チビタマムシの季節


2018.08.16

栃木遠征から帰ってきて…ここからしばらく埼玉の実家の方に滞在します。
とりあえずいつものやついっとこうという事で、河川敷へ向かいました(笑)

ナガタマムシの時期もそろそろ終わり、これからはチビタマムシの季節です。
…去年も同じような事言って、結局ゴミムシ採集に走って全然真面目にチビタマムシ採集してなかった気がするので、今年は真面目にやります。




今回は各種チビタマムシの新成虫と(ヤマト)タマムシが目標です。
今の時期なら丁度どちらも狙えるはず。





ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873

ムクノキの葉上で早速ナミガタチビタマムシを発見しました。
木の大きさに関係なくたくさん付いていて、スウィーピングでもかなり多く入りました。
ヤノナミガタチビタマムシと非常に良く似ていて同定が困難ですが、ムクノキ・エノキの葉を食べている個体に関してはナミガタチビタマムシと判断してほぼ間違いないかと思います。




ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959

一方でケヤキの葉を食べているのがヤノナミガタチビタマムシです。
両種で食べる樹木が異なるので、葉っぱを食べている個体を選べばある程度検討をつけた上で採集することが出来ます。

ただ、葉っぱを食べているわけでは無く葉上に止まっているだけの個体ではこの判定方法も使えません。
個体数の多いこれらのチビタマムシは、発生木周辺の全然関係ない植物の葉上に止まってることも多いので…ケヤキとムクノキ、エノキが同所的に生えている場所では葉を食べている個体以外は疑っていく必要があります。





マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873

マルガタチビタマムシもムクノキにつくチビタマムシですがナミガタチビタマムシと比べるとかなり少なく、出会えるとちょっと嬉しくなる虫の一つです。
ナミガタチビタマムシと比べると小さめで金色(黄色)みが強く、よく見ると模様も若干異なります。

GWの時に見つけたポイント(1本の小さなムクノキ)では何故かナミガタチビタマムシより多くのマルガタチビタマムシが葉上に止まっているのが見つかりました。




クズノチビタマムシ
Trachys auricollis E. Saunders, 1873

クズにはクズノチビタマムシがいますが…何故かGWにたくさん見られたポイントでの個体数は少なく、見つけるのに少し苦労させられました(汗)

このポイントのクズの葉上ではマメチビタマムシも見つけていますが、クズを見るよりは…




ヤブマメ。
マメチビタマムシがよく見られるのはこっちです。
クズの葉っぱをそのまま小さくしたような雰囲気です。

つる植物なので地面を這うように葉を広げていて、足元を見ていないと意外と気がつかなかったり(実際GW採集では存在に気がつかなかった)

天気が悪くなってきたのもあってか、葉の表面にチビタマムシの姿はありませんでしたが…低い位置をスウィーピングしてみるとマメチビタマムシが1頭だけ入ってくれました。




ウメ?

ウメっぽい木を見つけて立ち止まる。
この日は同じ場所を少し前に1回通りかかってて、軽くスウィーピングしてみたのですが何も入らず…

しかし諦めきれなかったのでここで新たな技を試してみることにしました。




ビーティング(のようなもの)です。

叩き棒(突っ張り棒)で枝先をバシバシ叩いて、網でキャッチする作戦です。
スウィーピングよりはるかに強い力で枝先に衝撃を与えることができるので、網で受けた範囲にいる虫はほぼ確実に落とすことが出来る…はず。

天気とかの問題もあるでしょうが、基本的にチビタマムシはスウィーピングよりビーティングとの相性がいい虫(のイメージがあったが、必ずしもそうではないらしい)
実際にスウィーピングが弱すぎると葉っぱにしがみついたまま落ちてこないのを確認した事もあるくらいですが、弱いスウィーピングでも採れる人には採れるという…(汗)

とりあえず今回はお試しという事で。やってみました。






ウメチビタマムシ
Trachys inconspicuus E. Saunders, 1873


「マジか採れた!!」

埼玉では初採集になります。まさかこんなに身近で採れる虫だったとは…
さらには他の場所にあるウメ、以前スウィーピングを徹底的にやってダメだった所でもビーティングによって2頭のウメチビタマムシを採集することができました。

やってみるもんだな…
とりあえず今シーズンは今後も色々叩いていくつもりです!

ズミチビとかクサビチビを目指して…(笑)




かなり懐かしい場所に来ました。
冬場の採集ではお世話になってますが、夏場に来るのは割と久々?

おそらくこの場所なら探してるあの植物もあるだろうと…




ありました。これがヌスビトハギです。
ヤブマメとよく似てますが、葉はより細めでつる性ではないのでしっかり垂直方向に茎を伸ばして立体的になります。
同所にはヤブマメも多く生えていて、葉上で時々マメチビタマムシも見つかりました。

ここは過去に何度も何度も通った道なのですが…今までこの2種の植物の存在に全く気がつかず(ちゃんと覚えてなかっただけでもあるけど)、マメチビタマムシもこのポイントでは初めて見ました。

狙うのはヌスビトハギチビタマムシですが…食痕は少し見つかるものの肝心の生体が見当たらない…
スウィーピングやビーティング的な事をやりまくってどうにか1頭を確保するも…同定したらマメチビタマムシに化けました(笑)




コシロシタバ
Catocala actaea Felder et Rogenhofer, 1874

このポイントではコシロシタバも採れました。
前々から見かけてたものの何故か採集してなかったCatocala、薄暗いこの林の中では樹皮に止まってる個体がよく見つかります。




ダンダラチビタマムシ
Trachys variolaris E. Saunders, 1873

クヌギの低い枝を叩いてダンダラチビタマムシも確保。
初夏より少ない気はしますが、ちゃんと採れてくれて一安心です。


この後はヒシモンナガタマムシを狙いに、去年秋にたくさん採れた木のある場所に行ってみたのですが…何故か1頭も採れませんでした。
まだ早かったのかな?




カメノコテントウ
Aiolocaria hexaspilota (Hope, 1831)

代わりにカメノコテントウが採れました。
クルミハムシとかヤナギハムシの多い長野の方では各地でよく採れますが、この河川敷では初めて見ました。というかいると思わなかった(汗)
デカいハムシだけじゃなくて、ヤナギルリハムシとか色々食べるらしい…


一通りできる事はやったかなと思い、これで採集終了です。



201808282249074b9.jpeg
上から時計回りに
マメチビタマムシ
ナミガタチビタマムシ
マメチビタマムシ
ヤノナミガタチビタマムシ
ウメチビタマムシ
クズノチビタマムシ
マルガタチビタマムシ
ダンダラチビタマムシ

ヌスビトハギは空振りましたが…今回は7種のチビタマムシを採集することが出来ました。

低地でも採れるチビタマムシはこれ以外にもいくつかいます。
ちょっとした公園なんかでも植栽された木などにチビタマムシが見つかる事もあり…今は色んなチビタマムシの新成虫が身近で楽しめる季節なので探してみてはいかがでしょうか。

今回の採集はなんか途中から作業感が強くなって虚しくなりましたが…ウメチビタマムシも新たに採集できたし、この時期にちゃんと1種ずつ狙ってチビタマムシを採るって事をやっておきたかったというのもあるので、それなりにちゃんと採れてくれて良かったかなと思います。

次は長野で、山地性のチビタマと未採集種を狙わねば…!

ちなみにですが、この日は(ヤマト)タマムシがいるだろうなと思ってGW採集でムネアカナガタマムシとか採ったエノキの折れた木を見に行ったり樹冠を眺めたりしたのですが、風めっちゃ強くて天気も悪くなり飛んでいる姿すら目撃できませんでした。

今年はタマムシに出会えないまま夏を終えてしまうのかな…


【結果】 ※色付きは自己初採集

クズノチビタマムシ
Trachys auricollis E. Saunders, 1873
1ex.

ウメチビタマムシ
Trachys inconspicuus E. Saunders, 1873
3exs.

マルガタチビタマムシ
Trachys inedita E. Saunders, 1873
4exs.

ダンダラチビタマムシ
Trachys variolaris E. Saunders, 1873
3exs.

マメチビタマムシ
Trachys reitteri Obenberger, 1930
3exs.

ナミガタチビタマムシ
Trachys griseofasciata E. Saunders, 1873
3exs.

ヤノナミガタチビタマムシ
Trachys yanoi Y. Kurosawa, 1959
1ex.

ヒラタアトキリゴミムシ
Parena cavipennis (Bates, 1873)
1ex.

トゲアトキリゴミムシ
Aephnidius adelioides (MacLeay, 1825
1ex.

カメノコテントウ
Aiolocaria hexaspilota (Hope, 1831)
2exs.

シロテンハナムグリ
Protaetia (Calopotosia) orientalis sakaii Kobayashi, 1994
1ex.

アカボシゴマダラ原名亜種
Hestina assimilis assimilis (Linnaeus, 1758)
1ex.

コシロシタバ
Catocala actaea Felder et Rogenhofer, 1874
1ex.
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