンナガゴミムシ
Poecilus (Poecilus) samurai (Lutshnik, 1916)
1ex.

ヒロゴモクムシ
Harpalus (Harpalus) corporosus (Motschulsky, 1861)
1ex.

コスズメ
Theretra japonica (Boisduval, 1869)
1ex.



2018.08.06

ヤマムツボシタマムシ(死骸)
Chrysobothris igai Y. Kurosawa, 1948
1ex.

オオキンナガゴミムシ
Poecilus (Poecilus) samurai (Lutshnik, 1916)
1ex.

未同定ツヤヒラタゴミムシ
1ex.

未同定ツヤヒラタゴミムシ
1ex.

未同定モリヒラタゴミムシ
1ex.

オオズケゴモクムシ
Harpalus (Pseudoophonus) eous Tschitschérine, 1901
1ex.

カラカネゴモクムシ
Platymetopus flavilabris (Fabricius, 1798)
1ex.

オオクロツヤゴモクムシ
Trichotichnus (Trichotichnus) lewisi Schauberger, 1936
1ex.


クビナガゴモクムシ
Oxycentrus (Oxycentrus) argutoroides (Bates, 1873)
1ex.

トゲアトキリゴミムシ
Aephnidius adelioides (MacLeay, 1825)
1ex.

コルリアトキリゴミムシ
Lebia (Lebia) viridis Say, 1823
1ex.

キベリカタキバゴミムシ
Badister (Baudia) marginellus Bates, 1873
1ex.

マツノマダラカミキリ
Monochamus (Monochamus) alternatus Hope, 1842
1ex.

クロマルエンマコガネ
Onthophagus (Phanaeomorphus) ater Waterhouse, 1875
4exs.

ツヤエンマコガネ
Parascatonomus (Necramator) nitidus (Waterhouse, 1875) / ツヤエンマコガネ
1ex.

未同定ビロウドコガネ
1ex.

ニジゴミムシダマシ
Tetraphyllus lunuliger lunuliger (Marseul, 1876)
1ex.

オオヒラタシデムシ
Necrophila (Eusilpha) japonica ( Motschulsky, 1862)
1ex.

アカバハネカクシ
Platydracus paganus (Sharp, 1874)
1ex.

ムネビロハネカクシ
Algon grandicollis Sharp, 1874
1ex.


未同定エンマムシ
1ex.

フタオレウスグロエダシャク
Biston thoracicaria (Oberthür, 1884)
2exs.




2018.08.09

ダイミョウアトキリゴミムシ
Cymindis (Menas) daimio Bates, 1873
2exs.

トックリゴミムシ
Lachnocrepis prolixa (Bates, 1873)
1ex.

スジクワガタ
Dorcus striatipennis striatipennis Motschulsky1862
1ex.

モンクロアリノスハネカクシ
Zyras (Zyras) haworthi (Stephens, 1832)
1ex.


エゾスズメ
Phyllosphingia dissimilis dissimilis (Bremer, 1861)
1ex.

ギンモンスズメモドキ
Tarsolepis japonica japonica Wileman & South, 1917
1ex.

シラホシヨトウ
Melanchra persicariae (Linnaeus, 1761)
1ex.
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>>(非公開)さん

私も元々、蛾は苦手でした。
舞い上がる鱗粉とか、触るのもダメで…
ビビりながら指で突っついてた時期もありました(笑)

少しずつ慣れて、標本作るようになって。
今年からは先輩方に色々教えてもらったのもあって蛾の魅力にますます取り込まれています(笑)