まだまだ夜回りは続く


以前の採集記で上げ忘れてたのも含め、ここ最近の夜回りなどちょっとした採集をまとめて紹介。

今年も春の蛾が見られる季節になりましたね。
私はこの春から新しくバイトを始めたのですが、それが終わるのが21:30以降なので……最低でも週に2回、帰り道に夜回りポイントの街灯をサクッとチェックする習慣がつきました(笑)
おかげで今年は去年より高頻度で夜回りできてる気がします。

しかしバイトの多い週に夜回りまで真面目にやってしまうと、他の事に手が付けられず疲れ果てて死んでしまいます……(汗)
楽しい時期は加減が難しいですね。



2019.03.18-19


アトジロエダシャク
Pachyligia dolosa Butler, 1878

帰省から長野に戻った夜の帰り道で見かけたアトジロエダシャク。
去年埼玉で1頭出会っているのですが、あの時は採集しませんでした。
この1年でいろいろな蛾に出会って、本種の魅力も分かるようになりました。ここで初採集を決めました。
この他に初見のカバキリガとホソバキリガも採集しました。




オカモトトゲエダシャク
Apochima juglansiaria (Graeser, 1889)

こちらは2月末に初採集したオカモトトゲエダシャク。
翅畳んでると分かりにくいけど、もう既にボロボロでした……



2019.03.28


チャイロキリガ
Orthosia odiosa (Butler, 1878)

きれいなチャイロキリガがいたのでお持ち帰り。



2019.04.09


ナガヒョウホンムシ
Ptinus (Cyphoderes) japonicus Reitter, 1877

寝ようとして電気を消した時、枕元を歩く虫がいる事に気づく。
これが初めて見るナガヒョウホンムシでした。
家屋害虫としても知られる本種ですが、いつでもどこでも出会おうとして出会える虫って感じではない……
寒さに強く真冬に屋外で活動する個体もよく見つかるとか。いずれにせよ見つかるのは電灯の近くだったり水道の近くだったり……人間生活に近い場所で生きる虫です。



2019.04.15


ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)

この日はヨモギキリガを採集。淡くて落ち着いた独特の雰囲気が結構好きなキリガです。
後翅も含めて結構赤みが強くて美しい色合いの個体でした。後翅欠けてたのが残念だけど……

他にはアカバキリガやクラマトガリバを採集。
今年はなぜかクラマトガリバにこの後たくさん出会うことに……去年はそんなに見た覚えなかったんだけどな(汗)



2019.04.16


ハコダテゴモクムシ
Nipponoharpalus discrepans (Morawitz, 1862)

体形が独特。この辺りで見られる可能性があるのはハコダテくらいしかいないので分かりやすい。
春先には多く見られますがそれ以降は全然見なくなる気がします。



2019.04.18


マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935


キンイロキリガ
Clavipalpula aurariae (Oberthür, 1880)

この日ようやくシーズン初見となった、マツキリガとキンイロキリガ。
どちらも既採集種ですが……美しくて大好きなキリガなのでうれしくなりました。



2019.04.20

この日は掘り採集にも行きましたが、夜に先輩が街灯ポイントへ連れて行ってくださりました。




左: カシワキボシキリガ
Lithophane pruinosa (Butler, 1878)

右上: ヤスジシャチホコ
Epodonta lineata (Oberthür, 1880)

右下: ノヒラトビモンシャチホコ
Drymonia basalis Wileman et South, 1917

晴天かつ満月という条件の中でしたが、結構いろいろな蛾が見られました。
この日見た蛾の中でも特にうれしかったのが……




ウスアオキリガ
Lithophane venusta (Leech, [1889])

前々から見てみたかった、淡い緑色が美しいウスアオキリガです。
街灯下の地面に止まっていたので気付かずに踏んでしまったのか、若干つぶれてましたが……しっかりと標本にする事ができました。




ナガマルガタゴミムシ
Amara (Curtonotus) macronota Solsky, 1875

こちらは普通のナガマルガタゴミムシなのですが……なぜか当時の自分はヒョウゴマルガタゴミムシと勘違いしていて、この数日の間に何頭もナガマルガタゴミムシを採集してしまいました(汗)
自分の中のナガマルガタゴミムシのイメージがいつのまにか実物と異なるものになっていた……



2019.04.21

月が隠れるほどの曇天で気温が高い夜。
この季節、このタイミングは外せない……

今日は間違いなく当たる、そんな期待を抱きつつ夜回りへ。




クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878


ホソバキリガ
Anorthoa angustipennis (Matsumura, 1926)

春先によく見つかるキリガ2種。
クロミミ、ホソバ、ブナ、ミヤマカバ辺りの違いがまだはっきり理解できていません(汗)
この同定も合ってるかどうか微妙……
特にクロミミキリガは本当に変異幅の大きいキリガで悩まされます。




トチュウウスクモヨトウ
Protegira songi (Chen et Zhang, 1995)

トチュウを食べる外来種。なんだかいろいろなところで少しずつ見つかっているみたいですね。
今年は結構な個体数に出会えた気がしますが、私があまりにも無能すぎるため去年も今年も展翅に失敗してしまいました……きれいな標本は1つもない(汗)




ナマリキリガ
Orthosia satoi Sugi, 1960

去年はわずか1日しか出会えなかった、神出鬼没のナマリキリガにもちゃんと出会えました。
(出るなら今日だよな、と思いつつ行ったところはあるので、期待に応えてくれて何よりでした)

街灯に覆い被さるように枝を伸ばしている木を蹴ったら複数のマツキリガと共に落ちてきました。たまたまコンクリートの上に落ちてくれたから良かったものの、枯葉の上とかに落ちてたら気づかなかっただろう……(汗)
今年の夜回りでは諸事情により網を使う事を自粛しているので(別に後ろめたい理由があるわけではなく、これが本当にしょうもない諸事情だったりする……)、街灯に止まってる蛾を玉の柄を伸ばして落としているのです。

網で受ける事ができないし、飛んでるキリガは原則無視するしかなく……無駄に難易度が上がりました。




ケンモンキリガ
Egira saxea (Leech, [1889])

ケンモンキリガも変異幅の大きな蛾(というイメージ)で、去年は色がもっと淡い感じの個体を一頭採ってみたのですが……持って帰ってよく見たらかなりスレてる個体であることに気づかされてがっかりした思い出(汗)
今年のこの個体はちゃんときれいな個体だったので、しっかり持って帰って標本にします。




キバラヒトリ
Epatolmis caesarea japonica (Walker, [1865])

キバラヒトリも出始めていました。
刺激すると写真のように黄色い腹部を見せつける擬死体勢を取ります。
長野にはわりと多いらしいキバラヒトリですが、♀が非常に少ないらしく……一応ちゃんと1頭1頭チェックしていますがまだ出会えていません(汗)


そして……とある街灯で。
この街灯で先輩は去年タケウチエダシャクの♀を採集されていました。

期待と緊張の入り混じる中、樹皮をライトで照らすとそこには不気味な物体が止まっていた……






「あれは!! ていうか……デカくね?」


(低いところに下ろす)




タケウチエダシャク
Biston takeuchii Matsumura, 1931


「ほんと、なんでだろうな……」

そこに居たのは紛れもなくタケウチエダシャクで、♀でした(汗)
私としては今回がようやく初採集になる春の大型蛾。今年の夜回り最大目標みたいなものだったので、うれしいのですが……喜びより先に頭に浮かんだのは去年の出来事(汗)
去年は先輩がタケウチエダシャク♀を採集し、その後なんとか♂を追加して交尾目前のところまでいったのですが……
(→採集記

これはつまり……そういうことなのか。
去年のリベンジを果たせと。今度は、私が……

アツい展開になってきたな……まだまだ夜回りはやめられない(汗)
先輩に連絡して、この個体は生かして持って帰ることにしました。
これでこの日の夜回りは終わり。ナマリキリガにタケウチエダシャクと、やはりいい夜でした。
セアカオサムシは見つけられず、アカガネアオゴミムシの活動個体を確認するまでにとどまりました。



2019.04.22


アカスジアオリンガ
Pseudoips sylpha (Butler, 1879)

バイトからの帰り道にアカスジアオリンガを拾って、とりあえず帰宅した……ものの、やっぱり夜回りに出ることに(汗)
少しでも早くタケウチエダシャクの相方を確保してあげなければ。そんなことを思いながら。




ムラサキエダシャク
Selenia tetralunaria (Hufnagel, 1769)

去年初めて知って好きになった蛾、ムラサキエダシャクが居ました。
裏面の模様がとても美しいです。次採れたら裏展翅もアリかな……




スギタニキリガ
Perigrapha hoenei Püngeler, 1914

今まで「あまり蛾が来ない」としてスルーしていた街灯に普通に蛾が来ていることに気づいた。
マツキリガとかが街灯についているのを確認しつつ、下の草にはきれいなスギタニキリガが。
去年は欠けた個体しか採れなかったのでこれはうれしい1頭でした。


そろそろあのオサムシが出る季節。
去年の夜回りで濃い場所は大体分かってきたので、その周辺を丁寧にルッキングしてみると……




これだ!




セアカオサムシ
Carabus (Hemicarabus) tuberculosus Dejean, 1829

今年も無事に出会えました。越冬明けのセアカオサムシです。
しかしここのセアカオサムシは何でこんなにくすんだ色の個体ばかりなのだろうか……
某所の個体はみんなきれいに思えるけど、何がその違いを生んでいるのでしょう。

この日の夜回りはこれで終わり……タケウチエダシャクに出会うことはなかった。



2019.04.25

タケウチ♂は先輩が確保してくださって何とかなりましたが……なんやかんやで楽しい時期なのでまだ夜回りを続けることに。
他に人を誘っておきながら、自分は疲れ果てて寝落ちしかけたけど結局参加者0人だったので無問題でした……(笑)
そんな訳でちょっと遅めに夜回り開始。




ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)

早々にヨモギキリガが採れました。
前に採った個体ほどではないですが、この個体もほんのり赤くて美しいです。




ナマリキリガ
Orthosia satoi Sugi, 1960

前回と全く同じ街灯で。今回は街灯に止まってました。
つついて落とした時に少し羽ばたいて、その時に鉛のような渋い灰色の前翅と真っ白な後翅が見えて……ナマリキリガだと確信できました。
即座に網を使えない状況なのでマジで焦ったけど、幸い今回も人工物の上に落ちてくれてセーフでした(汗)




アオオサムシ

この夜はアオオサムシも見られました。
確かに十分暖かくはなったけど……急にたくさん出てきたなという感じ(汗)



2019.04.26


シロシタヨトウ
Sarcopolia illoba (Butler, 1878)

前日も出会っていたシロシタヨトウ(左側の個体が前日のもの)。
絶妙に良い蛾オーラを放っているなあと思いつつ採集してみると、結構えげつない農業害虫であると知る(笑)
確かにこの雰囲気、カブラヤガとかハスモンヨトウに通ずる何かを感じますね……

ちなみに本種の幼虫の丸まった時の姿は「抹茶ロールケーキ」とか呼ばれているらしい。画像検索してみたけど確かに似ている……(笑)




クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878

見慣れない雰囲気のキリガだ……これはミヤマカバかと思いながら採集してみるも案の定クロミミキリガだった(汗)
でもこれはこれで格好いいのでOKです!




クロモクメヨトウ
Dypterygia caliginosa (Walker, 1858)

最初トチュウウスクモヨトウのとんでもない変異個体かと思った(汗)
誰かが採集した個体の写真は何度も見た覚えがあったのですが、真っ黒に見えていた部分にもよく見たら他のヨトウガ類と同じような丸い紋があったりして、想像以上に美しい蛾でした。
黒×金のカラーリングは高級感があって良いですよね……クロコモンタマムシもそうだし。




2019.05.01

新しい元号、「令和」を迎えつつ、やっぱ昨日行っとけばよかったなど思いながら夜回りへ。



このポイントではあまり多くないという、ヒメマイマイカブリの交尾シーンを幸運にも見ることができました。
採集しようかと思ったけど今回はなんか気分じゃなかったので見逃してあげた……




コウチスズメ
Smerinthus tokyonis Matsumura, 1921

夕方まで結構雨降ってたのでその影響もあってかほとんど街灯に蛾は飛来しておらず……部屋出て3歩くらいで見つけたコウチスズメを採集しただけに終わりました。これが令和初虫になりました。
タマムシじゃない……と悔やむ予定でしたが普通にうれしいからOK!




20190502193830944.jpeg
とりあえず春の夜回りラッシュはこれでいったん落ち着くかなという感じです。
ナマリキリガに二回出会えたり、タケウチ♀とかに出会えるなど去年と比べて楽しめたこともあった反面、地味に追加したかったカシワキリガとかトビモンオオエダシャクに全く出会えなかったのがちょっと残念だったり。
トビモンオオエダシャクの出る時期はマジで分からない……
この辺りのは他地域と比べてかなり遅めで、例年ゴールデンウィーク辺りで出るというのですが……まだ可能性あるのかな!?

自発的な夜回りに出かける事は減るかもしれませんが、結局バイトの帰り道に街灯眺める事になるので……まだまだ夜回りは続きそうです(笑)





〈タケウチエダシャクのその後〉

せっかくの初採集個体とはいえ、次いつ出会えるか分からない貴重な♀をそのまま〆られる訳もなく、とりあえず先輩に連絡すると、何と先輩はこの翌日にタケウチエダシャク♂を確保してくださって、とりあえず雌雄合流させることができました。
その後、私の方でタケウチエダシャク♂に出会うことはなかったので助かりました。
私の方がバタバタしてて、雌雄合流後は結局ほとんど先輩に管理を投げる形になってしまった……(汗)




交尾シーンは確認できなかったものの2晩後には卵を確認できました。最終的に70〜80くらいの卵を産んでくれました。
私が無能すぎるので♀は見ての通りボロボロになってしまいましたが……卵をちゃんと育てて羽化させればいいのだ(汗)
ちゃんとできるだろうか……?


【結果】 ※色付きは自己初採集

2019.03.18

アトジロエダシャク
Pachyligia dolosa Butler, 1878
1ex.

カバキリガ
Orthosia evanida (Butler, 1879)
1ex.

ホソバキリガ
Anorthoa angustipennis (Matsumura, 1926)
1ex.




2019.03.19

オカモトトゲエダシャク
Apochima juglansiaria (Graeser, 1889)
1ex.



2019.03.28

チャイロキリガ
Orthosia odiosa (Butler, 1878)
1ex.



2019.04.09

ナガヒョウホンムシ
Ptinus (Cyphoderes) japonicus Reitter, 1877
1ex.




2019.04.15

ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)
1ex.

アカバキリガ
Orthosia carnipennis (Butler, 1878)
1ex.

クラマトガリバ
Sugitaniella kuramana Matsumura, 1933
1ex.



2019.04.16

ハコダテゴモクムシ
Nipponoharpalus discrepans (Morawitz, 1862)
1ex.



2019.04.18
マツキリガ
Panolis japonica Draudt, 1935
2exs.

キンイロキリガ
Clavipalpula aurariae (Oberthür, 1880)
2exs.



2019.04.19

ナガマルガタゴミムシ
Amara (Curtonotus) macronota Solsky, 1875
1ex.



2019.04.20

ナガマルガタゴミムシ
Amara (Curtonotus) macronota Solsky, 1875
2ex.

ズグロキハムシ
Plagiosterna japonica (Harold, 1877)
1ex.


クビカクシナガクチキムシ
Scotodes annulatus Eschscholtz, 1818
1ex.

ウスアオキリガ
Lithophane venusta (Leech, [1889])
1ex.

カシワキボシキリガ
Lithophane pruinosa (Butler, 1878)
1ex.

カタハリキリガ
Lithophane rosinae (Püngeler, 1906)
1ex.


ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)
1ex.

ヤスジシャチホコ
Epodonta lineata (Oberthür, 1880)
1ex.

ノヒラトビモンシャチホコ
Drymonia basalis Wileman et South, 1917
1ex.




2019.04.21

ナガマルガタゴミムシ
Amara (Curtonotus) macronota Solsky, 1875
1ex.

ホソバキリガ
Anorthoa angustipennis (Matsumura, 1926)
1ex.

クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878
1ex.

ナマリキリガ
Orthosia satoi Sugi, 1960
1ex.

ケンモンキリガ
Egira saxea (Leech, [1889])
1ex.

トチュウウスクモヨトウ
Protegira songi (Chen et Zhang, 1995)
2exs.

カブラヤガ
Agrotis segetum ([Denis et Schiffermüller], 1775)
1ex.

タケウチエダシャク
Biston takeuchii Matsumura, 1931
1ex.




2019.04.22

セアカオサムシ
Carabus (Hemicarabus) tuberculosus Dejean, 1829
1ex.

スギタニキリガ
Perigrapha hoenei Püngeler, 1914
1ex.

ムラサキエダシャク
Selenia tetralunaria (Hufnagel, 1769)
1ex.

アカスジアオリンガ
Pseudoips sylpha (Butler, 1879)
1ex.

キバラヒトリ
Epatolmis caesarea japonica (Walker, [1865])
1ex.



2019.04.25

アオオサムシ

2exs.

未同定ゾウムシ
1ex.

アカホソアリモドキ
Clavicollis fugiens (Marseul, 1876)
1ex.


ヨモギキリガ
Orthosia ella (Butler, 1878)
1ex.

ナマリキリガ
Orthosia satoi Sugi, 1960
1ex.

シロシタヨトウ
Sarcopolia illoba (Butler, 1878)
1ex.




2019.04.26

クロミミキリガ
Orthosia lizetta Butler, 1878
1ex.

シロシタヨトウ
Sarcopolia illoba (Butler, 1878)
1ex.

クロモクメヨトウ
Dypterygia caliginosa (Walker, 1858)
1ex.


オオシモフリスズメ
Langia zenzeroides nawai Rothschild et Jordan, 1903
2exs.




2019.05.01

コウチスズメ
Smerinthus tokyonis Matsumura, 1921
1ex.

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